2015年11月29日

リニア中央新幹線甲府圏域建設促進協議会と街づくり

産経新聞山梨版 2015年11月25日の記事ですが、これは行政が地域の人々に向けて公式に発信すべき内容を産経新聞社が代って報じたものと考えられるので全文転載しておきます。この記事は事実関係のみで産経新聞社の意見は含まれていません。(引用者は年月日表記を補足しています)

 リニア中央新幹線の甲府圏域建設促進協議会は(2015年11月)24日、甲府市役所で平成27_2015年度総会を開き、「開業の効果を甲府圏域の活性化につながる運動を展開する」ことなどの事業計画を決定した。総会後にJR東海中央新幹線建設部の奥田純三・土木工事担当部長が新幹線計画の近況を説明した。奥田氏は付け替え道路の位置や中間駅の機能に関して、今後地元と協議して対応する考えを示した。

 総会には構成する甲府、甲斐、中央、昭和の市町長や議長、商工会、自治会代表らが出席した。奥田氏は路線概要説明の中で、県内路線部分約83キロ間のうち、地上部分27・1キロ、トンネル部分56・3キロ。トンネルには非常口を計9カ所設ける計画を改めて示した。新幹線の走行路線では中間駅建設が予定される甲府市や中央市付近で標高が約300メートルだが、早川町付近で1千メートル前後になるとした。リニア新幹線の特徴で登り坂に強く、速度に影響がないという。

 中間駅計画は、地上20メートル付近にホームを置く高架駅となり、「必要最小限の機能を持った駅で、駅員と防犯上の人員を配置する程度」とした。これについて、甲斐市の保坂武市長は「駅やホームにもにぎわいを創出したい。キャラクターなどを利用することが可能か」と質問した。奥田氏は「今後の検討課題」とした。

 また新幹線建設で既存道の付け替えが必要となる。新幹線施設は地上20〜30メートル付近を通る「桁式」と「新形式」の2種類の標準的高架橋が用いられる。中央市の田中久雄市長は「新形式では高架橋の間隔が狭く、付け替え道の配置が難しくなる」と、高架橋の間隔が広い桁式の多用を求めた。奥田氏は「意見をうかがいながら、高架橋と付け替え道の位置を協議させていただく」と話し、設計段階で検討するとした。

 奥田氏はこのほか、トンネル工事の発生残土の活用先として、県内全体で出る約600万立方メートルのうち、上野原市で想定される32万6千立方メートルの活用が未定であるとした。

 協議会総会では今年度事業として、県が中間駅を中心に「リニア環境未来都市整備方針」を28_2016年度中に策定することから、協議会としてリニア新幹線を活用した構成市町の活性化方策の検討やアクセス道路の整備に関する要望活動、新幹線建設に住民の理解と協力を得るための啓発活動を展開することなどを決めた。

産経新聞は報道と意見を区別して発信するスタンスが維持されていると思えるので、情報確認には役に立つメディアだと自分は考えています。この事に気付いたのは小沢一郎氏の陸山会事案の時でした。裁判の審議過程を全て伝えていたのは産経新聞だけだったのです。

リニア中央新幹線甲府圏域建設促進協議会については、これまでも名前だけは知っていましたが総会の内容を知ったのは初めてでした。過去の総会開催記録についてネットから分かる限りは以下の通りです。
2016年08月08日 14:00 甲府市役所(平成28年度総会)
2015年11月24日 14:00 甲府市役所
2015年01月15日 11:00 甲府市役所(2014年度総会)
2013年08月21日 13:30 中央市玉穂総合会館
2012年10月10日 14:00 アピオ甲府
2011年08月11日 14:00 アピオ甲府・・・総会決議について山梨県知事への要望(2011年09月06日 甲府市)
2010年08月05日 14:00 アピオ甲府
2009年08月06日 14:00 中央市玉穂生涯学習館

地域の人々に大切なことを的確に伝えない組織が山梨県には多いのですが、この協議会もそのひとつだと自分は思っています。
同様な組織には「リニア中央新幹線建設促進山梨県期成同盟会」もあります。この同盟会は沿線各都県にあり愛知県が本部です。
甲府圏域建設促進協議会を構成するのが甲府市、甲斐市、中央市、昭和町とのことですが、甲斐市と昭和町はリニア新幹線沿線とはなりません。どちらも甲府市活性化事業とは密接に結びつき平成の大合併では現在の甲斐市を構成した町が甲府市と合併という話も出た地域です。
このような組織に街づくり関係のNPO法人も参加しているかどうかは知りませんが、もし参画しているなら、行政・地域横断的な事案についての総合発信はNPOに委託し任せることでネットを活用した情報公開が進展すると思います。それが地域全体の合意形成にも役立つ、この点は地域ICT促進ひいては「街づくり」に関するひとつのテーマでしょう。甲府駅北口まちづくり委員会の活動は好例です。

2016年総会が分かったので追記しましたが、公式ホームページは未だ不明です。2011-11-30 追記

行政が関与する事業について行政サイトから何がどのように発信され地域の主権者に伝えられているか 税金を預り主権者に代って主権者の安全・安定・安心を計っている行政ですから、主権者にかわって行なう事業の経過報告を的確に発信するのも行政の仕事です
リニア関係のネット情報を観ていて、その地域の行政発信について一番身近な立場にある方々が確認した内容を広く知らせているような発信は静岡、神奈川あたりからしか見えてこない
行政施策の内容によってリニア批判の「そもそも論」が解決、解消されているかどうかの検証も必要ですが そこまで踏み込んだ論考は少ない
行政施策を構築する基本理念の中で「リニア批判のそもそも論」に言及し、それを論破しているような論考も読めない状況で、税金を使う事業だけが粛々と進行しています
現日本の政治政策の惨状は、こういう行政がもたらしていると自分は考えています
彼等が単に上からの指示を行なうだけとまでは言いたくないが、現実は判断する知能を持たないで実行プログラムだけがインストールされたロボットに過ぎない状況は見て取れる
posted by ict工夫 at 14:49| 地域活性化

リニア中央新幹線の車内電源、誘導集電について

この記事はgooブログの方で書いた記事ですが、理解が進んだらこちらのブログやWebページの方で整理したいと思うので、忘れないための転載です。

「リニアを考えよう!コミュニティー」というFacebookを見ている時に、「超電導磁気浮上式鉄道の誘導集電に関する研究」についての投稿に気付きました。以前にもどこかで読んだことがあり、誘導集電という技術の話から電気自動車への充電についてニュースがあったことも思い出しました。
電気自動車に関するニュース記事はブックマークしていなかったので検索ヒットから2点・・・・

続きがあります・・・
posted by ict工夫 at 06:47| リニア中央新幹線

2015年11月28日

甲府市リニア活用策検討委員会が発足しました

2015年11月26日 委嘱状交付式を行い、樋口雄一市長が「リニア中央新幹線の開業がもたらす効果を最大限に生かす中で、最重要課題である人口減少対策や産業、観光の振興などを図るため、本年(2015年)度から2カ年で甲府市リニア基本構想を策定する」と述べた、と報じられた記事に気付きましたのでメモしておきます。(日本工業経済新聞

甲府市は地元ですが私は甲府市のリニア中央新幹線事業への対応状況は未だフォローしていません。
私はリニア事業への甲府市の対応という視点ではなく、県内市町村と同じく「街づくり」という視点から考えています。
「街づくり」で考察した時に県内他の市町村と甲府市が違うのは「県都」であること、しかも県都の玄関口を専有し続けている山梨県庁にはオレ達の地元だという考え方がありそうです。それなら街づくりは市庁と県庁との二人三脚なのかと考えれば、それが上手く機能しているとも思えないことです。
甲府市中心市街地活性化事業の失敗が、それをはっきり見せたと私は考えています。二人三脚で二人のベクトルに違いがあり、それぞれの事業がつまずく。
長くなりますので、これまでの甲府市リニア事業対応経緯やリニア活用策検討委員会などについては後日整理してみることにして、今回は委員会発足のメモのみ。

posted by ict工夫 at 22:13| 地域活性化

2015年11月24日

日本共産党がリニア新幹線工事強行を批判、これは「とき既に遅し」だろうか

日本共産党の機関誌「しんぶん赤旗」が2015年11月24日付けで 「主張 リニア新幹線工事 異論置き去りでの強行やめよ」 という記事を掲載しました。

私は2013年9月から、しんぶん赤旗の記事 というページを設定して日本共産党からの情報発信をチェックしています。日本共産党が「リニア中央新幹線問題プロジェクトチーム」を設置していることに気付いたからでした。

2014年総選挙政策 18、交通に 「【1】リニア中央新幹線の建設に反対する」 というカテゴリーが設定されていました。総選挙政策(公約)ですから政権を取らない限りこれは実現しないものです。
しかし国会議員、地域議員のリニア沿線地域視察や報告会などを続けることで党政策の方向に沿うように事業実施策を改善させようという活動を続けていると思います。
これまでのところ私は「リニア中央新幹線問題プロジェクトチーム」の活動報告というようなWebページを知りません。散発的に各議員からの発信を見ているだけです。

正直申して今回の「主張」は「何を今さら・・・」の感を拭えません。しかし、もしかすると、日本共産党は既に独自ルートでリニア中央新幹線事業に関する極秘資料を入手し、2016年の年頭から始まる通常国会、国土交通委員会などで「爆弾質問」が出てくるのではないか、今回の「主張」はその前哨戦かも知れない・・・そんな事を期待したいと私は考えています。
併せて「リニア中央新幹線問題プロジェクトチーム」のホームページが出てくることも・・・

続きがあります・・・
posted by ict工夫 at 23:29| リニア中央新幹線

山梨リニア実験線評価書 水資源

山梨県上野原市秋山に王見の滝(おうみのたき)があるそうです。上野原町と秋山村が合併協議を行なった当時、広報紙の表紙を飾るほどですから、ご当地の皆さまが誇りとする名瀑なのかもしれません。

王見の滝

ここに書かれている上野原市秋山の「棚の入沢」という地名は、リニア関係の記事で何度か目にしています。島田市長も言及されているリニアのトンネル工事で水涸れになった場所の一つだと記されています。この事はオオヤケの資料では出てきていないのですが、それに関係しているかどうか、王見の滝の現況については、11月30日に上野原市秋山で開催されるJR東海の工事説明会で、環境保全対策の一例として説明されるだろうと思っています。県内メディアがこのような説明会を報じるかどうか分かりませんが・・・「上野原市秋山の棚の入沢中流に位置する。高さ約3メートルで、小さいながらも山峡の美しい滝。」 fujisan-net.jp のこの記事が参考になります。

補足−−コメントでご教示いただいたので、ソースを貼っておきます。中央新幹線(東京都・名古屋市間)環境影響評価書(平成26年8月)(山梨県) 評価書資料編 【環境影響評価の結果の概要並びに予測及び評価の結果】 中の 「8 水資源」 PDFファイルです。

評価書資料編 水資源
続きがあります・・・
posted by ict工夫 at 03:29| 環境影響