2017年01月30日

リニア中央新幹線は防音フードで技術評価をパスした

この記事は前記事 リニア中央新幹線防音フード設置を求める山梨県富士川町 を検討するために書いたものです。

下図は2014年8月のJR東海環境影響評価書(山梨県)(補正後)「第8章 環境影響評価の調査の結果の概要並びに予測及び評価の結果」「8-1-2 大気環境 - 騒音」の「8-1-2-17」(PDFファイル 284 KB)から切り出したものです。

新幹線騒音

富士川町が発出した「環境影響評価準備書に対する環境の保全の見地からの意見」(2014.01.28 PDF)から引用しておきます・・・・
【振動・騒音】(前略)
 富士川町は、静かな環境を求めて移住してきた方が多く、新幹線が営業運行になり騒音苦情があった場合については、真摯に対応すること。国の基準未満であってもそこに住んでいる者にとっては一生続くことになるので、犠牲を強いることのないように、騒音、振動等の苦情については、十分な対策と十分な補償を講じること。
 今後、山梨県知事が地域の類型ごとに指定する「新幹線鉄道騒音に係る環境基準」を順守できるような路線構造とし、十分な騒音等防止対策を講じるとともに、騒音・振動は感覚的公害であることを踏まえ、環境基準及び振動の指針等を満足する場合であっても、地域住民の苦情・要望等には真摯に取り組むこととされたい。

同じPDFファイルにある「防音壁」と「防音防災フード」の比較データが下図です。JR東海の予測値ですが違いは分かります。ちなみに「防音フード」ではなく「防音防災」と呼ぶ意味を山梨県政も深く考えてください。騒音など外への「防災」ではなくリニアモーターカー自体の「防災」を意味するのではないか?それは何故か?

新幹線騒音

国土交通省の 超電導磁気浮上式鉄道実用技術評価委員会 において 『平成21_2009年7月28日に開催された第18回実用技術評価委員会において「超高速大量輸送システムとして運用面も含めた実用化の技術の確立の見通しが得られており、営業線に必要となる技術が網羅的、体系的に整備され、今後詳細な営業線仕様及び技術基準等の策定を具体的に進めることが可能となったと判断できる。」との総合技術評価がなされました。』との委員会報告があります。この第18回実用技術評価委員会の資料2では、以下の報告があります。
リニア新幹線に「新幹線鉄道騒音に係る環境基準」を適用することはこの委員会で決定されたと考えて良いでしょう。

新幹線騒音

上記の次頁には以下のように書かれています・・・・
[評価]
 沿線騒音について、基準値(案)が「新幹線鉄道騒音に係る環境基準について(環境庁告示)」に準拠して設定され、実測データを基に16両編成での騒音値を予測したところ、近接側ガイドウェイ中心から25m離れた位置において上記基準値(案)を満たす結果が得られている。
 また、必要な箇所に明かりフード等を設置して上記基準値(案)を達成するといった考え方が明確にされ、営業線に適用する設備仕様の具体的な見通しが得られ、実用化に必要な技術が確立している。

この技術評価を踏まえて第1回(2010年3月3日)中央新幹線小委員会がはじまりました。その 第2回中央新幹線小委員会で審議された「技術事項に関する検討について(PDF 8,799 KB)」から切り出したのが下図です。実用技術評価委員会報告が踏襲されています。

新幹線騒音

ここで山梨県の環境影響評価書に書かれた「防音壁」の騒音予測値は、技術評価委員会で判断された値と大きくことなっていることに気付きます。明かり区間は「明かりフード」によって騒音基準に適合するとされたのです。
さらにJR東海が評価書に示した「予測値」が、技術評価委員会が判断したような16両編成の予測値なのか評価書には銘記されていないように思えます(騒音データの部分を見た時にそれが不明です)。
しかし、技術評価委員会の記事を見ると、4両編成、10m高架で25m離れた地点 67.5 dB で16両編成に換算すると 70 db で基準値内であるとされています。
JR東海が環境影響評価で測定した車両編成は不明ですが、フード区間で同じ高架10m/25m の値では 66 db ですから、数年の間に実験線の騒音が改良された結果、16両編成に換算しても 66 db になったのかも知れません。

「明かりフード」は「騒音」について検討されたものであり国土交通省委員会は「防音フード」だと理解していたのだとすると、今「防災フード」でもある意味は何か。さらに資料を読み込んで確認したいと思います。
そして、明かり区間が全てフードにならないと、たまたま観光などで車を走らせている人が突然の騒音にビックリして事故を起こす「かも知れない」とも考えるのが地域行政のスタンスであるべきです。その為に沿線は全て類型 Ⅰ となる都市計画指定をするべきです。
リニア新幹線を軸にして県政が目指す社会的人口増で、沿線都市部への流入だけではなく、農業を志した方々が沿線の休耕地をどんどん活用、活性化した農業立国にもしてくれる、そういう明るい未来を描くとき、開通当初から全線明かりフードであることが如何に大切か、それを理解すべきです。

「リニアが見える街」などと住民を犠牲にして観光立県を語るバカモンを叩きつぶして県内全線土管にすべきでしょう。それにしても、環境首都山梨にいながら 70 db の土地に住むかどうかは人それぞれですが・・・
新幹線騒音基準で説かれている地域類型指定が山梨県政(大気水質保全課)はのんびりし過ぎているようですし、このテーマに関する明確な情報発信も無いような・・・
2016年12月26日の リニア新幹線騒音基準について山梨県知事に申し入れがされました でも書きましたが、騒音対策の地域類型設定がどのように進んでいるのか、少しずつ状況が見えて来ましたので引き続きこのブログとWebサイトで記録していくつもりです。

私は明かり区間のフードについて過去に2本の記事を書いていました。その記録が今回の検討にも役に立ちました。
◇ 2013年07月11日 リニア新幹線は透明フードが可能か
◇ 2013年07月25日 リニア新幹線明かり区間の密閉フード対策

posted by ictkofu at 07:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 環境影響
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