2016年05月21日

提訴後の地域行政およびJR東海の地域住民への対応はどう変るだろうか

「ストップ・リニア!訴訟」が2016年5月20日に東京地裁に提訴されました。メディア報道によると訴訟団は「JRの説明会で問題点を指摘してきたが、十分な回答が得られなかった。訴訟を通じて情報を入手し、反対運動をさらに進めたい」と語ったとのことです。
訴訟にかかわらず工事は粛々と進むでしょう。訴訟団からは広く地域の全ての人々向けて訴訟の意義と今後の問題点について丁寧なレクチャーが重ねられることが大切だと感じています。
以下、私がそう思う根拠です。

JR東海は『「特に申し上げることはない」としたうえで、「国土交通大臣から計画の認可を受けており、中央新幹線の建設を着実に進めていく」としています。』(NHK)、『「特にコメントはない。中央新幹線の早期実現に全力で取り組む」(広報部)としている。』(信濃毎日新聞)とのこと。この事は、5月12日にメディア向けに訴訟について事前レクチャーが開催された時の報道でも、『「特にコメントはない」とした上で、「当社は法律に基づくさまざまな手続きを経て国土交通大臣から計画の認可を受けており、中央新幹線の早期実現に向け全力を挙げて取り組む」としています。』(NHK 2016.05.12)

今回の提訴について沿線地域行政としてはどのような見解を持っているか、それも確認したい事ですが、メディア報道や行政発信を未だ精査していません。

県民が関心ある事案について議会質問などで説明を求められた時に行政側は「裁判中(捜査中)の事案なのでお答えは控えさせていただきます、ご理解いただきたいと存じます」のような答弁で終ることが多いことを私は幾度も見て来ました。一例として山梨県で山本美保さん拉致事件問題は未だに捜査中で情報も隠されたまま未決着です。

美保さん事件と同じことが「ストップ・リニア!訴訟」から始まるかもしれない。発生土(残土)処理とか土地収用や工事の説明会などで地域の人々がJR東海や行政に質問しても、「この件は裁判事案でございますのでお答えは控えさせていただきます」と終りになるかも知れません。でもこれは私の憶測に過ぎません。

裁判の進行はきわめて遅々として進まない状況になる可能性もあります。もうひとつの方法は国政調査権ですが、日本共産党の議員以外はリニア中央新幹線事業が抱えている問題を理解している議員はほとんどいない現状と思えます。これも対応が難しい問題の一つだと私は思っています。リニアの情報戦争はようやく始まったという段階です。

posted by ict工夫 at 22:39| 訴訟