2017年10月04日

相模原市での区分地上権事情と地権者交流会の開催 10月8日

この記事は リニア新幹線を考える相模原連絡会 の「ストップリニアニュース」から引用して掲載しています。
タイトル
リニアのトンネルを通すため、土地・建物の利用が制限される
 区分地上権とは、トンネルの建設にあたり、土地の地下の一定の範囲(トンネルの上下左右にトンネルを保護するための保護層を加えた範囲)を、JR 東海が永続的に使用(地権者の権利を制限)できる権利のことです。
 民法、土地収用法などで、公共の事業の用に供するため、土地を収用・使用できるという規定があります。憲法で侵してはならないとされる財産権が「公共の福祉」の名の下に、補償と共に最終的には収用できるとされています(土地収用法)。
区分地上権の補償と用地測量
 補償は、用地補償調査(用地測量)→補償金額の算定→契約→区分地上権の設定登記、補償金の一括払い といった流れになっていますが、JR 東海は、調査、測量等で一時的に地権者の土地に立ち入ることがで きるとされています(日の出前、日没後は立ち入れない。立ち入る際には土地所有者に告げなければなら ないなどの制約があり、)しかし「正当な理由」があれば、立ち入りや一時使用を拒むことはできます。
トンネル上にあるマンションは立ち退けというJR東海
 トンネルの深さが浅いエリアでは、リニアのトンネル建設範囲にビルの基礎杭があたるなどの理由で、 マンション(4 階以上)の立ち退きの可能性があるというケースも出ています。橋本地区では4カ所あると いわれています。
リニアは「公共」事業といえるのか? 補償はきちんと行われるのか?
 リニアは、「公共の福祉」にかなったものとして居住者の財産権を制限できるものなのかどうか、拒め ないのか、居住地の地価をもとにした「補償」方式で、地権者の利益が損なわれることはないのか、用地 測量を受け容れなければならないのか? など多くの問題点があります。JRの要求が具体的に出てくるの はこれからになりますが、地権者・居住者同士がバラバラでなく、情報を共有し連携を強めて、JR 東海や 相模原市と対等の立場で話し合えるような対抗力をもつことが必要ではないでしょうか?
【編注】この内容は参加された方の傍聴報告です。講師が準備されたレジメではありません。
公共事業改革市民会議のサイトに リニア中央新幹線 があります。
ストップ・リニア!訴訟 ニュース 第1号 も転載されています。

リニア新幹線を考える相模原連絡会の2017年9月20日付けニュースのPDFファイルは未公開なのでネットで確認した画像から引用します。

ニュース

同じニュースで第1回の地権者交流会で話された意見が紹介されています。

ニュース

この記事ではトンネル区間の区分地上権についての考察ですが、相模原市には関東車両基地が建設される鳥屋地区での土地収用もあります。この件は トラスト運動の第2弾、相模原市鳥屋地区で(2016年04月24日)の記事を書いています。委細は「リニア新幹線を考える相模原連絡会」サイトを参照してください。

私のWebサイトでリンク集を設定しています リニア中央新幹線事業に関連する法令と組織
【民法】
(地下又は空間を目的とする地上権)
第269条の二 地下又は空間は、工作物を所有するため、上下の範囲を定めて地上権の目的とすることができる。この場合においては、設定行為で、地上権の行使のためにその土地の使用に制限を加えることができる。
 2 前項の地上権は、第三者がその土地の使用又は収益をする権利を有する場合においても、その権利又はこれを目的とする権利を有するすべての者の承諾があるときは、設定することができる。この場合において、土地の使用又は収益をする権利を有する者は、その地上権の行使を妨げることができない。

【土地収用法】
(土地を収用し、又は使用することができる事業)
第3条 土地を収用し、又は使用することができる公共の利益となる事業は、次の各号のいずれかに該当するものに関する事業でなければならない。  七 鉄道事業法(昭和61年法律第92号)による鉄道事業者又は索道事業者がその鉄道事業又は索道事業で一般の需要に応ずるものの用に供する施設
 七の二 独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構が設置する鉄道又は軌道の用に供する施設
(権利の収用又は使用)
第5条 土地を第3条各号の一に規定する事業の用に供するため、その土地にある左の各号に掲げる権利を消滅させ、又は制限することが必要且つ相当である場合においては、この法律の定めるところにより、これらの権利を収用し、又は使用することができる。
 一 地上権、永小作権、地役権、採石権、質権、抵当権、使用貸借又は賃貸借による権利その他土地に関する所有権以外の権利

【全国新幹線鉄道整備法】
(他人の土地の立入り又は一時使用)
第12条  第5条第一項の規定による国土交通大臣の指名を受けた法人若しくは建設主体又はその委任を受けた者は、新幹線鉄道の建設に関する調査、測量又は工事のためやむを得ない必要があるときは、その必要の限度において、他人の占有する土地に立ち入り、又は特別の用途のない他人の土地を材料置場若しくは作業場として一時使用することができる。
 2 前項の規定により他人の占有する土地に立ち入ろうとする者は、あらかじめ、当該土地の占有者にその旨を通知しなければならない。ただし、あらかじめ通知することが困難である場合においては、この限りでない。
 3 第一項の規定により建築物が所在し、又はかき、さく等で囲まれた他人の占有する土地に立ち入ろうとする場合においては、その立ち入ろうとする者は、立入りの際、あらかじめ、その旨を当該土地の占有者に告げなければならない。
 4 日出前及び日没後においては、土地の占有者の承諾があつた場合を除き、前項に規定する土地に立ち入つてはならない。
 5 第一項の規定により他人の占有する土地に立ち入ろうとする者は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があつたときは、これを提示しなければならない。
 6 第一項の規定により特別の用途のない他人の土地を材料置場又は作業場として一時使用しようとする者は、あらかじめ、当該土地の占有者及び所有者に通知して、その意見をきかなければならない。
 7 土地の占有者又は所有者は、正当な理由がない限り、第一項の規定による立入り又は一時使用を拒み、又は妨げてはならない。
 8 前条第二項から第四項までの規定は、第一項の規定による立入り又は一時使用により損失を受けた者の損失補償について準用する。
 9 第五項に規定する証明書の様式その他必要な事項は、国土交通省令で定める。
(建設費用の負担等)
第13条  機構が行う新幹線鉄道の建設に関する工事に要する費用(営業主体から支払を受ける新幹線鉄道に係る鉄道施設の貸付料その他の機構の新幹線鉄道に係る業務に係る収入をもつて充てるものとして政令で定めるところにより算定される額に相当する部分を除く。)は、政令で定めるところにより、国及び当該新幹線鉄道の存する都道府県が負担する。
 4 地方公共団体は、第一項及び第二項に規定するもののほか、新幹線鉄道に関し、その建設に要する土地の取得のあつせんその他必要な措置を講ずるよう努めるものとする。

posted by ict工夫 at 15:14| 神奈川県