この要望書は公開されていませんが、総会決議はPDFファイルでアップロードされているので、以下に引用しておきます。Web用のHTML編集はしていますが内容は原文のままです。
リニア中央新幹線は、東京・名古屋・大阪間の時間距離を大幅に短縮し、関東、中部、近畿の各地域間の交流・連携を一層強化し、わが国の新たな国土の大動脈として、経済社会を支え、東京・大阪間の二重系化による災害に強い国土の形成、ゆとりある生活の実現に大きく貢献するとともに、内陸部における発展を促進する極めて重要な社会基盤である。
また、持続可能な地域の形成、エネルギー問題、環境問題においても、優れた特性をもつ大量高速輸送機関として期待されている。
国家的プロジェクトであるリニア中央新幹線は、平成23年5月に全国新幹線鉄道整備法に基づく整備計画が決定され、東海旅客鉄道株式会社に対して建設の指示が出された。東京都・名古屋市間においては環境影響評価の手続を経て、平成26年10月に全国新幹線鉄道整備法に基づく工事実施計画が認可されたが、リニア中央新幹線の整備は、東京・大阪間を直結することで初めてその機能を十分に発揮し、効果を得ることができる事業である。
よって、我々は、ここにリニア中央新幹線建設促進期成同盟会の事業目的の趣旨に則り、リニア中央新幹線の早期全線整備に向けて、次の事項について一致協カして強力な運動を展開するものとする。
1 東京・名古屋間については、工事実施計画に基づき着実に事業を進め、早期整備を図ること。
2 技術開発等による大幅なコストダウンに努めるとともに、全線同時開業のための具体策を早急に検討し、方策を示すこと。
3 名古屋・大阪間についても概略ルート及び駅の概略位置を早期に公表し、環境影響評価の手続に着手すること。
4 リニア中央新幹線の早期建設のため、大深度地下使用等に関する行政手続が円滑に進められるよう、所要の措置を取ること。
5 今後のリニア中央新幹線の推進にあたっては、地域の発展に資するよう、駅設置に関することなど地域の意向を十分反映させること。
駅周辺のまちづくりに関する支援など、地域の活性化に資するための施策を積極的に講じること。
以上決議する。
平成27年6月4日
リニア中央新幹線建設促進期成同盟会
既にご存じの方も多いと思いますが、週刊ダイヤモンドが2015年6月13日号で「ゼネコン 気がつけば最高益の罠」という特集を組みました。
このネット公開記事ではリニア品川駅工事について、「入札は不調だった。先方の予定価格に合わなかったということだ」(大手ゼネコン関係者) と始まり、『スーパーゼネコンを含む複数社が応札したもようだが、結果は関係者の言葉どおり、不調となった。JR東海の予定価格よりも、札を入れた全社の提示した価格が上回ったというわけだ。』と説明されています。
私が入手して確認したダイヤモンドの特集はリニア工事のことではなく、一般的にゼネコンの状況を詳細に分析したものと思えますが、建設業については何も知らない私には残念ながら猫に小判です。
私が信頼するメディアとしてダイヤモンド社には失礼ですが、冒頭にリニアの記事を置いたのは、税金投入でカバーしなければリニア事業が成立しないことを言外にアピールしているのではないか?そんな事を感じたのです。
そして、今回の期成同盟決議と国土交通省への要請です。これでつながりました。
決議には全国新幹線鉄道整備法という言葉が繰り返し使われています。これこそが税金投入の正当性を担保し国民を納得させるキーワードでしょう。錦の御旗を振りかざせば「そこのけ そのこけ リニアが通る」のです。
税金投入されることになれば難工事でも落札できるのではないかと思いますが、単にシロウトの想像です。
公共事業ですと入札・落札の詳細が公開されますが、それが必要ない民間事業として税金は投入するという方策はあるのかも知れません、皆さんその道のプロですから。
「リニアの優れた特性」について論理的に明確な矛盾の無い丁寧な説明が、リニアを批判する人々に対して彼等から発信されたことがあるでしょうか。
リニア事業の厳しい問題点が明らかになるにつれて、彼等リニア推進の人々は単に欲しい物が失われそうで焦って国に頼ろうとするだけのように私には見えます。
安倍政権と一緒に消えて無くなって欲しい。