リニアでJRと県、首長が意見交換会(南信州新聞 2017年4月20日)
(年月日の補足、改行、参照リンク設定などの編集は引用者です。)
JRの宇野護中央新幹線推進本部長は、三六災害の経験を伊那谷全体の特殊な事情と位置付け、自社による残土処分地の長期管理を「一つの方策」として豊丘村本山の計画地に限らないとの考えを示した。
昨年10月以来半年ぶりに県が開いた。宇野本部長ら同社の幹部と、飯田下伊那の市町村と南木曽町、中川村の首長らが非公開で意見交換し、終了後に宇野本部長と水間武樹県リニア整備推進局長が取材に応じた。
出席者らによると、市町村長らは
▽ 残土処分地の安全性確保と運搬路計画の早期提示
▽ 人員増を含めた現地体制の強化
▽ 工事の安全に関する確認書の締結
▽ 観光・地域振興への協力
―を求めたという。
残土処分地は、本山計画地と同様のJRによる長期管理や、安全性の確保について住民が納得できる科学的根拠の提示を要求した。
JR側のマンパワー不足は、「協議や調整を進める上で課題」と複数の首長が指摘した。宇野本部長は「人数はそれほど多く望めないが、仕事内容の方で努力する」とした。
残土運搬経路の早期提示は飯田市が要望した。終了後、牧野光朗市長は、市民生活への影響を回避する目的で中央自動車道や三遠南信自動車道を活用するよう求めていることを明らかにした。
首長らは他に、着工前に工事用車両の運行に関するルールや環境の事後調査計画を盛った確認書を結んだ大鹿村同様の対応や、観光・地域振興への協力を要望。JR側は応じる姿勢を示した。終了後、豊丘村の下平喜隆村長は「住民が安心できる盛土管理の科学的な根拠の提示を求めた」、大鹿村の柳島貞康村長は「残土処分地の詳しい説明を求めた」と話した。
2017年04月16日 長野県関係市町村長とJR東海の意見交換会 を書いています。開催広報の記載により、意見交換会に参加された長野県、飯伊地区全市町村、南木曽町、中川村にリンクしておきます。リニア新幹線軌道から外れていても発生土処分地、関係する工事車両の通行などが考慮されたものと思います。
各自治体にはリニア新幹線対策部署や委員会が設置されているケースがあり、それについてはリニア中央新幹線情報のWebページで整理しています。
◇ 長野県
◇ 飯田市
下伊那郡
◇ 松川町
◇ 高森町
◇ 阿南町
◇ 阿智村
◇ 平谷村
◇ 根羽村
◇ 下條村
◇ 売木村
◇ 天龍村
◇ 泰阜村
◇ 喬木村
◇ 豊丘村
◇ 大鹿村
◇ 上伊那郡中川村
◇ 木曽郡南木曽町
残土のJR管理、沿線首長が要望 飯田で意見交換会/長野(毎日新聞長野県版 リニアと暮らし 2017年4月20日)
県などによると、非公開で行われた意見交換会では、首長側からトンネル掘削に伴う残土置き場の安全性担保やJRの長期管理 ▽県内でのJRの体制の充実 ▽観光振興などの要望が出された。
宇野護・JR東海中央新幹線推進本部長は「人員は拡充の方向で、残土についてもJR東海での長期管理を検討中。観光振興については積極的に展開する」などと答えた。【大澤孝二】
【関連】
盛り土の強度、根拠要望 豊丘のリニア残土処分地(中日新聞長野県版 2017年4月19日)
助言は、環境への影響が確実に回避、低減されることを目的に、県環境影響評価技術委員と住民などの意見を基に作成。事業計画と、水質、動植物などの6項目からなる。
土地の安定性にあたっては、盛り土の安定計算について最終の結果を示すだけではなく、根拠を明かすことを要望。直近十年間のデータのみとしている災害の発生状況については、三六災害など過去数十年の災害も分析した上で、土地の安定の妥当性を証明することを盛り込んだ。
また、計画地と周囲の限られた範囲内としている魚類などの調査地域に関しては、下流の虻川全域も含めるよう要求。同川下流域の住民らから、土砂災害の発生や濁水による漁業への影響などを懸念する意見が相次いでいる現状にも触れ、住民らに丁寧な説明と意見の聴取を行うことを注文。工事中のトラック運行の問題では、環境や安全面での住民の心配解消も訴えた。
県の担当者は「特に盛り土の安定計算の根拠を示すことは住民へ環境に配慮していることが確実に伝わるはず」と話す。
同所は虻川上流の山あいに位置し、大鹿村−豊丘村の伊那山地トンネルのうち村内二カ所の非常口から出る約130万立方メートルの残土を埋める。 (伊勢村優樹)