リニア中央新幹線計画を生かした地域振興を探る阿部知事と、伊那谷の経済界関係者による意見交換会が(2017年5月)17日、県飯田合同庁舎であった。飯田下伊那や上伊那地域から商工会や製造業、農業の代表ら9人が出席し、民間投資を促す施策や人材育成、インフラ整備、広域観光の推進などへの協力を要請。知事は地域発の提言に期待を寄せ、継続して意見交換する考えを示した。
リニア活用をめぐる知事と沿線経済界の意見交換は初めて。「訪れたくなる地域の機能」や「伊那谷を訪れる必然性づくり」をテーマにした。
個別戦略では、県中小企業団体中央会下伊那支部の中田教一支部長がヘリを活用した観光、飯田商工会議所の原勉副会頭がカジノ誘致を例にした大胆な発想による誘客を提案。
JAみなみ信州の田内市人組合長は都市部に向けた観光資源として農作物や農村空間を挙げ、「駅周辺に県全体の農産物を集中させた食農の拠点づくりが必要」とした。
人材育成では、伊那谷アグリベーション推進機構の向山孝一機構長が県立高校への観光や調理専門学科の設置を要請。飯田精密機械工業会の野沢稔弘会長は、生活者自身の暮らしの充実も外に向けた発信要素とし、企業や経営者教育の必要性を挙げた。
飯田商工会議所の柴田忠昭会頭や長野県商工会連合会南信州支部の秦和陽児支部長は、産業振興に直結する道路整備をあらためて求めた。