2017年12月16日の記事、長野県道松川インター大鹿線への土砂流入(JR東海発表記録)の続報です。
長野県知事会見録一覧 にはこの事案についての会見記事は出ていません。(2017年12月20日確認)
長野県建設部道路建設課の リニアに関連した道路整備箇所について、
長野県飯田建設事務所の 県道松川インター大鹿線の改良工事について 及び大鹿村の 大鹿村内のリニア工事・道路状況、これらのページはJR東海の復旧計画公表により更新されると思います。
私には長野県政の対応が公式記事からはわかりませんが、地元紙は報じています。
◇ 中川の崩落 リニア関連工事原因 JR「振動で発生」(信濃毎日新聞 2017年12月20日)
◇ リニア関連工事が原因 県道の土砂崩落 JRが復旧計画示す(南信州新聞 2017年12月20日 16時18分)
国土交通省天竜川ダム統合管理事務所(中川村)と県飯田建設事務所は、同村大草の県道松川インター大鹿線で起きた土砂崩落による通行止めに伴い、迂回路にした県道松川大鹿線が万一、土砂崩れや大雪などで通行不能になった場合、緊急車両が小渋ダムの土砂バイパストンネルを通行できるようにする対応策を決めた。国交省によると、緊急車両が土砂バイパストンネルを通行する対応は全国初。
JR東海ニュースリリース 2017.12.19 主要地方道松川インター大鹿線道路への土砂流入の原因及び応急復旧計画について(PDFファイル) を記録しておきます。
東海旅客鉄道株式会社
主要地方道松川インター大鹿線
道路トンネル新設(四徳工区)
工 事 共 同 企 業 体
平成29年12月15日に発生しました、主要地方道松川インター大鹿線道路トンネル新設(四徳工区)工事現場付近における土砂流入事象の原因及び道路の応急復旧計画について、お知らせします。
1.概況
・平成29年12月15日(金)午前3時25分頃、主要地方道松川インター大鹿線道路トンネル新設(四徳工区)工現場付近において、土砂流入が発生しました。
・本事象に伴い、現在も、四徳大橋松川側付近〜松除橋付近(※)まで道路を通行止めにしており、一般車は県道松川大鹿線(県道22号線)に誘導しております。
※松除橋付近:主要地方道松川インター大鹿線終点。県道松川大鹿線(県道22号線)との分岐点
2.施工会社
・主要地方道松川インター大鹿線道路トンネル新設(四徳工区)工事共同企業体(代表構成員 戸田建設株式会社、構成員 吉川建設株式会社)
3.原因
・現在も詳細は調査中ですが、当社が発注し、工事共同企業体が施工している四徳渡トンネル工事の発破等による振動が繰り返し作用したことにより、トンネル直上の地山が緩み、土砂流入に至ったものと考えています。
4.応急復旧計画 ※詳細は別紙
・工事にあたっては、道路をご利用の方や作業員等の安全に万全を期して進めてまいります。
・今後、現在工事を行っている、道路トンネルの掘削を進めて貫通させ、トンネル内の路盤・舗装作業を実施し、年内には、仮回し道路(片側交互通行)として、一般車に通行頂ける状態にしていく計画です。
・その間に主要地方道松川インター大鹿線道路への流入土砂の撤去、法面への追加安全対策、仮土留めの設置等を進めていきます。
・その後、県道を一部開通(片側交互通行)させ、本復旧に向けた作業を進めていきます。
別紙資料は画像として引用しておきます。


JRの古谷佳久担当部長らが飯田市内で会見した。
リニア中央新幹線の南アルプストンネル掘削に伴って多くの工事用車両が走る県道松川インター大鹿線の安全対策として、JRは県道に2本のトンネルを新設する工事を昨年8月から進めている。
JRが土砂崩落の原因と認めたのは、四徳大橋の東側に新設する四徳渡(しとくわたり)トンネル(約1・2キロ)。JRによると、崩落前の15日午前1時40分ごろ、四徳渡トンネル内では火薬による発破掘削が行われていた。
古谷担当部長は崩落の原因について「発破などによる振動が繰り返し作用したことにより、トンネル直上の地山が緩み、土砂流入に至ったと考える」とした。
四徳渡トンネルは残り13メートルの地点まで掘り進んでいる。今後は落石防止のネットを補強したり崩落斜面に残る不安定な土砂を取り除き、トンネル掘削を再開。貫通後はトンネル内外に安全設備を設置し、年内に一般車両が片側交互通行ができるようにする。残りの13メートルに関しては火薬による発破掘削は行わず、機械を使って掘る。
その後は路面をふさぐ300立方メートルの土砂を撤去し、のり面の安全対策を行った後、一般車両の通行をトンネル内の仮道路から県道に切り替える。早ければ来年1月末から2月上旬ごろには県道の片側交互通行を可能にしたいとする。
土砂崩落によって、県道松川インター大鹿線の四徳大橋(中川村)―松除橋(大鹿村)の間約3・4キロが全面通行止めになっている。
掘削中のトンネルは、リニア関連の工事車両などが将来利用する「四徳渡(しとくわたり)トンネル(仮称、高さ約6メートル、幅約9メートル)」。戸田建設を代表とする共同企業体(JV)が施工している。
15日午前1時40分ごろ、東側に掘り進めるため発破作業を実施。作業員が午前3時25分ごろに大きな音を聞き、外に出て土砂崩落を確認したという。
会見したJR東海中央新幹線建設部名古屋建設部の古谷佳久担当部長は、斜面が崩れた場所は発破を行った直上ではなく、掘削してきた方向に10メートルほどずれていたと説明。ただ、前日から4回ほど発破を行っており、「振動が繰り返されて土砂崩落が発生したとみられる」とした。
一方、掘削場所が県道と接する坑口から約13メートルだったため「使った火薬の量は通常より少なくしていた」と説明。工事そのものに問題はなかったとの認識を示し、工事を19日夜に機械掘削で再開し、年内にも貫通させるとした。
会見では、現場付近で全面通行止めになっている県道松川インター大鹿線の復旧についても説明。県道上に崩落した土砂の撤去や防護ネットの設置などを行い、早ければ来年1月末から2月上旬ごろには片側交互通行を可能にしたいとした。
県道松川大鹿線は、下伊那郡松川町生田と大鹿村大河原桶谷の松除橋を結ぶルート。町村境の上峠から大鹿側は幅員が狭く急カーブが連続する。道沿いの斜面は岩肌が露出して落石の懸念や、日当たりの悪い場所では路面凍結なども予想されている。
一方、国交省が管理する小渋ダムの土砂バイパストンネルは、湖内に流入する小渋川からの土砂をダム下流に迂回させ、ダムの寿命を延ばす目的で建設。昨年完成後、増水時には試験運転をしている。延長は大鹿村―松川町間の約4キロ。トンネル出口と県道松川インター大鹿線は河川敷道路でつながっており、ルートは入口、出口ともに今回の通行止め区間を外れている。
同トンネルは、災害など緊急時の県道の不通を考慮し、計画当初から車両の通行を可能にする設計にした。内部は高さ7・2メートル、底幅6・5メートルの馬蹄型。交通に関する設備はない。すでに11月には警察や消防と連携し、緊急輸送路として活用するための実働訓練を済ませている。
天竜川ダム統合管理事務所の國村一郎所長は「われわれとしても万一の場合、地域のために協力したい」と話す。県飯田建設事務所では「国交省の協力で緊急時を想定した対応が実現した。トンネル内は照明等の安全設備がなく、すれ違いが難しいため、一般車両が通行することはできない」としている。
県道松川インター大鹿線の土砂崩れは15日に発生。リニア中央新幹線南アルプストンネルの発生土を運搬する県道改良の一環で、JR東海が掘削を進める「仮称・四徳渡トンネル」のルート上だった。現在中川村四徳大橋―大鹿村松除橋の約3・4キロ区間を全面通行止めにしている。
今回の崩落に伴う迂回路となる国道152号や県道駒ケ根長谷線を県道が開通するまで冬期閉鎖を延期する。