2017年08月30日

リニアが見える街の騒音対策で苦悩する山梨県富士川町

富士川町財務課−リニア対策室−リニア対策担当という組織構成で、リニア中央新幹線 ホームページが設定されています。参照・富士川町組織図 2017年4月1日(PDFファイル)
【以下は私が8月30日までに確認できた情報ですが、ブログに記録しておき後日Webサイトで整理する予定です】
リニア防音フード設置を問う 山梨県富士川町が住民投票条例案提出へ(産経新聞山梨版 2017.8.29 07:00)
 平成39_2027年に品川−名古屋駅間で先行開業予定のリニア中央新幹線について、沿線の山梨県富士川町でトンネル以外の「明かり区間」で「防音防災フード」の設置をJR東海に要請するか否かを町民に問う住民投票が計画されている。
 町は(2017年8月)28日、住民投票条例案を9月定例議会に提出すると発表。議会は最終日の9月22日の本会議で採決する。可決すれば、年内にも住民投票が実施される。
 JR東海がまとめた環境影響評価書では、同町を通る明かり区間(約2・6キロ)のうち、コンクリート製で天壁付きの防音防災フード(高さ約8メートル)で覆われるのは、町役場(同町天神中條)北東の小林地区の周辺だけ。他の区間は軌道脇の防音壁(高さ約3・5メートル)との想定だ。
同町によると、その他の明かり区間でも住民からフード設置を求める強い要望があり、町も工事前に住民の意向を確認したいとしている。このため、町は住民投票で沿線住民の意思を問うことにした。
 町リニア対策室によると、住民投票の対象は満18歳以上で、リニア中央新幹線の軌道中心から左右400メートル以内の居住者(3556人、6月1日現在)と法人登録事業所の代表者(56人、同)。さらに同100メートル以内の土地の所有者(196人、同)。
 住民投票は防音防災フード設置について「希望する」「希望しない」のいずれかを問う。町内の明かり区間を3つのブロックに分け、ブロックごとの結果に従い、JR東海に要望する。

フード設置意向問う住民投票へ リニア予定地の町(朝日新聞山梨版 2017年8月29日03時00分)記事で産経新聞記事には書かれていない点として、『フードを付けることで構造物がより高くなり、軌道近くの田畑などで日照不足を不安視する向きもある。』 に気付きます。

リニア軌道高架の高さに加えて防音壁なら+3.5メートル、防音・防災フードだと+8メートルなので4.5メートル分の日影が増えるという意味です。
リニア新幹線高架の高さを決定する要因について調べてみないと分かりませんが、道路上の歩道橋あるいは立体交差のような構造物の高さ制限(法令)に適合する高さのリニア高架軌道+防音・防災フード8メートルを検討できるでしょう。
しかし高架を低くできるとしても騒音、振動、磁気などの地上への影響が変化するかどうかは実験線で測定しておくべきだし、クレーン車や消防はしご車などを使えば軌道と地面の間隔を模した測定は出来ると思います。

平成29_2017年第2回富士川町議会定例会(6月定例会)町長所信表明 を記録しておきます。
 次に、リニア中央新幹線についてであります。
 リニア中央新幹線の事業用地となる土地の用地幅杭の設置、物件調査、立竹木等の調査を含めた用地測量について、町内で高架橋となる明かり区間におきましては、JR東海、並びにJR東海から用地取得等の委託を受けた、山梨県リニア用地事務所により、現在、了承を得られた場所から順次行っているところであります。

 また、仙洞田地内に建設される保守基地や変電所、工事用道路等の建設に関しましては、事業範囲の概要や工事用道路等について、地元説明会を行う中で、用地測量、及び権利者調査などを行っているところであります。
 今後は、測量及び調査結果を踏まえ、境界確認作業や補償金額の算定等を行い、個別の説明に入るものと考えております。

 このような状況の中、町では、リニア高架橋に伴う騒音や日照に関する沿線住民の皆さんの懸念事項を払拭するため、時速500Kmでの走行騒音や振動等を実際に体感していただくことを目的とした、リニア実験線見学会を5月24日、27日、6月1日、10日の4日間開催し、さらに今月下旬には、見学会を踏まえ、最勝寺、天神中條、大久保、つき米、小林、長澤区の沿線住民との意見交換会を3か所で開催する予定でおります。
 今後は、見学会や意見交換会での御意見を踏まえ、リニア中央新幹線の騒音に係る環境基準の地域指定に対する町の考え方をまとめて参りたいと考えております。

 なお、リニア中央新幹線の騒音フードや防音壁につきましては、環境基準の地域指定とは別に、地域の意見が最も反映できる方策を用いる中で、決定して参りたいと考えております。
町長が言及されたリニア実験線見学会と意見交換会について確認できたので同様に記録しました。

富士川町には リニア中央新幹線の高架橋に関する沿線住民意見交換会について というページがあります。
騒音・振動などを確認するために実験線見学会が行なわれて、その結果による意見交換会が2017年6月26日(月)、28日(水)、29日(木)の3日間、3会場で開催された報告がPDFファイルでアップロードされています。
マスコミ報道だけでは分からない事が多いリニア新幹線について、これは必読資料です。こういう仕事をした富士川町行政の住民目線を私は高く評価します。

この報告書にも記載されている騒音規制範囲400メートルについては、「リニア騒音基準決める」(山梨日日新聞ネット記事 2016年11月15日)報道がありました。
この件に関する山梨県庁の公開情報は 2017年7月5日 PDFファイルで公開されたようです・・・
山梨県大気水質保全課ホームページ「リニア中央新幹線における環境基準の類型の当てはめに関する事務手続きについて(PDF:64KB)」 を開くことができます。全6ページPDFファイル。

2016年11月に決まった事?が半年以上も経って公開されたのは、12月、2月、6月の山梨県議会で侃々諤々の議論が尽された為かと思いますが、私は会議録を未確認です。そして富士川町実験線見学会と6月末の意見交換会の成行きに対応して県庁さんが取り急ぎアップロードしたものと私は推察します。

防音・防災フードがかぶる場所はもちろん、防音壁で済まされる場所であっても地上からリニアが見えますか?
高架+防音壁より高い場所に登らねば軌道を走るリニア車両は目視できないでしょう。皆さんがご覧になるリニア実験線走行画像は空からの撮影か都留駅近辺の写真だと思います。車内から見える外の景色を撮った画像など私は見たことが無い。
あなたの街はリニアが見える街ですか? どこから見えるのですか? 観光活用とは何をすることですか?

そして最も重要なポイントは国土交通省委員会では「明かりフード」と呼んで騒音について論じていたのですが、JR東海は「防音・防災フード」と呼びます。その「防災」の意味を山梨県政が住民に説明していないことです。400メートル規制の決定理由と合わせて、この事も説明する必要があるはずです。リニア新幹線地上区間の「防災」は山梨県全ての県民に関わる事だからです。
山梨県政は「防災」の意味を明確にしてから騒音規制について再検討願います。未だ先は長い、時間は十分あります。

このブログで 「タグ・騒音対策」 記事は山梨県の状況についても書いています。新幹線騒音の地域類型が指定される範囲 400mについて には『山梨県で地域類型が決定し発表される時に 400m の根拠などについても明確に説明されると思います。』と書きました。
国民が期待しているリニア新幹線を一番理解し育てて来た山梨県の意思決定は沿線地域の模範でもあるはず。全ての国民に向けて丁寧な説明を継続していただきたいと思っています。
新幹線騒音

富士川町の町民視察と検討会で使用されたデータはJR東海が作成したものです。地域自治体(都留市、大月市、笛吹市、山梨県)が住民の環境保全を考えて定期的に測定を続けているデータではありません。

リニア問題を扱うネット記事で報道を知ったので、私は富士川町の近況に気付きました・・・
リニア軌道の覆い巡り議論へ(山梨日日新聞 2017年08月27日)
「観光活用か生活重視か」との中見出しで、山梨県富士川町が町内を通るリニア軌道に防音防災フードを設ける是非を沿線住民に問う住民投票を検討中と報じた。

posted by ict工夫 at 06:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 地域活性化
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