2013年11月09日

リニア工事の渇水で静岡県民63万人分の水道水が消失?

静岡新聞の2013年11月8日ですが、「リニア渇水」下流域懸念 大井川の流量減少と予測 という記事を目にして驚きました。
環境影響評価準備書の静岡版までは目を通す時間がなかったのですが、『JR東海の予測結果は、リニア完成後に大井川上流部で流量が現況から毎秒約2トン減少するという内容。毎秒2トンは、上水道を7市約63万人が利用する大井川広域水道企業団の水利権量と同じだ。』とのことです。
リンクした静岡新聞記事には既にアクセスできませんので、記録していた記事から引用しておきます(2016年6月)

「リニア渇水」下流域懸念 大井川の流量減少と予測 (11/ 8 14:12)
 JR東海がリニア中央新幹線整備計画の環境影響評価(アセスメント)準備書で大井川の流量が減少する予測を示したことに対し、下流域の行政や水利用団体から懸念の声が噴出している。下流域の市や水道企業団、土地改良区など計15団体は8日までに、JR側にアセス結果案への意見書を提出した。
 大井川は国内でも有数の急流で、発電や上水道、農工業用水など多面での利用があり、河川環境を維持する水量を含め、「一滴も無駄な水はない」(国交省静岡河川事務所)という状況。関係者はJR側に調査結果の根拠や流量維持の対応策を示すよう求めている。
 JR東海の予測結果は、リニア完成後に大井川上流部で流量が現況から毎秒約2トン減少するという内容。毎秒2トンは、上水道を7市約63万人が利用する大井川広域水道企業団の水利権量と同じだ。

静岡県大井川広域水道企業団水源情報−長島ダム(貯水施設)概要 のページには、「1日最大518,400立方メートルの水道用水の取水を可能にする」 と記されていますから、6立方メートル/秒が取水可能なのだと思います。水利権と水道事業の関係などは私にはわかりませんので、63万人の水道水が無くなるという意味に解するのは間違いとは思いますが、毎秒2トン減るというのは取水への影響は大変なことだと思います。
施設概要(全体図) のページには企業団が給水する地域や施設の全体地図が掲載されています。
(企業団のリンク先を修正し以下に引用しました 2016年6月)

静岡県大井川広域水道企業団は、大井川流域の7市(島田市、焼津市、掛川市、藤枝市、御前崎市、菊川市、牧之原市)に水道用水を供給しています。長島ダムを水源とし、日量160,700m3の給水能力を持つ浄水場があります。昭和63年4月に一部給水開始以来、流域約60万人の生活用水をまかなっています。(「企業団概要」から引用)
 長島ダムは、治水と利水を目的に、大井川の上流、榛原郡本川根町地先(現川根本町)に建設された多目的ダムです。水道では最大501,120m3/日(最大5.8m3/s)の水の取水が可能です。
 大井川は、静岡県の中部に位置し、その源は静岡県、長野県、山梨県の県境に位置する間ノ岳からはじまり、静岡県の中央部を南北に流れ、駿河湾に注いでいる延長168km、流域面積1,280km2の一級河川です。
 大井川上流域には南アルプス国立公園、奥大井県立自然公園などが広がり、豊かな自然環境や深い渓谷美を有する接岨峡や寸又峡などの河川景観に恵まれ、良好で多様な生態系が育まれています。

2013年11月5日〜6日には静岡市議会の議員が残土置き場予定地の視察をしたとの記事もありました。(リンク切れです)
静岡新聞 11月6日
中日新聞 11月7日

山梨県では早川町の残土置き場だけは決まったようですが、そこを県議会や関係自治体の議員さん達が視察したというニュースは見ていませんので、皆さんが残土問題をどのように考えておられるのかは知りません。
山梨県ではネットで見えるリニアの問題点は既に特定秘密に指定されているのか、推進工作している裏を表と勘違いしてリニアの何が問題なの?と街づくり会議などだけはドンドン進んでいるのだろうと思います。情報弱者にありがちな毎度のことですが。

それにしても静岡県民はお気の毒です。リニア駅は無いのに災害の心配だけが出て来る上に、南アルプスエコパーク認定への影響もある。リニア中央新幹線を認める代わりに東海道新幹線の富士山静岡空港駅を作らせるという話も進むかどうか。でも山梨県はそんな沿線他地域のことに関係無くリニア中央新幹線は計画通り順調に完成することを前提に県政を進めているようです。情弱止まなしですね。

そういえば、今日11月9日はベルリンの壁崩壊記念日でした。1989年、それから四半世紀を経て我が日本では愚かにも情報非開示の壁を高くしながら万里のトンネル構築に取り掛かるのだろうか。

この記事を gooブログ にアップロードした時に戴いたコメントと私のレスを転載しておきます・・・

【kabochadaisuki 2013-11-09 14:05:03】
なかなか話題にならない当地の事情をご説明いただきましてありがとうございます。
 
詳しくはブログに書きましたが、準備書からは、この大井川の渇水予測について、数字をそのまま信じてよいものかどうか、ひょっとしたらもっとひどいことになるんじゃないかと思わざるを得なくなっています。
 
他県の準備書では流量予測の前提として、現地調査において実際に調べた流量を用いています。ところが静岡県版ではなぜか実測値ではなく「解析値」なるナゾの数値を用いています。詳しいことはよく分かりませんが、解析値というのは計算をしやすくするための理論上の値という扱いだと思います。
 
静岡県版準備書について理解不可能なのは、この「解析値による現況の流量」が実際の流量の5倍もの値を示しているということ。発電用の取水の影響でもないようです。
 
解析値が実際の流量とかけ離れた値を示しているのでは、予測なんてもっと信頼できないのではないのか。ひょっとしてJR東海の予測は前々からデタラメであり、だからこそ山梨実験線の水枯れも避けられなかったのではないか。そんな疑問を強く抱きました。
 
一応、準備書への意見として提出しましたが…。
 
準備書への意見として大鹿村からは悲鳴にも似た声があがり、また南アルプスの環境保全という観点で、世界遺産・エコパーク登録関連委員会や日本自然保護協会など多方面から「調査内容も準備書の記載も不十分、事業計画はムチャクチャ」という声があがっています。静岡の審議会でも「情報不足で審議しようがない」という声が強いようです。しかしこのタイミングで関西から2027年大阪同時開業を望む声が再びあがりました。「ムチャクチャなアセス・事業内容でも早期着工せよ」と言っているのに等しく、静岡の人間としては腹立たしいとしか言いようがありません。
 
(水利権の話は私にもよく分かりません。別のページには現在の取水量は1日160700立方メートルだが2倍に増やす見込みという記載もありました.。)
 
長文失礼いたしました
【ictkofu 2013-11-09 16:40:43】
コメントありがとうございます。
静岡新聞しか確認しませんでしたが、NHKや全国紙が全国発信できちんと報じているなら、沿線各都県は言うに及ばず全国の人々も問題を理解しているはずです。それでもなおかつ今回の準備書を認めるなら愚かとしか言いようがありません。
同様な問題点は静岡の水資源問題だけではなく、各地にある事がネットからは読み取れます。
もし静岡新聞などの地域紙面以外に報じていないなら、そういう状況こそがリニア中央新幹線プロジェクトには国民に知られたくない基本的なリスクがあり、これを推進している「リニア村」の存在を示しているのです。
私は山梨県の大規模道路問題やリニアを見て来て感じましたが、環境影響評価という法制度のあり方に根本的な間違いがあるように思っています。環境問題など自分には縁が無いと無関心で過ごしてきたので今さらですが。
追記です。「リニア工事による大井川渇水の数字がナゾ」と、kabochadaisuki さんが11月8日の記事を書かれています。 http://blogs.yahoo.co.jp/jigiua8eurao4

kabochadaisuki さんのサイトで リニア中央新幹線は大井川の巨大水抜きパイプ がこの問題を詳細に検討されています。

posted by ict工夫 at 06:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 静岡県
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