2015年08月28日

南アルプス・トンネル山梨工区の工事着工

2015年8月27日のJR東海社長記者会見(東京)で発表されました。
中央新幹線南アルプス新設(山梨工区)工事 [PDFファイル 291 KB](作成 2015年8月26日) がアップロードされました。(2015.08.31 確認)

この工事開始については、2015年03月17日 山梨県早川町南アルプストンネル工事が始まる に書いています。見積書の提出日は2015年8月12日でした。工期は契約締結の翌日から平成37-2025年10月31日までですが、8月26日に大成建設・佐藤工業・錢高組JVと契約を交わしたとのことです(2015-08-27 日刊建設工業新聞記事

大成建設 | 私は、2015年06月21日 大成建設のトンネル掘削新技術 を書いています。
佐藤工業 | 技術とサービス > 土木分野 > トンネル、カテゴリーに記事が多数あります。
錢高組 | 2015.06.25 トンネル発破の低周波音低減装置「サイレンスチューブ」を開発−音響管「サイレンスチューブ」が周辺環境を守ります−、この記事に気付きました。

山梨県早川町地域でのトンネル工事による発生土(残土)処理は、山梨県政主導により県内各地での受入れが決まったはずですが、その詳細を私は未確認です。
2件だけ知っているのは、2014.08.17 リニア中央新幹線がやって来て、早川・芦安連絡道路も出来上がる で記録した山梨県道路計画によるリニア残土の活用。及び、リニア甲府駅周辺地域開発にリニア残土を利用する事です。

残土処理に伴う環境影響評価は既に国土交通大臣が承認したJR東海による評価とは別に、山梨県政として綿密な調査・評価と対応が必要だと思いますし、その全体像を山梨県民に継続的に報告する義務もあります。

トンネル工事の進行とタイミングを合わせて早川・芦安連絡道路工事、リニア甲府駅周辺整備事業が進行するような工事計画が必要なはずです。県政事業が遅れたら発生土の置き場を別に確保せねばならないし、山梨県事業が先に進むなら残土活用に関係無い部分からになるはずです。
土木工事には全く素人の私ですが、想像するだけで大変複雑なタイムスケジュールを組み実行することになる。しかもトンネル工事が予定時間表通りに進むとは限らない。
その上、残土運搬で地域交通に及ぼす影響をどのように回避するかも計画し実施せねばならない。
複数のメンバーで大規模プログラムを作成するような仕事を思い出しますが、その比ではないでしょう。優秀な総司令官がこの大作戦を指揮せねば全てが画餅に帰す。

山梨県富士川町大柳川上流地域の自然環境監視体制(カメラなど)は既に構築されていると思いますので、この件について万一の場合にこの地域でリニア工事を認可した責任を取る人と組織を明確にしておくことは必要です。

巡回先のブログ リニア中央新幹線 南アルプスに穴を開けちゃっていいのかい? で、「地元との合意を得ようとしない不思議な企業」(2015/8/27(木) 午後 10:45) が掲載されていました。「JR東海、リニアを本格着工 大成建設など最難関の南アルプストンネル施工へ」(産経新聞 2015.8.27 19:55)を参照して書かれています。
特に残土処分について長野県大鹿村での問題を示して南アルプスのユネスコ・エコパークとの関連にも言及、『工事の具体的な内容とか環境保全策といったものについては、ほとんど決まっていないのが現状。決まっていないというよりも、地元との合意が全く成立しそうにない、と言った方が正しいかもしれない。』と。例外は上に書いた早川・芦安連絡道路の事で、『このため早川町における発生土処分計画はクリアしたことになり、工事見積もりが行えたのだと考えられる。』
このブロガーさんには、「山梨県早川町が発生土運搬でとんでもないことになりそう」(2014/11/9)という記事が既にあり、私も参考にしています。しかし山梨県政からの早川町工事関連情報が私には確認できません。

信濃毎日新聞 2015年8月28日記事 「リニア初の工事契約 南アトンネル 山梨側」 によると、『柘植康英(つげこうえい)社長は27日の記者会見で南アトンネルについて「綿密な地質調査を実施しているし、最先端の技術で地質状況を確認しながら工事を進めるが、突発的な出水などで難航も考えられる」と説明。「工事の安全、環境の保全、地域との連携を十分重視して計画を着実に進めたい」と述べた。』

【以上、2015-08-28 15:30 追記】
posted by ict工夫 at 01:10| Comment(7) | TrackBack(0) | 工事
この記事へのコメント
情報が公開されませんねぇ…

想像の域を出ませんが、

@リニア南アルプストンネル早川側に掘り出された発生土は、ダンプカーで現在の夜叉人峠トンネル西側付近に運ばれ、取り付け道路の盛土に転用される。

A同時進行で夜叉人峠付近に長さ4q弱のトンネルを掘り、そこからの発生土はトンネル両側の取り付け道路の盛土に転用。

B(仮称)新夜叉人峠トンネルが貫通したら、そこを通してリニア南アルプストンネルの残土を南アルプス市芦安に運び、駐車場の造成に用いる。

C南巨摩第四トンネル(大柳川直下)の早川町側に掘り出される発生土も、同様に芦安に運ばれる。

という順序になると思います。甲府駅周辺での整備事業には、富士川町内でのトンネルで出されたうち、変電所造成の残りが回されるはずです。

ご指摘の通り、リニアのトンネル掘削と早川芦安連絡道路とは一心同体ですので、同時進行でなければ成り立たないはずです。

大鹿側では、「道路拡幅工事も大鹿工区でのトンネル工事入札に含まれている」との説明がされたそうです。けれども早川町のほうは、何がどうなっているのかさっぱり分かりません。環境への影響という意味では大鹿と同等、情報非公開・アセス手抜きという意味では大鹿以上に問題なのですけど、果たして関係する人々の−自然環境保全を含め−合意を得ているのでしょうか? 

それにしても、住民を置き去りにして事業着手の準備はどんどん進めるという手法、いずれ地域の乖離を招き、壁にぶちあたるでしょう。
Posted by kabochadaisuki at 2015年08月28日 22:34
発生土(残土)利用について考えた時に、私はトヨタ自動車の「ジャスト・イン・タイム」方式を思い浮かべました。
これは工業生産だから出来ることですが、リニア工事の発生土は違うはずです。
早川芦安連絡道路でも甲府駅周辺整備事業でも、どこかに大規模な残土集積場(バツファー機能)が必要なはずで、ジャスト・イン・タイムで工事は出来ないでしょう。

環境関連法や山梨県条例規則などとの擦り合わせはできていると思いますが、
法に反しないから説明不要というのが山梨県政のスタンスだとは思いたくない。
大量の残土処理について法的な根拠も含めて全ての県民、納税者に説明して欲しいと思っています。
そのことで地域の環境を守る法的な問題についても地域の人々の理解が深まる。
講師を招いて教室でやるような生涯学習行事以上に、良い学習になると思えるのです。
Posted by ictkofu at 2015年08月29日 00:48
評価書には、早川町塩島に発生土置場候補地が明記されています。受け入れ可能量は4万立米とのことですが、これが仮置き場に使われるのではないでしょうか。

発生土を長距離運搬して転用するという計画から、浜松市で行われている防潮堤建設を連想しました。

こちら浜松市で行われている防潮堤建設のページです。http://www.pref.shizuoka.jp/kensetsu/ke-890/bouchoutei/index.html(県庁)

http://www.city.hamamatsu.shizuoka.jp/kiki/disaster/bouchoutei/index.html(浜松市)

http://www.at-s.com/news/detail/1174175592.html(静岡新聞)

186万立米の盛土が必要になるため、20q離れた地点で山を切り崩して海岸までダンプ運搬しています。住民からの指摘を受け、生活道路は避け、天竜川の堤防上や4車線の国道を通すルートになっています。ウミガメの産卵地でもあり、また緑化方針などをめぐり、一応は、専門家と住民からなる協議会を立ち上げているようです。

早川町〜南アルプス市の場合、発生土の運搬総量は浜松の2倍になります(リニア+早川芦安連絡道路)。当然1本道ですし、道路条件も格段に悪い。ユネスコエコパーク登録地域であるし、ワシやタカといった猛きん類が生息している可能性も高い。⇒https://www.env.go.jp/nature/yasei/raptores/protection.html
(これ、まともに調べないと後々問題になります。岐阜のリニア関連道路はこれで一時停止になりました。)

浜松市の進め方が適切なのかどうか、私には判断することはできませんが、早川町では2倍以上の環境負荷が確実ですから、より徹底した情報公開と住民参画が必要だと思うのですけど。
Posted by kabochadaisuki at 2015年08月29日 11:57
情報ありがとうございます。
山梨県に関する評価書で eis2_yamanashis51-18.pdf
残土置き場は地名から地図で確認したことがあります。

長野県の
https://www.pref.nagano.lg.jp/shimochi/shimochi-seisaku/kurashi/linear/
リニア中央新幹線建設推進飯伊連絡調整会議
第3回会議(平成24年9月19日)
No.3 建設発生土活用ワーキンググループの設置について(PDF:221KB)

これに気付いた時に山梨県でも同じような公開情報を探しました。
今も時々調べてはいますがリニア関係のメインページを見てパッと気付かないようなものを探す時間は、今の私にはありませんので諦めています。

以前にも書きましたが現状のリニア中央新幹線事業を「そもそも論」で批判することは意味が無い。
沿線各地域自治体行政のリニア対応状況を知り、現行法制・政治行政システムの下で行なわれている事の違いを確認し、自分の地域において「行政の不作為」という問題が無いかどうかを考える、それが今の私のスタンスです。
もし明確に指摘できる問題があったとき、それを国政の場に提示することが出来るかどうかは、地域選出国会議員、地域議会、議員の能力次第だと思っています。
Posted by ictkofu at 2015年08月29日 17:39
連投失礼します。

こちらに南アルプス市の市議会の会議録が掲載されています。
http://www.city.minami-alps.yamanashi.jp/gikai/gijiroku-pdf/ymbr27
平成26年会議録第3回定例会に、早川芦安連絡道路にかかる残土処理(56ページあたり)、リニア建設の環境問題(190ページあたり)とが議題にあがっています。他の会議録についてはまだ目を通していませんが、とりあえずご報告します。

それから早川芦安連絡道路の環境調査についての入札情報です。
http://www.njss.info/offers/view/5857608/
公示日は今年1月になっていますが、その後どうなったのでしょう? 先のコメント欄にリンクを貼った環境省のマニュアルでは、猛禽類調査は最低2シーズンが義務(12月開始)と定められていますので、今年12月に調査開始なら最低でも2017年まで着工できないはずですし、もし道路沿いにでも営巣が確認されれば、岐阜同様に見通しは不透明になりますけど。
Posted by kabochadaisuki at 2015年08月30日 23:00
ありがとうございます。
議会議事録については、東京〜愛知県議会と沿線市町村議会の議事録は網羅的に確認する計画はしていてリンク集は準備していますが時間がありません。アドバイス感謝です。
入札情報はJR東海や鉄道・運輸機構ばかり気にしていましたが、考えてみれば山梨県の公報などは、これまでも原発震災や山梨環状道路計画などでも確認してきたのです。

民間の入札情報業者が掲載しているので、県庁や中北建設事務所
http://www.pref.yamanashi.jp/shigaku/kouhou/h2701.html
http://www.pref.yamanashi.jp/ch-kensetsu/
などを丹念に調べれば公開されていると思いますので、後日チェックします。

山梨県に限らず一般に行政サイトの構造は凄く複雑なので、組織構造や内部事情を知らないと目的の情報に行きつくことが難しいケースは多いです。
ネットオタクとしては、それを攻略するのも良い勉強になっております。

マスコミの情報をネタにしてとやかく論じてもあまり意味が無い、ソースから判断することが大切です、だからkabochadaisukiさんの手法は実に優れていると思っているのです。今後ともよろしくお願いします。

Posted by ictkofu at 2015年08月31日 00:34
追記です
猛禽類調査の件、これは明野最終処分場や山梨環状道路について確認した時に、特にオオタカの棲息、営巣確認問題から知りました。
最低でも2年間の調査が必要とか私の記憶にあります。

http://ictkofu.xii.jp/roadKanjo/index.html
私の、新山梨環状道路ページですが、最近は全く確認も更新もしていません、
【国土交通省】 関東地方整備局 甲府河川国道事務所が担当で、「オオタカ検討会とは?」などの、かなりしっかりしたページがあったのですが、ほとんど消えているようです。
ここでオオタカ調査について丹念な記録も読めたのですが、いずれ過去を辿ってみたいと思います。
Posted by ictkofu at 2015年08月31日 00:54
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