2014年07月17日

税金投入実績は自治体も明確にすべき

リニアの全てを金額に換算して示すのが、一番分かり易いはずだ

金が全ての世の中だとは思わずとも、リニア中央新幹線計画について何処にどれくらい税金が投入されているかを各地域でキチンと公開し地域民、国民が考える材料としておく方がよい。
自分がリニアで稼いだ、あるいは迷惑を補償して貰ったのは事業者の財布からではなく税金が流れてきたからに過ぎないと気付くことは大切な事だ。
税金を掠め取れる最適な方法として「リニアで地域活性化」を唱える人々にとっては、そんな情報公開は迷惑なことかもしれない。
なにごとについても情報が公開されないのは、いわゆる政官業癒着という裏があるからだと気付くことも大切なことだ。それすらも開き直って「地域としては必要悪」と言い切る人もある、「談合は必要悪」との見解はひとつの例。

その「悪」が必要な地域になってしまったのは何故だろうか。リニア中央新幹線問題はそれを解きほぐす良い素材として考えることも必要だ。
山梨県民の皆さんはご存じのことだが、山梨県立博物館は毎年4億円の県税が投入されて運営が成り立つことが開設の当初に明らかになった。その現状はどうなっているか、納税者はその情報を知っておられるだろうか。一事が万事。


第186回国会で平成26(2014)年6月18日に「リニア中央新幹線の事業計画に関する質問主意書」が提出され、 6月20日に内閣に転送され、 6月27日答弁書の受領と衆議院公式サイトに記録されている。
いずれ全文を整理して記録する予定だが、かねてから疑問だったポイントのみ、ここに引用しておく。(文中の縦書き漢数字は横書きアラビア数字に書き換えた、改行も編集してある)

五 税金の投入について
 リニア新幹線の計画推進に当たっては、「総事業費の全額をJR東海が負担する」ことが大前提になっている。ところが、来年度税制大綱では不動産取得税と免許登録税が免除されるなど用地買収をはじめとしたリニア関連の税金が免除されている。
国が3分の2、地方公共団体が3分の1を負担するという従来の整備新幹線と同様にこれらの用地買収等の税が免除されることは、直接的な税金投入とは形は異なるが、結局国民負担につながることではないか。
なぜこのような税金優遇が行われるのか。その法的根拠について明らかにされたい。

 さらに、山梨実験線への公的補助、リニア技術開発に対する国庫補助(鉄道総研)、地方自治体のリニア部局等での人件費も税金である。
「総事業費の全額JR東海負担」という、そもそもの経緯から見て、国民に対していかに説明をするのか。また、これらに係る金額はそれぞれいくらになるか。回答を求める。

五について
 御指摘の「税金優遇」の意味するところが必ずしも明らかではないが、中央新幹線に係る登録免許税及び不動産取得税については、租税特別措置法(昭和32年法律第26号)第84条及び地方税法(昭和25年法律第226号)第73条の4第1項第38号の規定が適用されている。

 また、御指摘の「リニア技術開発に対する国庫補助」については、超電導磁気浮上式鉄道(以下「超電導リニア」という。)を鉄道システムとして実用化するための総合的な技術開発の支援を目的として、平成2年度以降の予算において、約543億円を計上している。

御指摘の「山梨実験線への公的補助」及び「地方自治体のリニア部局等での人件費」については、その意味するところが必ずしも明らかではないため、お答えすることは困難である。

「山梨実験線への公的補助」・・・・これには地下水問題に対するJR東海と分担した山梨県、市町村による対策費も含まれると思える。
JR東海の補償は30年という期限があるとも読んだことがある。それ以後は全てが地域行政の負担となるのか。
これまでもあり、今後もあると思うが、リニア工事用道路の新設・拡張、公共施設(学校等)の移転が地域行政負担で行なわれるなら、その全体像も逐次公開していくべきだろう。これまでに国税が投入された事業だから、「地元の皆さんにご相談して・・・」で済ませてよい話では無い。
かねてから私が疑問に感じているのは、山梨県都留市にあるリニア・ミュージアム(とここでは呼んでおく)が民間企業の宣伝活動に税金が投入されているのではないかという事。JR東海が自前でやる事業だと宣言した時に、ミュージアムの立場を明確に行政から切り離すべきだったのではないか。
山梨県立科学館のような学習兼観光施設と位置付け指定管理者による採算の取れる運営に切り替えるなどの施策は考えられないのか。山梨県の負の遺産となるかも知れないという状況を想定内に置くべきだろう。

「地方自治体のリニア部局等での人件費」・・・山梨県長野県岐阜県愛知県 にはリニア担当を確認できる。山梨県では用地買収工作にはJR東海社員に県庁、市町村職員が同伴しているという話もある。他都県の状況は未だ確認できていないが、リニア批判のチームから詳しい現状は発信されているかも知れない。

ちなみに、静岡県では、ふじのくに交通ネットワークビジョンは以前からだが、中央新幹線環境保全連絡会議の開催(更新日:平成26年5月2日)ができていた。
神奈川県では、リニア中央新幹線建設の調整を担当するグループが県土整備局都市部交通企画課に置かれている。
東京都の状況は準備書評価審議段階で確認した時にも分からなかったが、関与しているのは都市整備局都市基盤部交通企画課だろうと思える。

政府が答弁できなかった地方自治体に関する内容は、各自治体から全国民に向けて明確な答えを発信すべきだろう。政府が 「その意味するところが必ずしも明らかではない」 というのは、地域行政の実態情報が政府には伝えられていないので質問者の問いかけの意味を理解できないからだろう、と書くにとどめる。
リニアの全てを金額に換算して示すのが、一番分かり易いはずだ。2013年9月に出てきた50年間で10.7兆円の経済効果とか、「品川-名古屋で5兆4300億円、新大阪まで開業で9兆円をJR東海が自己負担する」 というマスコミ情報数字の一人歩きだけじゃないことを明確にした方がよい。
それができないなら、そのようなデータ集計すらしていないという自治体行政の醜態を見せることになる。そのような人々にリニア中央新幹線による地域活性化を語る資格などあるとは思えない。

タグ:国会
posted by ict工夫 at 04:04| 国会・国政