2017年04月30日

2027年の開業予定など無理・・・大鹿村からの抗議文 2017年4月28日

2017年04月30日、 南アルプスは大丈夫? リニア新幹線を考える登山者の会 記事が出ましたので記録しておきます。文中強調、改行などは引用者の編集です。

抗議文
2017年4月28日
大鹿リニアを止める実行委員会

 昨日4月27日、JR東海はリニア中央新幹線、南アルプストンネルの除山非常口からの掘削を開始したと発表した。長野県側からの南アルプストンネルトンネルの掘削ははじめてとなる。私たちは今回の掘削開始に強く抗議する。

第一にJR東海は卑怯だ。
 掘削開始は当日や前日に、大鹿村や地元自治会、一部メディアに知らされた。なるべく騒がれないようにこそこそと掘削開始をすませようと思ったのは明らかだ。これが国から建設指示を受け、3兆円もの公的資金の借り入れを受けた企業のすることだろうか。恥を知るべきだ。

第二にJR東海は迷惑だ。
 住民は工事車両の増加や工事の音に日夜不安を感じている。これからの生活がどうなるのか神経質になっているにもかかわらず、その変化が何に起因するのか十分に知らされなければ、不安は増幅するばかりだ。企業への不信感は高まりこそすれ解消されることはない。今まで同様、今回の掘削開始のやり方もまた、住民には迷惑、JR東海にとってもマイナスだ。

第三にJR東海は南アルプスの自然破壊について軽く考えている。
 地元にすら直前に知らせればすむという姿勢そのものがその証拠だ。南アルプスは国立公園であり、私たちみんなの共有財産である。本来なら国民投票をしてもおかしくない事柄を、一部の人間の間だけで進めてきたのがリニア事業の本質だ。もとより多くの人々に望まれたものでも、承認を受けたものでもない。元来不必要なものだからだ。

そして今回の掘削表明はリニア事業の成果ではなく限界を示している。
 国家的プロジェクトに対して、JR東海は沿線各地で反発を受けている。大鹿村でも抗議アピールを受け、11月の起工式では社長と県知事が会場に据え置かれる醜態を演じた。着工は予定より1年、掘削開始はさらにそれから半年がかかっている。先行するはずの小渋川非常口の掘削は保安林解除への異議によって進まない。掘削を公表できなかったのも、坑口以外の工事の遅れをばらされたくなかったにほかならない。本来なら誇るべき難工事の開始を、もはや公にアピールすらできない事態に陥っている。もともと杜撰な計画かつ、JR東海が公益事業を担うべき素質のない企業だからだ。

 私たちは、JR東海に南アルプストンネルの掘削の即時中止を求める。同時に、国や自治体が、JR東海への公的支援を取りやめることを求める。JR東海にそんな資格はなかったし、2027年の開業予定など無理だったのだ。傷の浅いうちに本事業から手を引くのが住民の生活や環境を担う立場の人々の賢明な判断だ。

長野県大鹿村で非常口(坑口)の工事着手です。リニア、県内初の掘削開始 大鹿の作業用トンネル(信濃毎日新聞 2017年4月28日)
NHK長野放送局には リニア 県内初のトンネル掘削(04月27日 17時32分)の記事があります。(年月日表示は編者が修正記録しています、起工式リンク先はこのブログの過去記事です)

NHK長野放送局 2017年04月27日 17時32分
 リニア中央新幹線の工事で難所の一つとされる南アルプスを貫くトンネルの掘削が大鹿村で始まりました。 県内でのリニアのトンネルの掘削はこれが初めてです。
 トンネルの掘削が始まったのはリニア中央新幹線の長野・静岡・山梨の3県にまたがる南アルプストンネルの県内の工区です。
このトンネルは全長25キロ、地表からの深さが長野と静岡の県境付近ではおよそ1400mと国内最大級で、リニアの工事の難所の一つとされています。
県内の8.4キロの工区では2016年11月、大鹿村で起工式が行われ、JR東海は村内の3か所で資材や機材の置き場所の整備を進めてきました。
このうちの1か所で整備が終わり、JR東海は2017年4月27日から県内初となるリニアのトンネルの掘削を始めました。
まず作業用のトンネルを掘り、順調に進めば2018年の初め頃には将来リニアが通る本体部分のトンネルの試験掘削に取りかかりたいとしています。
一方、掘削によって村内では合わせて300万立方メートルの土砂が発生するとされていますが、最終的な処分地はまだ決まっておらず場所の選定が課題になっています。

この件の報道記録は別に整理しておく予定です。私は大鹿村起工式の記事末尾に『長野県政、大鹿村の状況はリニア中央新幹線事業状況の縮図でしょう。』と書きました。上掲抗議文はまさにこの事を示しています。

posted by ict工夫 at 23:40| リニア中央新幹線

飯田市でリニア新幹線駅周辺整備の基本計画素案(報道記録)

飯田のリニア駅周辺整備で基本計画素案 「地域と一体化」(信濃毎日新聞 2017年3月25日)

 飯田市に建設されるリニア中央新幹線県内駅の周辺整備検討会議は(2017年3月)24日、市役所で開き、駅周辺整備基本計画の素案を示した。公共交通との接続や地域の魅力を発信する機能に加え、地元住民向けの「コミュニティ広場」を設置する方針を新たに盛り込み、駅建設で分断される地域への配慮を強めた。土地造成などの基盤工事は2021年度、立体駐車場などの建物の工事は2024年度に着手するとした。

 昨(2016)年12月に示した基本計画の骨格に補足や修正を加えた。駅の高架下に設けるコンコースは、地元伝統工芸の水引や和紙で装飾し、壁面などに県産材を活用する構想。高架下には、カフェやコンビニなどの設置も検討する。JR飯田線の乗換新駅検討予定地が一帯を見渡す高台にあることから「眺望の丘」設置も検討するとした。

 4項目の整備コンセプトのうち「地域コミュニティの拠点となる駅空間」は、「地域と一体化した駅空間」に改め、住民が日常的に活用するイメージを明確にした。

 駅周辺整備区域(6.5ヘクタール)に当たる上郷飯沼北条地区では、民家や事業所など約80棟が立ち退きを余儀なくされる。コミュニティ広場は、盆踊りなど地域行事での利用を想定。主に乗降客向けに特産品や伝統文化などを紹介する「魅力発信施設」「交流広場」とは別に設ける。規模や位置の詳細は2017年度からの基本設計で検討する。

 本来の自然環境を重視する「グリーンインフラ」の考え方を重視。一帯は傾斜地だが、地形の改変を抑えた土地造成で、開発の影響を最小限にする。駅の南北に交通広場をそれぞれ設け、県道や国道から車両が乗り入れやすいようにする。駐車場は立体、平面合わせて750台分を用意。信号機を使わない円形交差点「ラウンドアバウト」の導入も検討する。

 素案は、有識者らでつくる同会議4部会の検討結果などを基に市がまとめた。4〜5月の意見公募などを経て、6月中に決定する。

 駅舎やリニア本線の整備については、JR東海が用地測量や物件調査などを4〜6月以降に始め、2018年秋に準備工事に着手する予定。
posted by ict工夫 at 01:25| 地域活性化

2017年04月28日

リニアトンネル工事、山梨側は視察、長野側は着手、奇しくも同じ日に

2017年4月27日、南アルプス・トンネルの東側と西側で大きな動きがありました。
山梨県側では山梨県議会議員による工事視察が報じられました。NHK山梨のニュース(2017年4月27日 17時55分)から部分画像化しておきます。NHKの記事は短時間で削除されます。

リニア新幹線工事視察

私は27日夕方のUTYテレビ山梨のニュースで知りました、リニア最難関の工事現場、県議が視察(2017.04.27 18:50) こちらの記事は発生土の問題も報じています。
NHKが伝えたのがそのままなら、「工事で発生した土砂は順調に処理できているか」と質問するなら塩島置き場の上に更に仮置き場を作った理由と今後の見通しを尋ねるべきなのですが、この議員さんは何もご存じなかったようです。雨畑の汚染土仮置き場も視察したかどうかは報じられていません。
山梨県議会ホームページで議員視察報告記事として掲載されると思いますので、今の時点で現地視察がされた理由や県議会としての今後の対応などをご確認ください。

長野県大鹿村では非常口(坑口)の工事着手です。リニア、県内初の掘削開始 大鹿の作業用トンネル(信濃毎日新聞 2017年4月28日)から一部を画像で引用しておきます。
NHK長野放送局には リニア 県内初のトンネル掘削(04月27日 17時32分)の記事があります。

リニア新幹線工事着手

大鹿村での工事着手には色々な問題があるので、山梨県議会が視察するなら大鹿村に出かけた方がリニア新幹線事業のポイントを確認できるので良かったと思いますが、奇しくも同じ日に早川町を視察した、この裏には何かあると感じるのは私の悪い癖です・・・

posted by ict工夫 at 08:55| 工事

2017年04月27日

ストップ・リニア!訴訟」の第4回口頭弁論 4月28日

2017年4月28日に「ストップ・リニア!訴訟」の第4回口頭弁論が東京地裁で開催されます。
チラシに書かれているように、今回は山梨リニア実験線沿線におられる原告からの意見陳述があるそうです。
リニア実験線沿線で生じている問題について山梨県や地域自治体議会の会議録以外でオオヤケの記録が残るのは今回が初めてだろうと思います。

実験線の問題解決策については 山梨県リニア交通局 や県庁「まちづくり・環境」カテゴリーの リニア中央新幹線、地域自治体では 上野原市都留市大月市笛吹市 から関連情報を探してみると状況が理解できます。

訴訟の経緯などについては ストップ・リニア!訴訟原告団の公式ホームページ をご参照ください。このチラシのPDFファイルもダウンロードできます。

第4回口頭弁論/報告集会
タグ:訴訟
posted by ict工夫 at 07:34| 訴訟

2017年04月20日

長野県・沿線市町村長とJR東海の意見交換会(報道記録)

リニアでJRと県、首長が意見交換会(南信州新聞 2017年4月20日)
(年月日の補足、改行、参照リンク設定などの編集は引用者です。)

 リニア中央新幹線計画をめぐるJR東海と県、沿線市町村長との意見交換会が(2017年4月)19日、県飯田合同庁舎で開かれ、市町村側は残土処分地の安全性確保や現地要因の増員、残土運搬計画の早期提示などを求めた。
JRの宇野護中央新幹線推進本部長は、三六災害の経験を伊那谷全体の特殊な事情と位置付け、自社による残土処分地の長期管理を「一つの方策」として豊丘村本山の計画地に限らないとの考えを示した。

 昨年10月以来半年ぶりに県が開いた。宇野本部長ら同社の幹部と、飯田下伊那の市町村と南木曽町、中川村の首長らが非公開で意見交換し、終了後に宇野本部長と水間武樹県リニア整備推進局長が取材に応じた。
出席者らによると、市町村長らは
 ▽ 残土処分地の安全性確保と運搬路計画の早期提示
 ▽ 人員増を含めた現地体制の強化
 ▽ 工事の安全に関する確認書の締結
 ▽ 観光・地域振興への協力
―を求めたという。
残土処分地は、本山計画地と同様のJRによる長期管理や、安全性の確保について住民が納得できる科学的根拠の提示を要求した。

 取材に宇野本部長は、本山を管理する理由の一つとした1961(昭和36)年の三六災害を踏まえた住民不安を「伊那谷全体の事情」とし、他の候補地でも「同様の心配が条件となれば選択肢に入る」とした。
 JR側のマンパワー不足は、「協議や調整を進める上で課題」と複数の首長が指摘した。宇野本部長は「人数はそれほど多く望めないが、仕事内容の方で努力する」とした。

 残土運搬経路の早期提示は飯田市が要望した。終了後、牧野光朗市長は、市民生活への影響を回避する目的で中央自動車道や三遠南信自動車道を活用するよう求めていることを明らかにした。

 首長らは他に、着工前に工事用車両の運行に関するルールや環境の事後調査計画を盛った確認書を結んだ大鹿村同様の対応や、観光・地域振興への協力を要望。JR側は応じる姿勢を示した。
 終了後、豊丘村の下平喜隆村長は「住民が安心できる盛土管理の科学的な根拠の提示を求めた」、大鹿村の柳島貞康村長は「残土処分地の詳しい説明を求めた」と話した。

2017年04月16日 長野県関係市町村長とJR東海の意見交換会 を書いています。開催広報の記載により、意見交換会に参加された長野県、飯伊地区全市町村、南木曽町、中川村にリンクしておきます。リニア新幹線軌道から外れていても発生土処分地、関係する工事車両の通行などが考慮されたものと思います。
各自治体にはリニア新幹線対策部署や委員会が設置されているケースがあり、それについてはリニア中央新幹線情報のWebページで整理しています。

続きがあります・・・
タグ:報道
posted by ict工夫 at 20:29| 長野県