2014年10月25日

中部横断道のセレン汚染は残土処理の教訓になっているか

その後の確認が遅れました。2014年11月に解決しています。「西松建設、コアボーリングシステムを山梨県内の山岳トンネル工事で適用」(2015年11月14日)を書く時にこの事案についても甲府河川国道事務所をサーチした結果で判明しました。
中部横断自動車道(富沢〜六郷)(仮称)南部インターチェンジ工事現場内で検出されたセレンへの対応について 地下水の利用制限解除について【第4報】(平成26-2014年11月12日)

2013.12.07 に書いた記事、山梨県南部町のセレン汚染とリニア残土の追記・再掲です。
『H25.10.21 中部横断自動車道(富沢〜六郷)(仮称)南部インターチェンジ工事現場内の地下水観測用井戸において自然由来物質(セレン)が検出されました』 に端を発します。
ほぼ1年が経過しても国土交通省はモニタリングを続けています。2014年10月14日モニタリング結果によれば、『周辺地域の井戸等の水質調査結果 現在のところ、異常値は検出されておりません。』 とのことです。
この情報は、リニア中央新幹線工事認可申請について、「技術基準等への適合」、「環境への配慮」、「工事費や完了予定時期」の主に3つの観点から審査をした国土交通省担当部署も共有していると思います。
2014年9月26日の国土交通大臣定例記者会見での質疑応答が掲載されたので、記録しておきます。

(問)リニア中央新幹線ですが、JR東海から工事認可申請が出て1ヶ月ほどが経過したところですが、認可に向けての検討状況あるいは認可の目途等がありましたらお願いします。

(答)8月26日にJR東海から全国新幹線鉄道整備法に基づいて、中央新幹線に係る工事実施計画の申請を受けました。
1ヶ月経過していますが、これまでも私が発言してきた状況から変わっておりません。
3つの観点、「技術基準等への適合」、「環境への配慮」、「工事費や完了予定時期」の主に3点から審査を行っております。
繰り返し申し上げますが、かなりリニア新幹線の技術そのもの以上に、土木工事ということに焦点が移っています。
これが非常に大きいものですから、また技術的にもこれは非常に大事なことでもありますから、土木の技術者全体の力を合わせてと思っているところです。
難工事が非常に予想されます。
残土の発生ということもありますし、環境への影響ということもありますし、このトンネルの上のいわゆる土かぶりといわれるものが1,400メートルあって、軟弱地盤ということの中にトンネルを掘る工法とか技術的なものがあります。
しっかり審査をするようにということを事務方にも私は指示しているところで、いつ認可をするかということについては、まだ今審査をしっかりやるようにということ指示しているところで、スケジュールや進捗状況については、まだ申し上げる段階ではございません。

(問)より慎重に検討しなければいけない点が多々あるという理解でよろしいですか。

(答)そういう表現というよりは、私は残土の問題とか土かぶりのことを色々言ったりしましたが、この案件は今までの技術水準に照らし経験がない部分も、これ土木の世界がかなり大きいものですから、そこは慎重にしなくてはいけないし、残土の利用方法についての提案というのも出ているとは聞いているのですが、この残土もですね、岩石の場合とそうでない場合があったりしますから、とにかく慎重にしっかり審査を行うことが大事だということです。

私はリニアの残土問題では、岐阜県のウラン鉱脈地域を通過する事が大きな問題になると思っていました。しかし、南部町で発生した問題は、自然由来物質が含まれているということで、何処でも起りうることだと感じました。
工場跡地で六価クロムが見つかり対処した話は知っています。工場撤収に際して予定外の経費がかかったでしょう。
リニア中央新幹線のトンネル工事などの残土に問題が見つかった時に、国土交通省が既に1年もモニタリングを続けているような対応を、リニア計画事業者のJR東海は想定しているのでしょうか。そのあたりを国土交通省の審査はどのように判定したのでしょうか。
国土交通省のリニア審査担当部署は中部横断道での残土汚染について、道路と鉄道部署間で情報は共有していると思います。この汚染残土封じ込めの費用とモニタリングの経費、それがいつまで続くのか・・・など。
残土受入れを決めた行政、企業の側では残土汚染が無いことを確認する手順も組み込んでいるのでしょうか。中部横断道のような問題があった時に、残土受入れはどうするのでしょう。


2013年10月21日の報道が初出だった思いますが、国土交通省甲府河川国道事務所からは情報発信が続いていました。
2013年12月6日の第3報で、『(仮称)南部インターチェンジ工事現場内で検出された重金属類のセレンへの対応について、これまでの周辺モニタリング結果や専門家への意見聴取等を踏まえ、現時点で判明した原因についてお知らせいたします。また、地下水の利用中止をお願いしていた範囲の縮小とともに盛土を完全に封じ込める等の恒久対策に着手しましたのであわせてお知らせいたします。』

中部横断楮根(かぞね)第4トンネル工事
中部横断楮根第4トンネル工事

報道記事(1、2)や甲府河川国道事務所の(3)12月6日発表記事からメモしておきます。私は南部町は未訪問で地域の様子などは知りません。

1.国の環境基準値を超える「セレン」が検出されたのは南部町中野で進められている中部横断自動車道のトンネル工事現場です。(10月21日 NHK山梨のニュース)

2.南部インターチェンジの盛り土には、楮根第4トンネルの掘削工事で出た土が使われていて、国交省ではトンネルの掘削工事と盛り土工事を一時中断し、原因と影響について専門家から意見を聞くことにしています。(10月21日 テレビ山梨ニュース)

3.なお、セレンが溶出したメカニズムは、現在も検証中ですが、盛土及び置換土に使用したトンネル掘削土の岩石中のセレン全含有量は多くなく、また溶出試験結果についても基準値を大きく超える検出は確認されていないことから、盛土及び置換土の中に入った水にセレンを含んだトンネル掘削土(岩石)が一定時間浸かった状態であったことが、セレン濃度を上昇させたものと考えています。
引き続き、メカニズムの解明については、専門家を交えながら検証して参ります。

「盛土を完全に封じ込める」対策が必要だという点が気になったのです、リニア中央新幹線工事計画での残土処理に想いを馳せるからです。
甲府河川国道事務所の記事では、「このトンネル掘削土(岩)の一部には、自然由来物質が含まれている事から、漏れ出し防止対策を行い施工してきている」 しかし漏出があったことについて第3報に、「環境基準を超過したセレンが流出した原因」 として詳しく書かれています。

posted by ictkofu at 23:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 発生土(残土)
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