リニア中央新幹線の2027年開業に向けて建設を進めるJR東海は(2017年12月)6日夜、中央アルプストンネル松川工区(4・9キロ)に関する工事説明会を、トンネルの東側出入り口となる「松川坑口」に近い飯田市鼎切石地区で開いた。工事説明会は着工の前提となり、8日には羽場地区で計画。同社は説明会後、工事に向けた手続きを進める意向で、来年(2018年)2月にも準備工事に着手する見通し。
工事説明会は非公開。JRが工事を委託する鉄道建設・運輸施設整備支援機構が主催する形で開き、JR側はトンネルの施工手順、工事用車両の運行計画と台数、発生土の運搬ルート、安全対策、環境保全について説明した。
(中略)
【編注・鼎切石:かなえきりいし】工事説明会は非公開。JRが工事を委託する鉄道建設・運輸施設整備支援機構が主催する形で開き、JR側はトンネルの施工手順、工事用車両の運行計画と台数、発生土の運搬ルート、安全対策、環境保全について説明した。
(中略)
松川工区は作業用トンネル(斜坑)を設けず、松川坑口から西方向に掘る。坑口近くの「妙琴公園」内には作業場を設ける計画で、来年2月から車両の進入路を整備したり立ち木の伐採、工事用仮桟橋の設置といった準備工事に入る。作業場の整備は2018年春にも始め、本坑の掘削開始は2019年度末になる。
松川坑口からは約90万立方メートルの残土が発生する見込みで、飯田市下久堅小林地区と龍江地区、下條村睦沢地区の3候補地に運ぶ。運搬は2019年度末に開始する予定で、市街地を避け中央道、三遠南信道を利用して運び出す。発生土置き場の造成工事は、受け入れの準備が整ったところから順次行うとする。
本坑掘削開始後に市道大休妙琴線を通行する工事用車両は1日最大270台(片道)。通行時間帯は準備工事中が午前8時半〜午後5時、トンネルを掘削する間は午前7時〜午後7時。発生土と資機材の運搬が主となる。
JR長野工事事務所(飯田市)の平永稔所長は取材に「住民の皆さんの理解は深まった。飯田市などと相談し必要な準備が整い次第、工事に着手したい」と述べた。また着工に向けては「地元と何らかの文書を交わすことになると思う」とした。文書には工事用車両の運行に関するルールのほか環境に関わる測定などを盛り込む考え。
リニア建設で着工の前提となる工事説明会は、大鹿村の南アルプス長野工区(8・4キロ)、豊丘村の伊那山地トンネル坂島工区(5・1キロ)に続き、県内では3カ所目。松川坑口からは約90万立方メートルの残土が発生する見込みで、飯田市下久堅小林地区と龍江地区、下條村睦沢地区の3候補地に運ぶ。運搬は2019年度末に開始する予定で、市街地を避け中央道、三遠南信道を利用して運び出す。発生土置き場の造成工事は、受け入れの準備が整ったところから順次行うとする。
本坑掘削開始後に市道大休妙琴線を通行する工事用車両は1日最大270台(片道)。通行時間帯は準備工事中が午前8時半〜午後5時、トンネルを掘削する間は午前7時〜午後7時。発生土と資機材の運搬が主となる。
一方の風越山トンネル黒田工区(2・3キロ)は2019年度の工事着手を目指すが、工事説明会の開催は未定。同工区は作業用トンネル(1・1キロ)を設け、本坑に到達後は西方向に掘削する。斜坑はリニア開業後は本線から地上に出るための非常口となる。
JR長野工事事務所(飯田市)の平永稔所長は取材に「住民の皆さんの理解は深まった。飯田市などと相談し必要な準備が整い次第、工事に着手したい」と述べた。また着工に向けては「地元と何らかの文書を交わすことになると思う」とした。文書には工事用車両の運行に関するルールのほか環境に関わる測定などを盛り込む考え。
松川工区の工事は2016年12月9日に戸田・あおみ・矢作中央新幹線、中央アルプストンネル(松川)外特定建設工事共同企業体 が落札しています。鉄道・運輸機構/関甲工28第5号/中央新幹線、中央アルプストンネル(松川)外
JR東海は(2017年12月)6日夜、リニア中央新幹線中央アルプストンネル松川工区(4・9キロ)の掘削に向けた工事説明会を、トンネルの東側出入り口となる「松川坑口」に近い飯田市鼎切石地区で開いた。同社は来年(2018年)2月に準備工事に着手し、トンネル掘削は2019年度末に始める計画とした。
掘削開始の前提となる工事説明会がこれまでに開かれたリニア計画沿線の県内市町村は、南アルプストンネル長野工区(8・4キロ)が通る下伊那郡大鹿村、伊那山地トンネル坂島工区(5・1キロ)が通る同郡豊丘村の2村で、飯田市は3市村目になる。
説明会は、JR東海が工事を委託する独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構が主催する形で、非公開で開いた。JR東海によると、住民約70人が参加した。
JR東海によると、松川坑口の掘削は鼎切石地区にある「妙琴公園」内に作業場を設けて行う。本年度(〜2018年3月)は、車両の進入路を整備したり、立ち木を伐採したりする準備工事を計画。車両が通る市道大休妙琴線に待避所を設ける工事は2018年春にも始める。松川工区では斜坑(作業用トンネル)を設けない。
松川坑口からは、2025年春ごろまでの掘削期間中に、約90万立方メートルの残土が発生する見通し。車両運行計画によると、この間は平日と土曜日の午前7時〜午後7時に、1日最大270台の工事車両が、市道大休妙琴線を通行する。JR側は地元車両優先の徹底や交通誘導員配置などを安全対策として提示。中央道と三遠南信道を通行して残土置き場に向かうルート案も示した。
出席者によると、住民からは、安全運行の徹底を求める意見や、残土から重金属など有害物質が検出された場合の慎重な対応を求める声が上がった。着工自体に反対する意見はなかった。
JR東海中央新幹線長野工事事務所(飯田市)の平永稔所長は取材に「住民の皆さんの理解は深まった。必要な準備が整い次第、工事に着手したい」と述べ、車両運行などに関する取り決めを準備工事を始めるまでに地元と書面で交わす考えを示した。
掘削開始の前提となる工事説明会がこれまでに開かれたリニア計画沿線の県内市町村は、南アルプストンネル長野工区(8・4キロ)が通る下伊那郡大鹿村、伊那山地トンネル坂島工区(5・1キロ)が通る同郡豊丘村の2村で、飯田市は3市村目になる。
説明会は、JR東海が工事を委託する独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構が主催する形で、非公開で開いた。JR東海によると、住民約70人が参加した。
JR東海によると、松川坑口の掘削は鼎切石地区にある「妙琴公園」内に作業場を設けて行う。本年度(〜2018年3月)は、車両の進入路を整備したり、立ち木を伐採したりする準備工事を計画。車両が通る市道大休妙琴線に待避所を設ける工事は2018年春にも始める。松川工区では斜坑(作業用トンネル)を設けない。
松川坑口からは、2025年春ごろまでの掘削期間中に、約90万立方メートルの残土が発生する見通し。車両運行計画によると、この間は平日と土曜日の午前7時〜午後7時に、1日最大270台の工事車両が、市道大休妙琴線を通行する。JR側は地元車両優先の徹底や交通誘導員配置などを安全対策として提示。中央道と三遠南信道を通行して残土置き場に向かうルート案も示した。
出席者によると、住民からは、安全運行の徹底を求める意見や、残土から重金属など有害物質が検出された場合の慎重な対応を求める声が上がった。着工自体に反対する意見はなかった。
JR東海中央新幹線長野工事事務所(飯田市)の平永稔所長は取材に「住民の皆さんの理解は深まった。必要な準備が整い次第、工事に着手したい」と述べ、車両運行などに関する取り決めを準備工事を始めるまでに地元と書面で交わす考えを示した。
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