2017年08月30日

大鹿村小渋川非常口で発破掘削作業始まる(報道記録)

発破掘削作業始まる 南アトンネル小渋川非常口で 大鹿村(南信州新聞 2017年8月29日)
 リニア中央新幹線計画でJR東海は29日、南アルプストンネル長野工区(8・4キロ)の小渋川非常口=大鹿村上蔵(わぞ)=で火薬を使った発破による掘削を始めた。リニア本体工事での発破作業は県内初めて。坑口のヤードでは発破音が響いたが、現場の振動計や騒音計に目立った変化はなかった。9月上旬までは日中の1日1〜2回、中旬以降は夜間も含めて2〜3回程度を予定している。
 7月3日に始めた重機による掘削で堅い地盤に達し、高さ7メートル、幅9・5メートル、厚さ30センチの防音扉が完成したため、移行。坑口から30メートル付近、土被りが30メートル程度の地点で、初日は午前10時からの1回行った。
坑口付近では1分前に1度目のサイレンが鳴り、2度目の約10秒後にドンドンドンドンと発破音が響いた。
 発破前の1時間に22―32デシベルで推移していた振動計、56―59デシベルだった騒音計とも同範囲を超えることはなかった。
 近くで地質調査をしていた信州大学理学部の男子学生(22)=松本市=は「地面の中で太鼓を打ったような音で、思ったより小さかった。振動も感じられなかった」と話した。
 坑口から約720メートル離れた上段の花畑で作業をしていた神田五月さん(74)=上蔵=は「遠くでドーンという音が聞こえたが、苦になるほどではなかった」。多田まゆみさん(73)=同=は「サイレンも発破の音も小さく、夜でも気にならないほどでは。早く始めて早く終わらせてほしい」と話した。
 同社は22日に発破作業の開始を地元関係者に周知。初日は周辺の集会所や民家など複数カ所で騒音や振動を測定し、同日夕に結果を公表するという。
 JR東海広報部は「引き続き工事の安全や環境の保全、さらには地域との連携を重視し、工事を着実に進める」としている。
 大鹿村内ではリニア本坑につながる3つの作業用トンネル(斜坑)が計画されており、掘削終了後、来年前半から先進坑を掘り、その後、本坑に取り掛かる。JRは本坑の掘削開始時期を示していないが、23年春ごろの貫通を目指している。
 小渋川の作業用トンネルは釜沢までの長さ1・1キロ、掘削断面は高さ7メートル、横幅9・5メートル。来年の秋頃に貫通する見通し。
 除山(のぞきやま)非常口=釜沢=は4月に掘削を開始。釜沢非常口=同=は進入路の仮設橋設置に時間がかかるため、当初計画より大きく遅れて来年4月頃の掘削開始を予定している。
 村は「周辺住民に配慮して進めてほしい」としている。
県内リニア 発破掘削開始 大鹿の作業用トンネル(信濃毎日新聞 2017年8月30日)
 JR東海は29日、下伊那郡大鹿村のリニア中央新幹線の作業用トンネルで火薬を使った発破による掘削を始めた。県内のリニア本体工事では初めての発破作業。場所は南アルプストンネル長野工区(8・4キロ)を掘り進める三つの坑口のうち、「小渋川非常口」(上蔵地区)の作業用トンネルで、これまでに30メートルほど重機で掘り進めていた。
 南アトンネルは、山岳トンネルで一般的な「NATM(ナトム)」と呼ばれる工法を採用。火薬による発破などで掘削した所にコンクリートを吹き付け、長いボルトを打ち込むなどして固め、トンネルと地山を一体化させながら工事を進める。県内のトンネルの大部分はこの工法で工事が進む見通しだ。
 発破は、同非常口に設置した厚さ約30センチの防音扉を閉めて行われる。この日は午前10時に発破実施を知らせるサイレンが鳴った後、重低音の爆発音が数秒間響いた。非常口の作業場の外に設置された騒音と振動を測る計器の数値に大きな変化はなかった。
 上蔵地区に住む女性は「『ドワーン』と響くような音だった。思ったよりは大きな音じゃなく、振動もなかった」と話した。JR東海によると、非常口から700メートルほど離れた集落内の計器では、騒音が最大52デシベル、振動が同27デシベルで、平常時と比べて大きな変化はなかったという。
 開通までに掘るのは、リニアが実際に走る本坑と、地質を確かめるなどの目的で本坑と平行して先に掘り進める先進坑、地表の坑口から本坑や先進坑までをつなぐ作業用トンネルの主に3種類。小渋川非常口は今後、基本的に発破での掘削が続き、作業用トンネルを掘り終えた後、来年前半に先進坑の掘削に入る計画。本坑の着手時期は未定。
 長野工区の残り二つの坑口は山間の釜沢地区にあり、発破は始まっていない。集落に近い渓谷で工事するため、騒音や振動を住民が懸念している。
続きがあります・・・
posted by ict工夫 at 22:46| 工事

リニアが見える街の騒音対策で苦悩する山梨県富士川町

富士川町財務課−リニア対策室−リニア対策担当という組織構成で、リニア中央新幹線 ホームページが設定されています。参照・富士川町組織図 2017年4月1日(PDFファイル)
【以下は私が8月30日までに確認できた情報ですが、ブログに記録しておき後日Webサイトで整理する予定です】
リニア防音フード設置を問う 山梨県富士川町が住民投票条例案提出へ(産経新聞山梨版 2017.8.29 07:00)
 平成39_2027年に品川−名古屋駅間で先行開業予定のリニア中央新幹線について、沿線の山梨県富士川町でトンネル以外の「明かり区間」で「防音防災フード」の設置をJR東海に要請するか否かを町民に問う住民投票が計画されている。
 町は(2017年8月)28日、住民投票条例案を9月定例議会に提出すると発表。議会は最終日の9月22日の本会議で採決する。可決すれば、年内にも住民投票が実施される。
 JR東海がまとめた環境影響評価書では、同町を通る明かり区間(約2・6キロ)のうち、コンクリート製で天壁付きの防音防災フード(高さ約8メートル)で覆われるのは、町役場(同町天神中條)北東の小林地区の周辺だけ。他の区間は軌道脇の防音壁(高さ約3・5メートル)との想定だ。
同町によると、その他の明かり区間でも住民からフード設置を求める強い要望があり、町も工事前に住民の意向を確認したいとしている。このため、町は住民投票で沿線住民の意思を問うことにした。
 町リニア対策室によると、住民投票の対象は満18歳以上で、リニア中央新幹線の軌道中心から左右400メートル以内の居住者(3556人、6月1日現在)と法人登録事業所の代表者(56人、同)。さらに同100メートル以内の土地の所有者(196人、同)。
 住民投票は防音防災フード設置について「希望する」「希望しない」のいずれかを問う。町内の明かり区間を3つのブロックに分け、ブロックごとの結果に従い、JR東海に要望する。

フード設置意向問う住民投票へ リニア予定地の町(朝日新聞山梨版 2017年8月29日03時00分)記事で産経新聞記事には書かれていない点として、『フードを付けることで構造物がより高くなり、軌道近くの田畑などで日照不足を不安視する向きもある。』 に気付きます。

リニア軌道高架の高さに加えて防音壁なら+3.5メートル、防音・防災フードだと+8メートルなので4.5メートル分の日影が増えるという意味です。
リニア新幹線高架の高さを決定する要因について調べてみないと分かりませんが、道路上の歩道橋あるいは立体交差のような構造物の高さ制限(法令)に適合する高さのリニア高架軌道+防音・防災フード8メートルを検討できるでしょう。
しかし高架を低くできるとしても騒音、振動、磁気などの地上への影響が変化するかどうかは実験線で測定しておくべきだし、クレーン車や消防はしご車などを使えば軌道と地面の間隔を模した測定は出来ると思います。

平成29_2017年第2回富士川町議会定例会(6月定例会)町長所信表明 を記録しておきます。
 次に、リニア中央新幹線についてであります。
 リニア中央新幹線の事業用地となる土地の用地幅杭の設置、物件調査、立竹木等の調査を含めた用地測量について、町内で高架橋となる明かり区間におきましては、JR東海、並びにJR東海から用地取得等の委託を受けた、山梨県リニア用地事務所により、現在、了承を得られた場所から順次行っているところであります。

 また、仙洞田地内に建設される保守基地や変電所、工事用道路等の建設に関しましては、事業範囲の概要や工事用道路等について、地元説明会を行う中で、用地測量、及び権利者調査などを行っているところであります。
 今後は、測量及び調査結果を踏まえ、境界確認作業や補償金額の算定等を行い、個別の説明に入るものと考えております。

 このような状況の中、町では、リニア高架橋に伴う騒音や日照に関する沿線住民の皆さんの懸念事項を払拭するため、時速500Kmでの走行騒音や振動等を実際に体感していただくことを目的とした、リニア実験線見学会を5月24日、27日、6月1日、10日の4日間開催し、さらに今月下旬には、見学会を踏まえ、最勝寺、天神中條、大久保、つき米、小林、長澤区の沿線住民との意見交換会を3か所で開催する予定でおります。
 今後は、見学会や意見交換会での御意見を踏まえ、リニア中央新幹線の騒音に係る環境基準の地域指定に対する町の考え方をまとめて参りたいと考えております。

 なお、リニア中央新幹線の騒音フードや防音壁につきましては、環境基準の地域指定とは別に、地域の意見が最も反映できる方策を用いる中で、決定して参りたいと考えております。
町長が言及されたリニア実験線見学会と意見交換会について確認できたので同様に記録しました。
続きがあります・・・
posted by ict工夫 at 06:10| 地域活性化