2017年12月23日

静岡県知事記者会見 2017年12月18日:リニア中央新幹線について

静岡県知事記者会見 (2017年12月18日)
(記者)
 今日ですね、リニア中央新幹線の工事をめぐって東京地検特捜部が独占禁止法違反の疑いでですね、建設会社大手の鹿島と清水建設を家宅捜索しました。午後にも大成建設、大林組の家宅捜索するとされています。リニア事業で静岡県内が関係する南アルプストンネルの静岡工区ですとか、導水路トンネルの工事は大成建設さんが受注されました。大きなリニア事業がですね、捜査対象になっている、また静岡県も少なからず関わっています。改めてリニア事業に関してですね、捜査対象になっていることを踏まえて、知事の見解があればお願いします。
(知事)
 リニア事業が捜査対象になったというニュースは驚きました。しかし、今年起こったさまざまな大企業の不祥事といいますか、品質の不正であるとか、自殺に追い込むような人事環境であるとか、そうしたものが日本を代表する企業で起こっておりますね。ですから、氷山の一角かなという感じもしております。
 電通、NHK、神戸製鋼、それから日産ですね。そして今回の、それから東レもそうですね。経済団体連合会の会長さんの会社でしょ。こういうことは、どこかに倫理規範の緩みみたいなものがあるんじゃないかというふうに思います。
 リニアに関しましては、今捜査中ですからこういうコメントは差し控えたいと思いますけれども、とにかくリニア工事は、もし断行されると、毎秒2トンの流量が失われる、そういう推定値が出ているわけですね。これは前提のままでやるということであればですね、水が失われるということですから、これは全量を戻すということで協定に入ってくださいということで、今年の3月に申し入れたわけですね。4月末日までということだったのが、今日に至るまでそんな約束もできないということで、今日に至っていると。そして、場合によってはこういう協定結ばなくても、工事はやる可能性があるっていうような、そういうニュアンスの発言も漏れ聞いているわけでありますけれども。これはモラルの問題というのが、今問われているんではないかというふうに思います。
(記者)
 知事が最後に触れたように、水の問題に今絡めておっしゃっています。その辺のモラルの問題と、ダイレクトにつながらないでしょうけども、いわゆるJR東海さんの姿勢を批判されたという意味合いですか。
(知事)
 そうですね。分からないと乱暴なことになりますね。例えばここに花がなければ、知らなければですね、ばーんと手を振ったら花瓶が壊れるじゃありませんか。分かればそういうことしないでしょ。ですから、認識不足だと、罪に、悪事に結びつくことだってあるわけです。ですから水の問題については、私自身もリニアには当初から大賛成で、長野県の代表ということも一時期ありましたから。リニアの持っているポテンシャルをですね、日本の技術のシンボルだとしてエッセーにも書くぐらい応援していたわけですね。そういう立場でリニアの問題に関心を持ったのが最初です。静岡県を通るというようなことは、これは青天のへきれきでした。もともとは通る県については、JR東海さんは極めて丁寧にご説明をされ、了解を得てルートを決められたんですね。ルートというのは、大きくエス字型に最初から描かれていたわけです。東京からぐーと、名古屋に入ってそこからエス字型で三重の方に下りて、そして大阪に出るという。じゃあ名古屋からですね、三重、奈良そして大阪に至るルートってのは、決まってるでしょうか。決まってません。
 そこを、例えば京都市長さん「俺のとこ通せ」なんておっしゃってるでしょ。ですから決まってないんですよ。同じように、ルートについては静岡を通るということは誰も想定してなかったですね。私も想定していませんでした。だから、長野のどこを通るかということについて、長野県の知事さんをはじめ、当時の、相当なご意見があったわけですが、それが南の静岡をかすめるなどということはですね、長野県とJR東海さんというのは徹底的な議論というか、反発も含めてですけれども、なさっておられました。静岡県は全くありません。ようやく水の問題ということについて、これがいかに重要な問題であるかと、大井川の水の問題は、文字通り100年を超す問題なんですね。農業用水であり、また命の水であり、つい最近完成した大井川用水農業水利事業、これはもうこの19年間だけでも、600億円以上使い、7450ヘクタールの地域をかんがいしたわけですね。この人たちにとっては、これでようやく先祖に申し訳が立つというぐらいの大きなものなんですよ。
 こうしたものについてですね、どれぐらい多くのJR関係者の方が認識をされているかというと、それは他の仕事もされているわけですから、お持ちになっていないと思いますね。しかし、ここは70万の人たちが生活し、それで生きているわけです。こうしたことについての認識をお持ちになると、おのずとそこから出てくる行動があるというふうに思ってます。ですから現状分析について、水の問題を核とした現状分析について、JR東海は十分な認識を持たないまま、今規定路線で進めようとしてされているというふうに思いますが、今回、入札問題で不正があったという疑いが出てきてですね、ちょうど反省するという機会を持たれたと思い、よかったとは思っていますね。
 強引に進めないということになるでしょ。それはよかったと思っています。
(幹事社)他ありませんでしょうか。
記者質問:リニア中央新幹線について、浜松の球場について
【リニア中央新幹線について】
(記者)
 2点伺わせてください。1点目が今のリニアに関してなんですけれども、JR東海さんの方としては協定を結びたい方向ではあるけれども、いつまでも先延ばしにするわけにはいかないということを、柘植社長がおっしゃいました。この協定に関して、なくてもとは具体的に言ってませんが、否定しなかったことについて、知事はどのようにお考えかということです。
 もう1点が別の話なんですが、浜松の球場に関してなんですが、市議会の方が、特別委員会の方が意見がまとまりました。県の方にも来てるかと思いますが、「可能だけれども適地ではない」というようなことをおっしゃっていた方もいます。こうした中で、県としては来年度に向けて、浜松球場、ボールを投げ返されて、こちらからまた投げるという意向があるのか、それともボールがちゃんと投げ返ってきてないというご認識なのか、この辺りを2点伺わせてください。
(知事)
 最初の質問ですけれども、JR東海っていうのは、言ってみれば公共性の非常に高い会社ですね。ですから、利益を上げなくちゃなりませんけども、この交通の幹線を担っている重要な会社として、地元の住民の方との関係を大事にされてきた会社なんですよ。パブリックリレーション、PRも大事にされてきて、私も地球学の世紀というところで20年以上、ウェッジの勉強会にいましたので、JR東海もよく知ってますよ。東日本の方ともお付き合いがありましたので、よく知ってます。
 ですから、高い使命感を持ってらっしゃるんですね。ですから、ともかく工事を遅らせないで、しかるべくきっちりとやりたいというトップとしての気持ちはよくわかります。そのことと、小さなことだっていうふうに思っても、ここはもう踏みつけてしまえっていうふうにはならないということですね。ですから、決して、わずか10キロかもしらんと、しかしこの10キロ、南アルプスの1000メートル以下のところを、1000メートルというのは上からですよ、土被りが1000メートル以上のところを掘るということが持つ悪影響、水に対する影響ですね、これがいかに深刻なものかということについては、慎重であっていただきたいというふうに思ってます。
 もちろん道路を建設するために、工事の車両が入らなくちゃいけないわけです。こうしたことについては、まず市とも協議しなくちゃいけないと思いますよ。まだまだ工事に入れる状況にはないというふうに思っております。取りあえず、やっぱり日本は水の国です。そして、平野が小さい。15パーセントくらいしかないという中で、そこに人々が住まい、かつ産業があり、そして農地があるわけですね。そうした山国として、山の持っている恵みと危険というものとずっと直面してきた国柄であると。

なかんずく大井川というのは上流の方で、発電のために早川町にだいぶ多くの水が取られてるわけです。私は見に行きました。町長さんとも談判をしました。しかし、あの水は取り戻せるような状況ではありません。土管で、二俣のところでだいたい7割くらい取られてますね。そして古い発電所だから、もういらないんじゃないかと思って中身見せてもらったんですよ。そしたら、外は古いんですが、中は入れ替えたばかりで。ですから、これは返してくれとは言えるような筋のものではないということも分かりまして、早川町にとってもこれは死活問題ということでございます。

そうした中で、今あるだけの水をどのように大事にするかということが利水者の、特に農業関係者の、われわれ、小水力発電もやっておりますから、農業用水を使って。極めて重要な問題なんです。これは農水省他、うちの土地改良区、さらにさまざまな利水者がいらっしゃいます。この方たちにとって、成り行きを本当に心配しながら見守ってらっしゃるので、こうした状況はおそらく初めから静岡をかすめるということであれば、相当丁寧な議論があったと思います。

だいたいリニアがやったのも20世紀の末からですから、私は確か2000年くらい、小渕さんの時でしたから、1997、8年の頃ですよ。そのときにもう何十年もやってましたからね。ですから、そのときからどこを通るかということについて、地方自治体と丁寧に話されていたわけですよ。だけど、恐らく静岡県とは皆無だったんじゃないですか。そういう土地の事情っていうのがありますのでね。乱暴なことをなさるような会社じゃないというふうに信じております。
【浜松の球場について】
 それから、野球場の件ですけれども、これはともかく浜松の動きを温かく見守っていきたいというふうに思っております。差し当たってこちらは、浜松市の動きをあつれきがない形で収めていただくようにですね、してくださるのを見守るという態度であります。
(記者) ありがとうございます。
(記者)
 先ほどの浜松市の新球場の構想についてなんですけど、現時点で来年度の当初予算に向けて、県として何らかの予算計上の予定があるか教えてください。
(知事)
 2月から当初予算が始まりますけれども、多分、浜松の方はその後になるんじゃないんでしょうかね。ですから浜松の動きが分かるのが、その後じゃないかと思ってるのがわれわれの立場です。それを見守っていこうというわけです。ですから当初予算に今予算を組む計画はしておりませんね。
(篠原知事戦略監)
 していません。
(知事)
 しておりません。はい。
(篠原知事戦略監)
 今のところはですね。
(知事)
 はい。
記者質問:浜松の球場について、リニア中央新幹線について
【浜松の球場について】
(記者)
 すみません。現時点で浜松の議論というのは知事としては何らかのコンセンサスを、合意を得たものだと捉えているか、どう捉えているか、もう一度教えてもらってもいいでしょうか。
(知事)
 先ほどどなただったかな、記者さんがおっしゃったようなことでですね、「野球場は建てられる。だけどコンセンサスは得られてない」という様に言われているわけでしょ。ですから、どういうふうになさるんですかというのを見守る以外ないですね。これまでと同様です。その点は。
(記者)
 ありがとうございました。
【リニア中央新幹線について】
(記者)
 リニアの話に戻らさせていただいて、知事の一連のご発言は協定書案の協議が進んでいる過程で、ご発言があったと思うんですけれども、今後、知事のご発言の意図も含めてなんですが、今後JR東海さんとの協議、協定書になるかどうかも含めてなんですが、今後の協議のあり方について、知事のご希望、ご意向がもしあればお聞かせください。
(知事)
 そもそも、あそこで水の流量が減るので戻しますよと、必ず戻しますということをですね、頭を下げて、そして協定を結ばせてください、必ず約束を守りますというのが筋でしょ。その反対になってるんですね。しかも、こちらは少なくともトンネルを掘ることによって出てくる湧水、これは全量を戻していただかないと現在の流量を守ることができないと。ですから、それぐらいはお約束してくださいというふうに言って、一応何でもないことだと思われたので、4月末というふうに言われたのが、5月、6月、7月、8月、9月、10月、11月になってですね、そして全量なんて良く分からんとかいうような発言があったりして、一番基礎的な約束すら本当に守る気があるのかということをさすがに利水者の方は、疑ったわけですね。私はそういう声を実は代弁しているわけです。ですから協定がだんだん煮詰まったんじゃなくて、協定の内容は明快です。失われた流量はトンネルの掘削で失われる量全てを戻すと、当たり前のことです。それをしないと、あるいはそれについては、はんこを押せないとおっしゃる、それはおかしいと。それを延ばしてきたということがおかしいということで、決して何か協定について、どんどんどんどん細かな規定が入ってきてですね、というよりも協定は五つか六つぐらいの条項しかありません。一番大切なのは第1条だと思いますけれども、そこでトンネルの掘削によって失われる流量は全て全量戻すという約束ですね。それができないとおっしゃる。分からんとかおっしゃる。これはおかしい。
(記者)
 となりますと、あくまで協定書ベースでの文案に、今おっしゃったようなことが盛り込まれれば基本協定については、結ぶ可能性があると、余地があるという認識で良いでしょうか。
(知事)
 これは企業倫理に係るんじゃないでしょうか。そんなこと当たり前のことですよ。あんたのとこの土地を通ると、でここはちゃんと直しますよと。ちゃんと本当に元通りに直してくださいますね。まあ一応できる限りやるよというふうな感じですね。それは違うと思います。もう、申し訳ないけど通させてくれということじゃないでしょうか。ですからもうこの点はですね、先ほど申しました繰り返しになりますけど、静岡県との関係というのは、あの中央新幹線の小委員会でルートが、うちのルートが入るということが出て来たときから初めて始まったことで、実際は当事者である私自身もですね、長野県の当事者としてはいろいろと考えはあったですけれども、静岡県は通る、じゃあ何とかそれを早く協力してあげようということだったわけですけど、水の問題について僕の認識不足は今の不十分な認識不足に通感するところがあると、JR東海さんのですね。
(記者)
 ありがとうございます。
posted by ictkofu at 21:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 国会・国政
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