2016年10月11日に開催された甲府市教育委員会の10月定例会議は「議題 第23号 中道北小学校の移転先選定について」を審議し、以下のように甲府市立中道北小学校の移転先を教育委員会事務局提案の通りに可決しました。
中道北小学校の移転について |
中道北小学校移転先 |
移転先PDFファイル(2016.10.13作成 1,660 KB)
中道北(ナカミチ キタ)小学校の移転先の選定について
リニア中央新幹線の整備に伴う中道北小学校の移転先について、次のとおり決定する。
1 移転先
甲府市上曽根町、下曽根町地内(別紙図面のとおり)
2 提案理由
これまでの住民説明会等においての意見、要望等を踏まえ、選定にあたっては、これまでの教育環境、通学環境が大きく変わらない場所、活断層を避ける場所、既存の児童館及び駐在所からあまり遠くならない場所、避難所としての施設の確保、農振農用地域の除外、景観、騒音、磁界、中道地域の将来的なまちづくりなどの課題について総合的に検討し、中道北小学校の移転先として適していると判断したことから提案するものである。
甲府市教育委員会の2016年9月臨時会、10月定例会の会議録が12月6日作成のPDFファイルでアップロードされたことに気付きましたので、とりあえずブログ記事として記録しました。後日Webサイトで整理する予定です。
以下はリニア中央新幹線建設事業に伴い、その路線が敷地を通る計画が決定されたことにより、甲府市立中道北小学校が移転することとなり、その移転先が決定された経緯です。
甲府市教育委員会の会議録から私が確認できた限りでは、2016年9月の臨時会と10月定例会での審議だけでこの決定が行なわれました。
下記のように2015年11月10日から開始された地域住民への説明会などに教育委員も出席された記録は私には確認できませんでした。2015年11月以前の教育委員会会議でこの事案が審議された記録も、私には確認できていません。
甲府市長部局でこの事案がどのように検討されたか、私には確認できていません。甲府市議会での審議状況も私には不明です。これらについては後日の課題と考えています。
私がこの事案をフォローしての感想は2016年09月30日記事 甲府市中道北小学校移転計画と説明会は企画部主導でやり直すべき に尽きます。
あらためて説明会で使われた学区などの図をみながら、小学校の通学区はどのように決められるのか、私は何も知らないことに気付きました。甲府市では富士川小学校が琢美小学校に統合され琢美小が善誘館小学校と改称されました。もっと以前には春日小に穴切・相生が統合されて舞鶴小学校になったのですが、これらの統廃合に際して距離や通学路の関係から学区編成が組み替えられるようなケースがあったかどうかは知りません。中道北小学校移転計画に際して現在の学区を既定のものとして進められたことは良かったのか、その疑問は残ります。
リニア新幹線工事日程、工事車両などの通行道路、建設資材置き場などと学校移転事業計画の整合性などについて教育委員会会議で検討されたとは思えないのです。これらについては実験線での経験豊富な山梨行政ですから学校移転計画とリニア新幹線工事計画の整合性を図ることは容易だと思いますので、後日の市政情報にも注意していくつもりです。それは同様な問題をかかえた沿線都県に住む人々にも参考になるでしょう。
中道北小学校の移転先について
配布資料一覧
(以下タイトルの「中道北小学校移転」「説明会」などを編者が略しています。全てPDFファイルで)
中道北小学校移転 住民説明会
・2015年11月10日 第1回 会議録(373 KB)
・2016年01月28日 第2回 会議録 |
候補地案(2,200 KB) |
防災図(3,680 KB)
・2016年03月15日 第3回 会議録 |
中間点・磁力・騒音等(2,263 KB) |
H27児童分布図(549 KB)
・2016年05月11日 第4回 会議録 |
資料(1,688KB)
・2016年08月04日 中道北小学校移転 保護者説明会 会議録 |
資料(4,872KB)
中道北小学校移転 自治会説明会
・2016年08月08日 下曽根西自治会 会議録 |
資料
・2016年08月10日 白井東自治会 会議録 |
資料
・2016年08月17日 下曽根中自治会 会議録 |
資料
・2016年08月19日 白井西自治会 会議録 |
資料
・2016年08月22日 下曽根北自治会 会議録 |
資料
・2016年08月23日 文珠自治会 会議録 |
資料
・2016年08月24日 下曽根東自治会 会議録 |
資料
・2016年08月26日 浜自治会 会議録 |
資料
・2016年08月29日 宮下自治会 会議録 |
資料
・2016年08月31日 中村自治会 会議録 |
資料
・2016年09月01日 下区自治会 会議録 |
資料

甲府市公式サイト・住民基本台帳人口・世帯数
男 | 女 | 計 | 世帯数 9月 | 10月 | 11月 | |
上曽根町 | 687 | 689 | 1,376 | 511 | 512 | 512 |
下曽根町 | 436 | 402 | 838 | 340 | 341 | 340 |
白井町 | 339 | 349 | 688 | 260 | 262 | 262 |
日時:平成28年9月28日(水)午前10時00分〜11時00分
場所:会讓室7−2
出席委員:平賀委員長•小宮山職務代理者•佐藤委員•原委員•長谷川教育長
出席事務局職員:数野教育部長•嶋田教育総室長•深澤総務課長•村田総務課課長補佐•鷹野総務課係長•杉山総務課主任
傍聴人:6人
(以下引用省略)
1 開会
平賀委員長
ただ今より、教育委員会を始めます。
本日の主旨は、この後の事務局からの説明を踏まえ、配布された資料を参考に現地を確認するなど、今後、移転先について検討していただくためのものであります。
なお、次回の教育委員会において、移転先を決定してまいります。
2 会讓録署名委員の指名
平賀委員長
会讓録の署名委員は、小宮山職務代理者を指名します。
3 讓事
平賀委員長
それでは讓事に入ります。
報告第15号中道北小学校の移転先について、資料に基づきまして、深澤総務課長より説明をお願いします。
(深澤総務課長より資料に沿って説明)
平賀委員長
説明が終わりました。これから質疑に入ります。ご意見、ご質問等がございましたら、お願いいたします。
小宮山職務代理者
移転について、最も重要な問題は、子ども達の教育環境をどうするかということであり、現状、あるいはそれ以上の教育環境を維持していくことが、最も大切なことだと考えています。
今の説明の中で、二点お聞きしたいことがあります。まず、騒音について。住民のみなさんは不安に思っていることと思います。対処方法について説明をいただきましたが、どのように解決をしていくのか教えていただきたい。
深澤総務課長
騒音について、学校環境衛生基準はクリアできると見込んでおります。しかし、リニアの騒音が73デシベルと想定されておりますので、より良好な学校環境にしていくためにも、住民のみなさまからの要望でもある、リニア軌道へのフードの設置について強く要望していきます。
また、リニアだけではなく、国道、中央道についても、必要に応じて協讓していくと共に、影響があるのであれば、騒音の軽減について強く要望していきたいと思っております。
小宮山職務代理者
充分な対策をお願いします。
もう一点は、リニアの磁界についてです。安全基準をクリアしていると思いますが、実際にリニアが開通していないため、安全性は確保できていると言っても、住民のみなさまにはどうしても不安があると思います。その不安を解消するために、どのように対応をしていきますか。
深澤総務課長
JR東海の環境影響評価書及び世界保健機構の見解から、影響はないと考えております。
ただやはり、住民説明会の際、不安だという意見もありました。これまでも説明はしてきましたが、今後も不安を解消できる情報を得て、周知をしていきたいと考えております。
小宮山職務代理者
リニアの磁界については、科学的な説明では分かりにくく、不安を感じるかと思います。情報を収集して、説明を重ねてほしいと思います。以上です。
原委員
私も、教育環境が最も重要であると思っております。
学校を建てるにあたり、教室からの景観について、多くのご意見をいただいておりますが、どのようにお考えでしょうか。
また、閉塞感があるのではないかと言われておりますが、どのようにお考えでしょうか。
深澤総務課長
景観につきまして、確かに移転先は、中央道、国道、リニアと3方を囲まれている場所となります。しかし、実際に現地視察をしましたが、児童が勉強する教室の2階、3階から見る景色については、あまり現状と変わらないので、問題はないと考えております。
また、閉塞感について、3方を囲まれておりますが、現地を見る限りでは、それぞれ感じ方の違いはあると思いますが、閉塞感を感じることもそれほどないのではと感じています。
原委員
学校の建設にあたっては、充分な協讓を重ねていただきたいと思います。
佐藤委員
4月に現地視察をしてから日も経っていたので、咋日、自分で現地を再度確認いたしました。
やはり、児童館が近くにあるということもあり、Aエリアが相応しいと考えてしまうのですが、どうしても駄目なのでしようか。
深澤総務課長
確かに、環境はAエリアがよいと私共も感じているところですが、国の灌漑施設の整備により、平成41年までは農振の解除が出来ません。
更に、地域によって通学距離が長くなってしまうという問題や、校舎の南側にリニアの軌道が通るため、教室の正面になる可能性があり、騒音の問題が懸念されます。これらのことを踏まえますと、やはりAエリアは難しいのではないかと考えます。A
佐藤委員
現在の中道北小学校の隣接地が移転候補地に上がっていますが、通学路は、道が狭い上に、農業用のため、水路にふたをすることが出来ず、安全面で心配があります。
中央道南側については、住宅がなく寂しい地域もあり、保護者の方が不安に思うことがあるのではないかと感じました。
また、防災関係の問題として、液状化現象が懸念されることもありますが、対策をきちんとしていただかなくてはいけないと感じました。
深澤総務課長
おっしゃる通り、教育環境同様に子どもたちの安全安心も大事なことです。
移転先が決まることにより、詳細な調査が入ります。水路を含めて様々な課題については、安全を注視する中で対策を取っていきます。
液状化現象の問題についても、しっかりと対応をしていきます。
佐藤委員
学校へ通う子どもたちや保護者の目線になって、しっかりと対策をしてください。よろしくお願いいたします。
平賀委員長
教育環境、子どもたちの安心安全、防災等、多岐に渡って質問が出ましたが、他にあるでしょうか。
原委員
子どもの教育環境を第一に考えることが大前提ですが、小学校は、災害時の避難所としての役割も見逃せません。
仮に、中央道の南側に小学校が建設された場合、大地震が起きた時に中央道を超えて避難しなければならない地域もあると思うのですが、どのように中央道を超えるのでしょうか。
深澤総務課長
現状、中央道を超えるのに、中央道の下に数ヶ所道があります。
避難所としての位置付けも、移転先の選定にあたって重大な要因になると考えています。
原委員
中央道が崩れることは考えにくいことですが、最近の災害を見ますと、想定外のことも起き得るので、中央道の南側に笛南中学校、北側に小学校があれば、地域の方々の災害時の避難所としての役割が果たせるのではないかという思いがあります。そのことも含めてご検討いただきたいと思います。
平賀委員長
その他、ございますか。
長谷川教育長
すでに教育委員には、移転先についての学習や情報収集、現地の確認等をしていただいており、私も事務局として、個人的に幾度も現地の様子を確認しに行っております。
次の定例教育委員会で、移転先が決定することとなりますので、今日の報告を踏まえ、再度、事務局の案内のもとでの現地視察をすることは可能でしょうか。
深澤総務課長
事務局で対応させていただきます。
平賀委員長
次回の教育委員会において移転先を決定していきますが、詳細な日程については改めて連絡をいたします。
これをもちまして、臨時教育委員会を閉会いたします。
日時:平成28年10月11日(火)午前10時00分〜10時45分
場所:4階大会議室
出席委員:平賀委員長・小宮山職務代理者・佐藤委員・原委員・長谷川教育長
出席事務局職員:数野教育部長・嶋田教育総室長・樋口生涯学習室長(スポーツ課長兼任)・深澤総務課長・松田学校教育課長・櫻林学事課長・田邉教育施設課長・功力甲府商業高等学校事務長・本田甲府商科専門学校事務長・田中生涯学習文化課長・望月冬季国体課長・望月図書館長・村田総務課課長補佐・土橋総務課係長・鷹野総務課係長・杉山総務課主任
傍聴人:7人
(中略)
1 開会
平賀委員長
会議に先立ちまして、報告事項を申し上げます。
(中略)
2 議事
平賀委員長
それでは議事に入ります。
議題 第23号 中道北小学校の移転先の選定について、資料に基づきまして、深澤総務課長より説明をお願いします。
(深澤総務課長より資料に沿って説明)
平賀委員長
説明が終わりました。これより質疑に入ります。本件は、9月28日の臨時教育委員会において、会議録の精査や現地調査などを行っていただくことになっておりましたが、それを踏まえましてご意見・ご質問等ありますでしょうか。
小宮山職務代理者
以前にも視察は行っておりますが、改めて、現地の視察を行い、前回、色々と出ました意見について、私も確認してまいりました。
やはり、南側に中央道があることで、現在の校舎よりも騒音はあるかと思いますが、直接的な影響はないかと考えます。それでも、校舎を建てる際には、フードの設置要望など騒音を防止する環境を整備しなければいけないと思います。
私としましては、学校の極めて近接地がいいのですが、農振の問題もある中で、校舎建設までの時間が限られていますので、現候補地でいいのではないかと感じました。
佐藤委員
私も、前回の臨時教育委員会を踏まえまして、再度現地を確認してまいりました。現中道北小学校の通学路にある水路について、これまで大きな事故はないと報告を受けておりますが、移転先については、通学路の整備など、安全面に十分に配慮していただきたいと思います。
また、今、中道北小学校に通っているお子さんと、卒業された方々の想いに立つと、小学校がなくなってしまう寂しさはあると思います。そういった住民の方々の想いに応えるためにも、地域を大切にするいい校舎を建てていただきたいと思います。
原委員
地域説明会の資料などを読み直しまして、中道の住民の立場になり、再度現地を視察してまいりました。小学校を建て直すにあたっては、もちろん現在の環境も大切ですが、小学校は、何十年先、場合によっては、50年100年先までそこに存在するものですので、現在の環境だけにとらわれず、先まで考えなくてはいけないと思います。
環境の変化を考えますと、Aエリアは、児童館や交番もあり有益な条件もありますが、それらも将来的には、老朽化により建て直すということもあり、その時に、新しく出来た小学校の近くに移すことも可能であり、固執することはないと思いました。
中央自動車道の南側のエリアについては、大変開けていていい場所だと思います。
ただ、開けているだけに、今後の中道の発展を考えますと、リニアに伴って開発も考えられるので、小学校の環境として、最善のものになるか、問題があります。
開発により、商業施設等が出来ると、地域のみなさんの就職の場になることも考えられます。
学校が出来ることにより文教地区となり、商業施設の開発に規制がかかることも考えられますので、将来の発展が予測できないこともあります。
一方、候補地については、閉塞感があると言われていますが、環境が変化しにくい場所ではあると感じました。
住民の方々からたくさん出されている防音対策、液状化対策の要望に加えまして、下曽根地域の方々が、閉塞感に対して、大変、不安を持っていらっしゃいますので、植栽をするなど環境を整えて、よりよい小学校を造っていただきたいと思いました。
平賀委員長
委員一人ひとりが、現地調査や地域の方々の声に耳を傾けたりする中において、様々な観点の意見をいただきましたが、結論としては、候補地でよいと受け止めました。
それでは、原案のとおり決定いたします。
なお、今後につきましては、学校用地取得等については市長部局となりますので、この移転先で市長部局へ申出を行ってまいりますが、委員の皆様から出た、騒音対策、周辺の環境整備、児童の学習環境などの意見も付記して提出していきたいと思いますが、いかがでしょうか。
それでは、そのように申出をしてまいります。
【原案どおり決定】
(教育委員会承認)
(中略)
4 閉会 平賀委員長その他、何かございますか。よろしいでしょうか。
それではこれをもって、10月定例教育委員会を閉会します。
平成28年12月市議会定例会の招集告示に伴う市長記者会見(2016年11月25日)で配付された資料「平成28年12月甲府市議会定例会補正予算概要」に計上されていました、
中道北小学校移転事業費 31,164(千円)中道北小学校の移転に伴う基本設計等委託料に係る経費
「基本設計等」には「用地測量など含む」とのことです。
中道北小学校移転に関する記事一覧・・・
2016.12.08 甲府市立中道北小学校の移転先を決定した教育委員会議事録と資料
2016.10.17 甲府市立中道北小学校の移転地が決定
2016.10.07 甲府市立中道北小学校の移転地を決定する会議、10月11日です
2016.09.30 甲府市中道北小学校移転計画と説明会は企画部主導でやり直すべき
2016.09.29 甲府市中道北小学校移転、この事案は新規蒔き直しです。
2016.07.12 甲府市中道北小学校移転、この案件の担当は教育委員会事務局だけではない
2016.05.12 甲府市中道北小学校移転 第4回説明会 2016年5月11日
2016.03.11 甲府市中道北小学校移転、第3回説明会 2016年3月15日
2016.02.03 甲府市中道北小学校移転、第2回説明会 2016年1月28日
2015.11.20 甲府市中道北小学校移転、第1回説明会