2018年01月08日

違法性認識に4社で差、特捜部は捜査態勢を拡充(報道記録)

違法性認識、4社で差 東京地検特捜部、捜査態勢を拡充へ 民間発注、立件にハードル(産経新聞 2018.1.8 05:00)
 リニア中央新幹線建設工事をめぐるゼネコン大手4社による談合事件は、東京地検特捜部の最初の強制捜査から8日で1カ月。大林組が公正取引委員会に談合を認める一方、強く否定する社もあり、4社間で違法性の認識に温度差があることが浮かび上がった。大林組、大成建設、鹿島建設、清水建設の4社間で足並みが乱れる中、特捜部は週明け以降、他の地検から応援検事を得て捜査態勢を拡充する方針とみられる。

恭順組と否定組

 「1社でも公取委に違反を申告したら、たいていは総崩れになるものだ」。検察幹部の一人はこう指摘する。最初に強制捜査を受けた大林組がいち早く、独占禁止法の課徴金減免制度(リーニエンシー)に基づき、公取委に不正な受注調整を申告しているためだ。
 現在、鹿島と大成は、特捜部の調べに、会合などで情報交換した事実は認める一方、不正な受注調整は強く否定しているとされる。
 別の検察幹部は「1社がリーニエンシーすると恭順組と否定組に分かれることが多いが、1社でも認めていれば(立件は)できるだろう」と話す。
 発注元のJR東海は「安全を確保した上で競争原理を働かせつつ、工事費全般のコストダウンを図るよう努めてきた」と説明するが、関係者によると、JR東海が提示した総工費は大手ゼネコン側にとって圧縮された厳しい金額だったという。
 JR東海の元リニア担当幹部(故人)が大成の元幹部に工事に関する情報を伝達。この元幹部が窓口役となって、大林組、鹿島、清水の3社に伝え、各社の利益確保を目的に受注調整を図っていた疑いがある。

調整でほころび

 O、T、K、S。特捜部が大林組関係者から入手した資料には大林組、大成、鹿島、清水を指すとみられるイニシャルと工事名が記されていた。リニア関連工事に受注企業を割り振ったとされる受注予定表も入手しているという。
 特捜部や公取委は受注調整を裏付ける重要な物証とみているもようだが、大成関係者は「受注予定表の通りに(受注企業が)なっていない工事も複数ある。受注調整になっていないのではないか」と疑問視する。
 実際、今回の談合事件では一部で受注調整がうまくいかず、「本命」ではなかったゼネコンが受注するといったほころびも生じていたとみられている。
 例えばリニア名古屋駅新設工事は大成の共同企業体(JV)が受注する予定だったとされるが、JR東海側の意向で大林組JVが逆転受注した可能性がある。
 関係者によると、特捜部はこの名古屋駅新設工事に加え、品川駅新設工事の受注経緯について集中的に捜査しているもようだ。

「何が悪いのか…」

 今後、本格化する捜査について、特捜部経験のある弁護士は「民間発注の談合事件は立件ハードルが高い」とみる。「自治体などが発注する公共工事では、入札方式が法や規則で明確に決まっているため、競争制限しやすく、比較的立件もしやすいが、民間発注の場合は、受注側との間で入札方式などを容易に変更できるため、競争制限しにくい。このため過去に摘発事例も少ない」と指摘する。
 リニア建設には約3兆円の財政投融資も投入されており、民間発注の事業ながら巨額の公的資金が入っていることも特捜部と公取委は重視している。だが、JR東海のある幹部は「再発防止は一生懸命やるが、何が悪いと言われているのか分からない」と吐露する。
 リニア関連工事では未契約の工事も多く、捜査が長引けば、工期への影響もありそうだ。
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タグ:入札不正
posted by ict工夫 at 23:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 工事
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