2017年10月5日に閉会した山梨県議会9月定例会で当該予算案は承認されたとの事です。
そして「この事案については山梨県公共事業評価委員会の2017年9月14日会議録が2017年11月初め頃に公開されるはず」と書いていたのですが、会議録本文だけは9月22日作成のPDFファイルでアップロードされていました。会議録に付随する資料類は未公開ですが、県庁広報部から記者発表の時に提供されていた資料画像が確認できましたので掲載しておきます。
補強対象22橋のうち16橋は、桁の当て板と床版の補強を実施(資料:山梨県)

補強工法の見直しによる増工の例
アーチ橋やトラス橋は外ケーブルの使用や支承取り替え(資料:山梨県)
アーチ橋やトラス橋は外ケーブルの使用や支承取り替え(資料:山梨県)

補強対象の橋は1950〜60年代ごろに建設された(写真:山梨県)
蓬来橋(長さ 37m)


早川大橋(長さ 111.6m)


補強工事が必要な6橋について過日ネットで確認しましたので再掲しておきます。
⑥早川大橋は早川北小学校近くに設定された塩島発生土置き場より南(下流)になります。
⑤蓬莱橋はバス停があります。バス停「蓬莱橋」
④慶雲橋も、バス停「慶雲橋」
③奈良田橋、2014年10月26日訪問・奈良田橋、写真も掲載された訪問記です。
②滝見橋、2014年10月26日訪問・滝見橋、奈良田橋と同じブロガーさん、「うん、確かに落差の大きい見事な滝。」
①中尾澤橋、2014年10月26日訪問・中尾澤橋、「平行弦トラス橋が見えてきた。」 このブロガーさん橋の構造にお詳しいようです。
◇ リニア工事のダンプ対応、橋の補強見直しで費用倍増(日経コンストラクション 2017/10/05)
リニア中央新幹線の建設に伴う土砂搬出車両の増加に対応するため、山梨県が県内22橋の耐荷補強で工法を見直したところ、工事費が約2倍に増えることが分かった。県が(2017年)9月14日に開催した公共事業評価委員会で明らかにした。
補強工法の見直しによる増工の例。アーチ橋やトラス橋は外ケーブルの使用や支承取り替えをすることにした(資料:山梨県)
耐荷補強を実施する県道37号南アルプス公園線の22橋のうち早川大橋、蓬来橋など6橋で費用が膨らんだ。17億7500万円増加し、22橋合計で34億9000万円となる。
補強対象の橋梁は1956年に策定された鋼道路橋設計示方書に準じて設計しているので、自動車荷重として車両1台の総重量を14tしか見込んでいない。県はもともと現行の道路橋示方書が規定する25tの自動車荷重に対応して補強する予定だった。
具体的な施工時期は決めていなかったが、リニア新幹線のトンネル工事に伴って残土を運搬するダンプトラックが通行することになったため、速やかな補強が必要と判断した。最盛期には1日に150台のダンプトラックが通過する見込みだ。
公共事業評価委員会は残土搬出に14t以下のダンプトラックを使うことを提案したが、その分台数が増えて一般車両の通行への影響が大きくなることなどから補強を実施することにした。
当初の概略設計では鋼板の当て板で断面補強を計画していた。詳細設計の結果、トラス橋やアーチ橋など構造が比較的複雑な6つの橋梁では補強部材の重量が著しく増加し、自重を支えるために更なる補強を追加するなど不合理な設計となることが判明。工法を見直して外ケーブルの設置や支承の取り替え、橋脚の補強などを追加したため工事費用が増加した。
詳細設計は6橋全て個別に発注したが、受注した6社合同で設計検討会を開き、方針の統一や情報共有を図った。
補強対象22橋のうち16橋は、桁の当て板と床版の補強を実施する(資料:山梨県)
費用はJR東海と分担
工事費用は、リニア新幹線を建設するJR東海と分担する。県道37号の通行車両の比率を、JR東海の工事車両89%に対して一般車両11%と見込んでいるため、県は費用の11%を受け持つ。工事の計画や管理は全て県が担当する。
補強工事は今年度内に全て発注し、18年度末までの完了を予定している。一方、土砂の運搬は工事着手前の今年11月から始まる。県によると、14tの車両を路面に敷き詰めた荷重条件で橋梁を設計しているのに対し、ダンプトラックは一度に1、2台しか通行しないので、短期間であれば20tを超える車両が通行しても問題ないとしている。
左から順に蓬来橋、早川大橋。補強対象の橋は1950〜60年代ごろに建設された(写真:山梨県)
リニア中央新幹線の建設に伴う土砂搬出車両の増加に対応するため、山梨県が県内22橋の耐荷補強で工法を見直したところ、工事費が約2倍に増えることが分かった。県が(2017年)9月14日に開催した公共事業評価委員会で明らかにした。
補強工法の見直しによる増工の例。アーチ橋やトラス橋は外ケーブルの使用や支承取り替えをすることにした(資料:山梨県)
耐荷補強を実施する県道37号南アルプス公園線の22橋のうち早川大橋、蓬来橋など6橋で費用が膨らんだ。17億7500万円増加し、22橋合計で34億9000万円となる。
補強対象の橋梁は1956年に策定された鋼道路橋設計示方書に準じて設計しているので、自動車荷重として車両1台の総重量を14tしか見込んでいない。県はもともと現行の道路橋示方書が規定する25tの自動車荷重に対応して補強する予定だった。
具体的な施工時期は決めていなかったが、リニア新幹線のトンネル工事に伴って残土を運搬するダンプトラックが通行することになったため、速やかな補強が必要と判断した。最盛期には1日に150台のダンプトラックが通過する見込みだ。
公共事業評価委員会は残土搬出に14t以下のダンプトラックを使うことを提案したが、その分台数が増えて一般車両の通行への影響が大きくなることなどから補強を実施することにした。
当初の概略設計では鋼板の当て板で断面補強を計画していた。詳細設計の結果、トラス橋やアーチ橋など構造が比較的複雑な6つの橋梁では補強部材の重量が著しく増加し、自重を支えるために更なる補強を追加するなど不合理な設計となることが判明。工法を見直して外ケーブルの設置や支承の取り替え、橋脚の補強などを追加したため工事費用が増加した。
詳細設計は6橋全て個別に発注したが、受注した6社合同で設計検討会を開き、方針の統一や情報共有を図った。
補強対象22橋のうち16橋は、桁の当て板と床版の補強を実施する(資料:山梨県)
費用はJR東海と分担
工事費用は、リニア新幹線を建設するJR東海と分担する。県道37号の通行車両の比率を、JR東海の工事車両89%に対して一般車両11%と見込んでいるため、県は費用の11%を受け持つ。工事の計画や管理は全て県が担当する。
補強工事は今年度内に全て発注し、18年度末までの完了を予定している。一方、土砂の運搬は工事着手前の今年11月から始まる。県によると、14tの車両を路面に敷き詰めた荷重条件で橋梁を設計しているのに対し、ダンプトラックは一度に1、2台しか通行しないので、短期間であれば20tを超える車両が通行しても問題ないとしている。
左から順に蓬来橋、早川大橋。補強対象の橋は1950〜60年代ごろに建設された(写真:山梨県)