JR東海は甲府盆地の液状化について熟知しているようで、その為にリニアはトンネルで地下を通さずに高架で通過する計画にしたとのことです。東海道新幹線のバイパスとして認可された全幹法による中央新幹線なので、液状化でリニア不通など許されないとする覚悟が見えました。
「18日、静岡にてリニア中央新幹線の工事説明会・・・」 の記事によれば、『トンネルは地山と一体化しているし、構造物のような揺れの増幅がないからより安全である。』との回答があったようです。甲府盆地の構造物に対する液状化問題を重視していることが推察できます。
その高架が20mの高さになるのは、中央高速道路や山梨県環状道路などを跨ぐ高さとして決められたという回答もありました。その土管を透明フードにすることはできない理由の明確な説明もありました。
リニア山梨駅周辺地域で頻発する冠水・洪水被害の状態は山梨県庁リニア交通局も熟知していて、周辺地域整備に参入する組織団体企業を統括して県庁主導で対策するという答えがありました。リニア交通局は企業側と同じく説明者席に並んでいました。
以上、11月19日甲府市説明会(会場・アイメッセ山梨)における質疑応答の一部です。
甲府市大津町アイメッセの会場は800人以上と思える椅子が用意された広い会場でしたが、参加者は200人いたかどうか、批判的意見の人々だけで、リニア推進の方々は説明会には参加しなかったようです。貰えるカネの話を確認したいだけだから誰でも来るような説明会など意味が無いということでしょう。
今回の説明会でスクリーンに映して紹介した資料、写真などはJR東海のホームページで公開する準備を進めているそうです。甲府市小曲町(オマガリチョウ)から見たリニア高架線を想定するCG写真もありましたので、ネット公開を待ちましょう、山並みの景色をリニア高架が邪魔している写真でした。
11月10日に開催された 大鹿村リニア事業説明会 では録音がOKだったそうですが、甲府市説明会では写真も録音も不可ということで開会され、取材記者の写真撮影も冒頭のみという制限でした。全幹法を錦の御旗にした企業とそれにつるんだ山梨地域行政の愚かさを再確認できました。
2014/11/19 17:32 に掲載された樫田秀樹さんの記事、リニア、大鹿村事業説明会
自分は19日山梨県アイメッセでの説明会に出かけてみたので上のように書きましたが、山梨県での各地説明会の状況をご存じの方は大鹿村と比較してみてください。
誰のせいか分かりませんが、山梨県民はJR東海になめられているというのが自分の印象です。
山梨県知事記者会見(平成26年11月12日水曜日)では、「リニア中央新幹線の用地交渉業務に係るJR東海との協定について」 が語られています。
この件について県内メディアがどのように報じたかを確認する時間も無いのですが、これは横内さんの大失点だと思いました。事業説明会が終っていない。その後に予定されている地域住民へのより具体的な説明会もある現状で、協定を結んでしまったのは問題となる行為です。しかも横内さんは今期で退任され1月知事選で知事が交代するのです。企業との協定は新知事の判断で進めるべきであり、場合によってはリニア計画見直しの動きに転化するかも知れない状況にある。県内メディアがこの協定についてどのように報じ、論評したかは後日確認しておきたいと思っていますが、おそらく批判的意見などは書かれていないでしょう。
甲府市では、2014年11月4日に西下条公民館で駅周辺の土地利用について考える 「甲府市リニア活用策地域部会」 を開催したとのニュース記事がありましたが、リニア中央新幹線トップページでは特に情報はありません。甲府市リニア活用推進懇話会 を見ていくのが良いでしょう。
山梨県庁では、リニア推進課が、リニア駅周辺整備検討委員会 の情報を発信しています。この委員会がリニア甲府駅と周辺地域に関する情報のポイントでしょう。しかし、審議会・審査会・会議・協議会・委員会等の一覧 からではこの委員会には入れませんので山梨県総務部私学文書課は関与していない委員会と思えます。
何度も書いておきますが、山梨リニア実験線〜リニア甲府駅の路線完成と駅の建設をまず始めることが大切。富士川町、早川町などの地域では、この営業線プロトタイプが完成してから、工事の準備にとりかかるようにすることです。都留〜甲府が完成することで山梨県としてのリニア活用の目的は達成されたと考えてよい。地域産業も予定の収穫は得られるわけで、他都県でのリニア工事を山梨県内産業が受注できるものではないでしょう、関係無いはずです。
リニアトンネル工事の発生土(残土)が無ければ駅周辺地域の事業は進められないという話は出ていないし、必要なら置き場に放置されている実験線残土を転用すればよいはずです。
山梨県庁も甲府市役所もホームページのサイト構造については、いずれ自分のWebページで分かりやすく解説するつもりです。
11月5日に開催された早川町の説明会、残土運搬の環境影響には同時期に残土活用道路構築事業を実施する山梨県庁からの説明も必要だった?・・・「山梨県早川町が発生土運搬でとんでもないことになりそう 」
静岡のブロガーさんが、2014年8月7日付けで記事にまとめられました
◇ 部分的な環境アセスメント逃れ? 山梨県のリニア関連道路工事
◇ 南アルプス周遊自動車道整備促進期成同盟会からは、「早川・芦安連絡道路」の整備決定について(2014/03/17)が出ています。
◇ 早川町公式ホームページ にも記事が出ています。
◇ 山梨県庁サイトでは、県土整備部
あるいは、カテゴリー区分で、まちづくり・環境 > 道路 のどこかに出ているはずです。
説明会に参加される皆さんに参考になる記事・・・読売新聞長野県版 2014年11月04日 リニア工事 沿線、きょうから説明会、この記事には山梨リニア実験線で大月地域の皆さんの工事車両の運行と水源枯渇問題への対応事例が書かれています。どの地域の方々にも役立つ記事と思えます。
山梨リニア実験線は鉄道技術的な実験であると同時に、社会実験でもあるべきものです。その社会実験プロセスでの全記録を把握しているのは地域自治体から報告を集めた山梨県リニア交通局です。彼等がその記録を提示して、このように安全・安心な体制で進めてきたのでリニア中央新幹線本工事実施にあたって国民の皆さまもこの記録をお役立てください・・・となるはずでしょう。今はネットの時代、いつでも、どこからでもその記録を読める・・・主権者国民は自分達に代って仕事する彼等公僕の為に納税している。
中央新幹線(品川・名古屋間)に係る事業説明会の開催について(JR東海の広報記事)
『市区町村での事業説明会に引き続き、自治会などを対象とした事業説明会を開催する予定です。詳細については、準備が整い次第、関係する自治会などの皆様にお知らせいたします。』 とのことです。

山梨県の分だけPDFファイルから画像化して掲載しておきます。
関係自治体では、地域の自治会に関する詳細情報を持っているので、それをJR東海に提供する時に、個人情報保護についてはどのような法令例規内規要綱・・・などに基づいて処置されるかを、事前に広報しておく必要があるでしょう。法的な隙を作らないように、何事も注意深く進める必要性は、リニア中央新幹線の完成まで延々と続くので、ご注意ください。
山梨県内関係自治体サイトでの説明会広報
◇ 富士川町 > 町政ガイド > 役場からのお知らせ > 事業説明会の開催
◇ 中央市−リニア中央新幹線に関する事業説明会の開催について(2014年10月21日) 説明会の意味が分かり易い記事です
リニア中央新幹線工事実施計画の認可を受けたJR東海において、リニア中央新幹線に関する住民(全体)向けの事業説明会が開催されます。
市内で開催される説明会の日程等は、以下のとおりです。
また、住民(全体)向けの事業説明会後に、沿線自治会単位での説明会を開催する予定となっております。
詳細が決まり次第、ホームページ等にてお知らせいたします。
環境影響評価準備書説明会 の時に設定したリンク先を確認してみて、山梨県庁及び関連市町で、この説明会開催について公式ホームページから分かりやすくリンクして知らせているのは、富士川町と中央市を確認できました。リニア中央新幹線山梨県駅の地元である甲府市サイトはかなり探したのですが私には見つかりませんでした。
富士川町のページにアップロードされている説明会チラシは、JR東海の山梨工事事務所が作成した「回覧」と銘記された一枚物のPDFファイルです。
山梨県庁リニア推進課はこの説明会について広報しないかも知れませんし、地域市町では、このような回覧を当該地域に回すだけで終るのかも知れません。
リニア中央新幹線事業は当該地区の人々が納得すれば進められる民間企業の事業に過ぎないという認識の上で、リニアで地域活性化などを謳い上げている矛盾に気付かないような行政であって欲しくない。
いつもの一言蛇足ですが、もし地元紙が紙面で記事にして、それで良しとするなら公僕精神が欠けていることになるでしょう。これが公共事業と認識しているなら、一つ一つの事案を迅速確実に広報していくべきです。