2014年11月21日

静岡県島田市広報で市長が大井川について語っている、参考・王見の滝

ソースは、広報しまだ11月号 No.197、今月のテーマ「リニア中央新幹線工事と大井川」について

広報しまだ11月号

『子どもたちの世代に豊かな大井川の恵みを残すには、地域住民が声を上げることが必要です。』 と締めくくられた市長の言葉に驚く方々は多いかも知れません。染谷絹代市長が地域住民を尊重し彼等を守るべく努力し、住民がそのような市長を支えている構図が島田市にはあるのだと自分は拝察しました。松本市長や新潟県知事を思い出します。

山梨県上野原市秋山に王見の滝(おうみのたき)があるそうです。上野原町と秋山村が合併協議を行なった当時、広報紙の表紙を飾るほどですから、ご当地の皆さまが誇りとする名瀑なのかもしれません。

王見の滝

ここに書かれている上野原市秋山の「棚の入沢」という地名は、リニア関係の記事で何度か目にしています。島田市長も言及されているリニアのトンネル工事で水涸れになった場所の一つだと記されています。この事はオオヤケの資料では出てきていないのですが、それに関係しているかどうか、王見の滝の現況については、11月30日に上野原市秋山で開催されるJR東海の工事説明会で、環境保全対策の一例として説明されるだろうと思っています。県内メディアがこのような説明会を報じるかどうか分かりませんが・・・「上野原市秋山の棚の入沢中流に位置する。高さ約3メートルで、小さいながらも山峡の美しい滝。」 fujisan-net.jp のこの記事が参考になります。

補足−−コメントでご教示いただいたので、ソースを貼っておきます。中央新幹線(東京都・名古屋市間)環境影響評価書(平成26年8月)(山梨県) 評価書資料編 【環境影響評価の結果の概要並びに予測及び評価の結果】 中の 「8 水資源」 PDFファイルです。

評価書資料編 水資源

【同じ記事を山梨ブログに掲載して戴いたコメントの転載です。(山梨ブログでは記事を閉じました)】

kabochadaisuki 2014/11/22 14:59:27
 環境影響評価書の資料編「水資源」にある「8-4-1 実験線区間の水資源等への影響検討ついて」のページには、実験線で起きた流量減少事例の表が記載され、次のように書かれています。
《位置・場所》
 朝日曽雌〜南都留郡秋山村 F朝日曽雌〜大の入川間のトンネル
《影響検討結果》
 この区間の地質は全体的には良好である。しかし、付近の断層の影響により一部基盤が風化していることも考えられ、棚の入沢が影響を受けることが予測される。
《水資源の減少、涸渇等の状況》
 棚の入沢流域において減渇水が確認された。
とあります。このほかにも計8地点で水枯れを引き起こしたことを認めています。42qの実験線で8か所です。
その次のページに、「工事中の影響及び対応」として、「地元と協議のうえ、測定場所を選定して継続的に流量観測をおこなった。流量減少の起きた川では住民の生活に支障をきたさぬよう、応急対策を実施し、住民の皆様と協議をしながら、恒久対策を実施している」といったようなことが書かれています。
気になるのは、流量減少の起きることを予測しておきながら、結局、影響を回避できなかったにもかかわらず、なぜ回避できなかったのかという点について、評価書では全く言及していないということです。そこが一番肝心なのに。
国土交通大臣は、「評価書には、環境保全措置として適切な対策を行うから問題がないと書いてあるので認可した。」と言っているわけですが、その評価書では適切な対策が功を奏しなかったことを認めているわけで、染谷市長ではありませんが、こんなものを信頼せよというほうが無理です。
それから、「地元とあらかじめ協議をしていた」ことは、地元住民はご存じだったのでしょうか?
各地の説明会で、誰もこの点を指摘しないのも歯がゆく感じます(静岡の説明会で質問しようと考えていたものの、ほぼ流会状態)。
(すみません、間違って別の記事へも投稿してしまいました。もう一方は削除お願いします。)
ictkofu 2014/11/22 16:53:40
kabochadaisuki さん、ご教示ありがとうございます。
手元の保存資料から切り出して記事に追加しました。
適切な対策を行う(行なわれた)という点で、ご指摘の通りだと思っています。
「実験線では影響評価の予測に基づいて、実際に発生した時にはコレコレの対策が行なわれ、その事は実験線評価報告書にはこのように書かれています。営業線本工事でも同様に対処されるので、地域の皆さんはご安心ください」
という発信が地域行政から出ていることを、私は未だ確認できていません。
問題発生に具体策が既にあるのは山梨県だけです。それを広く知らしめて、リニア中央新幹線による地域活性化策は行政として正しい政策なのであると国民に説明できるのも山梨県だけです。
飲料水などへの対策は行なわれたのですが、補償期間は30年という話も読んでいます。実際はどうなのか、確認はしていません。
人間への対策はOKでも、破壊された自然についてはどうなのか、「王見の滝」を知った時に気になりました。それで今回の記事に加えたのです。
貴方が既にご指摘になっておられるように、大井川の流量減少を利水上の問題だけで捉えて水利権交渉で解決したり、
大規模な海水淡水化施設を造れば解決、その為には浜岡原発の電力に頼るとか・・・・これは私のいつもの戯れ言ですが
破壊した自然は元に戻せない。破壊する前によくよく考えたいものです。
posted by ict工夫 at 23:15| 静岡県