2018年02月01日

東京地検特捜部の意図は談合摘発だけなのだろうか(報道記録)

リニア談合、割れる認否 地検・公取委「情報交換行き過ぎは競争阻害」(東京新聞 2018年1月31日 朝刊)

 リニア中央新幹線工事を巡る入札談合事件で、大手ゼネコン4社の対応が割れている。関係者によると、4社は発注前に工事の情報を交換していたが、大林組と清水建設が情報交換の過程で独占禁止法に違反したと認め、課徴金減免制度に基づいて申告したのに対し、鹿島と大成建設は争うとみられる。東京地検特捜部と公正取引委員会は「行き過ぎた情報交換は競争を阻害する」として、2社が容疑を認めたことを足がかりに全容解明を進めている。 (山田祐一郎、蜘手美鶴)

 ゼネコン関係者によると、リニア中央新幹線の工事を巡っては、南アルプスを貫く現在のルートが決まり、工事が発注される前から、JR東海と大手ゼネコンが工法などの技術的な意見交換を繰り返してきた。
 「トンネルなどの難工事は、事前に調査をしておかないと見積もりができない」。大手ゼネコン幹部は、発注前からJR東海と意見交換することの重要性を説明する。「何カ月も何年も勉強が必要で、研究していない社がいきなり手を挙げてもできない」と断言。調査や技術提案など「汗をかく」ことで受注につなげることは、業界ではよくあることという。
 発注段階になると、ゼネコン側はJR東海から個別の工事に関する情報を入手し、ゼネコン4社で情報を共有してきたという。鹿島と大成建設の関係者は「技術面での意見交換はしたが、受注企業を決めるなどの受注調整はしていない」として「必要な情報交換」だったと主張。「大手4社で工事を分け合ったのではなく、蓄積のある社が受注した結果だ」と強調する。

 一方、特捜部などは、工区ごとに4社を記号で記した数種類の一覧表を押収。落札予定社を示したものとみられ、受注調整していたことを示す証拠とみる。
 実際の受注結果は、押収された一覧表と一致せず、本命視されていた社が落札できなかったり、複数社が入札して競争になったりしたケースもあった。
 しかし、捜査関係者は「予定通りの受注結果とならなくても、入札参加業者の間で談合の合意形成がなされれば、適正な競争入札が阻害され、違法の疑いがある」と指摘。大林組、清水建設が自主申告した背景には、このことを重くみた可能性がある。
 JR東海によると、リニア工事は26件で契約済み。特捜部などは大林組、清水建設関係者の話を基に、一連の工事のうち、どの程度の範囲で受注調整が行われたかについて解明を進める。

<課徴金減免制度>

 企業が自ら関与した入札談合について、違反内容を公正取引委員会に自主申告すると、課徴金が減免される制度。入札談合の解明を容易にする目的で、2006年1月施行の改正独占禁止法で導入。早期に申告すれば課徴金の減額率が大きくなる。課徴金は原則、大企業の場合、違法行為による売上高の10%。公取委の調査開始前に最初に申告した会社は、課徴金を全額免除されるほか、刑事告発を免れる。調査開始後の申告でも最大3社まで30%減額される。
私は東京地検特捜部・公正取引委員会が動き出した報道を読みながら、こんな事を考えていました・・・

 JR東海がCルートで計画しゼネコンと協働して工事計画が策定されていることを国土交通省は把握していてリニア新幹線事業を審議している委員会にも伝えていた。
 現行法制の下でリニア新幹線事業をこなしていくには、公共事業の縛りを解く必要があることを国土交通省はじめ政府関係省庁は分かっていた。
 全国新幹線鉄道整備法を適用しつつ民間自主事業とすることで法制の縛りが解かれても、地方自治体の全幹法による事業協力は外れないとの政府からの助言により、JR東海は自費建設を独自案として提示した。助言には時期をみて財政投融資で支援できる可能性も示されていたのではないかとも思う。
 環境影響評価準備書に対する国交大臣意見は、国策事業の民間事業化をつくろうために環境省とも連携したガス抜きに過ぎないものであった。

・・・政治行政や土木建設事業に全く知識の無い私ですが、こんな憶測をしながらリニア中央新幹線事業の経過を記録して来たので、東京地検特捜部が事業認可の裏事情を明らかにしてくれるかも知れないと期待しながら報道記事を読んでいました。

リニア中央新幹線事業が始まってしまったからには、最高の技術力により工事が無事に完成することを願うしかありません。その想いもあり少しでも土木建設技術の趨勢を知っておきたいと、「大成建設のトンネル掘削新技術」(2015年06月21日記事)や「西松建設、コアボーリングシステムを山梨県内の山岳トンネル工事で適用」(2015年11月14日記事)などを記録しました。
公共事業であれ民間事業であれ、過去に事例が無いような技術を必要とするなら、発注者だけで計画できるはずが無いのはITと同じだと考えています。
上に述べたようなことは、その意味では批判するべきことでは無いのです、但し、関わる企業には「組織が社会の要請に応えること」という意味のコンプライアンスの精神があり、プロセスには政治家の関与でコンプライアンスが崩れるような状況が無いこと、そして今後の為にも新機軸(技術革新)に対する法制の不備が改められる事を前提として、と付け加えればの話です。
残念ながらこれらについて私には現在の国政を信頼する気持ちはありません。走り出してから考えるのでは遅い、走る前に再考されるべきだったのがリニア中央新幹線事業なのだと私は思っています。

posted by ictkofu at 00:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 国会・国政
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