2017年11月01日

北陸新幹線の福井県あわら市「柿原トンネル」工事土砂崩落事故(続報)

リニア中央新幹線事業をフォローしながら、この北陸新幹線あわら市での事案について、事業者はいかに対応・対策し、それについて地域行政及び地域の人々がどのように理解し、納得していくかという経緯に関心を持ちましたので私はこんな記録をしています。事案に関る情報の扱われ方が最大の関心事であり、私は北陸新幹線そのものには特に関心はありません。

2017年09月09日の記事で、福井の新幹線トンネル工事で地上のグラウンドが深さ8m陥没 を記録しています。
現地調査と技術委員会は9月23日(土)開催(2017年9月20日)について開催報告は見つかりませんでした。
台風の影響で遅れて、2017年9月23日に開催された第1回技術委員会の結果と今後の予定は福井県とあわら市に報告されたことが毎日新聞記事で分かりました。
福井県あわら市 のサイトでこの件について県民、地域の人々に報告・説明した記事を私は未確認です。
あわら・柿原トンネル崩落 一部の掘削再開を 運輸機構、市と県に説明(2017年9月29日 毎日新聞福井県版)
 北陸新幹線「柿原トンネル」(あわら市)土砂崩落事故で中断しているトンネル工事について、鉄道建設・運輸施設整備支援機構(鉄道・運輸機構)は(2017年9月)28日、崩落現場とは別の場所の掘削を一部(19メートル分)進めたいとの意向をあわら市と県に伝えた。先端部の形状を整えてトンネルを安定させるための措置で、地元住民の了解も得た上で週明けにも着手する予定だ。
 全長2530メートルの柿原トンネルは、金沢方面側から約830メートルの地点に横穴を掘り、そこから福井方面と金沢方面に掘削を進めていた。しかし、今月(2017年9月)8日、金沢方面側で崩落事故が発生。工事を中断している。
 今回掘削を予定しているのは福井方面側で、(2017年9月)23日に開かれた事故原因を調査する機構の施工技術委員会で、安全面から掘削を続けた方が良いとの意見が委員から出ていた。
 福井側は掘削開始場所から106メートル掘り進んでおり、先端部の上には農道がある。そこから更に19メートル掘削するとしている。
 28日は機構の蓼沼(たでぬま)慶正・大阪支社長ら3人が説明のため、あわら市役所と県庁を訪問。あわら市役所では橋本達也市長が応対し、「トンネル上部に穴が空いたことに、まだ不安はある。安全の確保をお願いしたい」と注文した。29日夜には地元説明会も開く。
 工事全体の進行方針については、10月中旬に開く次回の施工技術委員会で議論する。【大森治幸】
平成29_2017年10月4日のプレスリリース 北陸新幹線、金沢・敦賀間トンネル施工技術委員会の開催について(PDF:254KB) は下図のようでしたが、10月11日の開催後も報告記事は出ていないと思えます。
技術委員会開催広報
2017年9月23日が第1回、10月11日が第2回になる技術委員会の経過は、毎日新聞/北陸新幹線 から確認できただけです。

鉄道・運輸機構からの途中経過報告が確認できませんので毎日新聞による広報をオオヤケの情報として記録しておきます。(記事中の日付について年月の補足、強調は編者によります)

あわらの柿原トンネル土砂崩落事故 「12月に原因を公表」 施工技術委(毎日新聞福井県版 2017年10月12日)
 あわら市の北陸新幹線「柿原トンネル」工事現場で起きた土砂崩落事故について、原因を調査する鉄道建設・運輸施設整備支援機構(鉄道・運輸機構)の施工技術委員会の第2回会合が(2017年10月)11日、福井市内であった。委員会は12月上旬の第3回会合で事故原因や再発防止策をまとめて公表すると発表した。
 会合後に記者会見した朝倉俊弘委員長(京都大名誉教授)は「地質や地下水の流れに何らかの影響を受けたのではとの議論がなされたが、統一の結論は出ていない」と話した。
 その上で、12月4日か同5日に開く第3回会合で「どんなメカニズムで崩落が起きたか、会としての見解を発表したい」と話した。
 一方、陥没した場所について、セメントを注入して補強する機構の方針が了承された。機構はあわら市の了解を得た上で補強工事に着手したいとしている。【大森治幸】

そして11月1日に直近の状況が分かりました。ここまでの経過は事業者からの説明によって福井県、あわら市が了解済みだと思えます。

柿原トンネル 7日から地盤工事 崩落現場セメントで補強(2017年11月1日 毎日新聞福井県版)
 あわら市の北陸新幹線「柿原トンネル」(全長2530メートル)で9月に起きた土砂崩落事故について、工事発注者の鉄道建設・運輸施設整備支援機構は(2017年10月)31日、崩落現場の地盤改良工事を(11月)7日から行うと発表した。
 工事は10月11日にあった同機構の施行技術委員会の第2回会合で、セメントを注入して補強する方法が了承された。2月中旬までかかる予定で、地盤改良後の掘削再開の時期は未定だ。
 トンネルは金沢方面側から約830メートルの地点に横穴を掘り、そこから福井と金沢両方面に掘削を進めており、崩落は金沢方面側で起きた。福井方面側は、トンネルを安定させるため、先端部の形状を整える工事を9月30日〜10月14日に行ったが、11月1日からは本格的に掘削工事を再開する。【吉田卓矢】

12月上旬の第3回会合で事故原因や再発防止策をまとめて公表するという状況の下で進んでいく工事について福井県も地域行政も住民の方々も納得しておられるのでしょう。公表される前に本格的に掘削工事が再開されることに私は違和感を持ちます。
リニア中央新幹線事業でこのような事態が生じたら沿線地域の皆さんはどうなさるか。もしかするとこの事案と同じパターンになるかも知れませんが・・・
この記事を「国会・国政」カテゴリーにしているのは、これが整備新幹線事業だからです。

posted by ict工夫 at 23:00| 国会・国政