2017年06月23日

JR東海株主総会での質問 「リニアの2027年の開業は間に合うのか」

JR東海の株主総会「リニア開業間に合うか」株主が質問(名古屋テレビニュース記事 2017年6月23日)
これは、第30回定時株主総会です。(JR東海電子公告・「株主様へのご案内」に記載)

名古屋市中村区でJR東海の株主総会が開かれ、2027年のリニア中央新幹線の開業に向けた取り組みなどが報告されました。
株主総会でJR東海は、(2017年6月)21日に東海道新幹線が架線断線で長時間停止したトラブルについて株主からの質問を受け、会社側は原因の究明を進め、再発防止に取り組む考えを示し陳謝しました。
このほかにもリニア中央新幹線の建設資金として財政投融資を活用し、1兆5000億円の長期借入を行ったことや、南アルプストンネルや名古屋駅などの本格工事に着手したことなどを報告しました。
株主からの「リニアの2027年の開業は間に合うのか」との質問に対し、経営側は「余裕のない厳しい工程だが、全力で計画を進める」と説明しました。
一方、鉄道事業の堅調さから、2017年3月期の連結決算で、売上高と純利益がいずれも過去最高を更新したことも報告されました。

「財政投融資を活用し1兆5000億円の長期借入を行った」というのは、2016年度中の金額で、今年度は既に7500億円の融資を受けています。これについては 「JR東海に第4回目無担保貸付7千5百億円を実行、鉄道・運輸機構、2017年5月17日」 で記録しています。おそらく9月頃には融資予定の残り7千5百億円の借入が実行されるでしょう、それで政府が計画した融資総額3兆円が終ります。
この情報は鉄道・運輸機構でもJR東海でもニュース・リリースとして発信されていますからJR東海株主は既に知っていたはずと思います。
この融資の返済計画も広報記事には記載されています。株式投資をする方々は金融問題には詳しいはずなので返済計画も納得しているものと思います。

工期10年の問題について株主がどこまで専門的な知識があるのか知りませんが、土木事業としてリニア中央新幹線の工期10年が妥当な見積りだったのかどうか、私にはわかりません。
株主総会で「リニアの2027年の開業は間に合うのか」という質問は何を根拠にどんな疑問から発せられたのか、それを知りたいです。
JR東海の株主さん達や質問した方はリニア中央新幹線事業の状況について、どんな情報を見ておられるのか、マスコミ情報だとしても、それが朝毎読日経産経の全国版だけだったら実態を見ているとは言えません。建設関係の専門紙や東洋経済などの経済誌もご覧になっておられるでしょうが、さらに適切なキーワードでネット検索する必要があることもご理解いただければよろしいかと思います。

架線事故について、2017年6月22日 時事通信のニュース は以下のようの伝えました・・・
 東海道・山陽新幹線は21日夜に大阪・高槻で架線が切れて停電が発生し、京都−新大阪間で運行できなくなった。JR東海は22日、大阪市内で記者会見し、「パンタグラフと接する架線(トロリー線)が切れ、列車と接触してショートし停電した」と説明した。架線が切れた原因は不明で、今後調査する。人為的とは考えにくいという。架線は2011年6月に設置。通常の交換時期の10年には達しておらず、今月8日の摩耗検査で異常は見つからなかった。
◇ JR東海の広報は 2017.06.22 東海道新幹線 京都駅〜新大阪駅間下り線 における架線の断線について(PDFファイル)

JR東海広報の「第30回定時株主総会招集ご通知」からリニア中央新幹線について述べられているテキストを以下に引用しておきます。(改行の編集は引用者です)

・超電導リニアによる中央新幹線計画につきましては、健全経営と安定配当を堅持し、柔軟性を発揮しながらプロジェクトの完遂に向けて着実に取り組みます。

引き続き、地域との連携を密にしながら、測量、設計、用地取得等を計画的に遂行するとともに、工事については、工期が長期間にわたり難易度が高い、南アルプストンネル、品川駅、名古屋駅をはじめ、必要な準備が整ったところについて、工事の安全と環境の保全を重視し、トンネル掘削、地中連続壁工等の各種工事を着実に進めます。

また、中央新幹線の高度かつ効率的な運営・保守体制の構築に向けて取り組みます。
さらに、資金面では、中央新幹線の建設の推進のため、財政投融資を活用した長期借入について、平成28年度から2年間で予定していた3兆円のう ち、平成29年度は残りの1兆5,000億円の借入を進めます。

一方、山梨リニア実験線において、営業線仕様の車両および設備により、2編成を交互に運用して、引き続き長距離走行試験を実施することなどにより、営業運転に対応した保守体系の確立に向けた実証等を進めるとともに、さらなる超電導リニア技術のブラッシュアップおよび営業線の建設・運営・保守のコストダウンに取り組みます。

また、「超電導リニア体験乗車」を引き続き計画的に実施するとともに、会社発足30周年の取組みとして、体験乗車付き子供学習教室を実施いたします。
鉄道・運輸機構による貸付に関する公開文書の返済計画を見ると、工期が延びて開業が遅れたら返済源資も厳しくなりそうに思えます。3兆円の財政投融資は名古屋〜大阪開通の前倒し前提でしたから、その縛りもJR東海財務に響くでしょう。質問された株主さんは開通時期と返済が始まる時期を考えながら工期を懸念されたのかも知れません。
だからといって沿線各地の発生土処理やトンネル工事による水利破壊やウラン鉱床通過問題等など山積する課題に対応しつつ工期厳守が可能かどうか、私は知りません。リニア事業を批判する国民を黙らせることは出来ても自然相手では共謀罪も無力なことは明らかです。
以下は貸付広報からの単純計算です。金利は省いて元金均等返済のみ概算。
開通予定 品川〜名古屋 2027年
開通予定 名古屋〜大阪 当初計画の2045年から2037年に前倒し
  貸付日から   据置期間以後は元金均等返済 返済月数は114カ月
1.2016年11月28日・・2046年06月〜2055年11月29日 5000億円
2.2017年01月16日・・2046年08月〜2056年01月16日 5000億円
3.2017年03月10日・・2046年10月〜2056年03月10日 5000億円
4.2017年05月17日・・2046年06月〜2055年11月17日 7500億円
5. 残り7500億円の貸付けは未完         7500億円
                 元金返済は毎月 263億円
品川〜名古屋2027年開通が延びることは建設費も増えると思います。リニア新幹線の営収が得られる時期も遅れます。返済開始までの据置期間には大阪開通時からの余裕期間も見込まれているでしょう。
タグ:財政投融資
posted by ictkofu at 23:17| Comment(0) | TrackBack(0) | リニア中央新幹線
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