◇ 中川のリニア関連トンネル工事中断 ブッポウソウ報告受け(信濃毎日新聞 2018年7月14日)
12日夜に開かれた同村リニア対策協議会で、工事現場近くで営巣していた県天然記念物の渡り鳥「ブッポウソウ」がいなくなった―とする報告があったことを受けた一時的措置。JR側は「今後の対応は、県をはじめとする関係機関と相談しながら決めたい」としており、工事の再開時期などは未定だ。
ブッポウソウの保護活動をしている地元の「ブッポウソウの里の会」によると、一帯は1990年以降、ブッポウソウが毎年営巣。今年も5月下旬に2組の営巣を確認したがひなは確認できず、6月20日ごろにはいなくなっていた。通常の年は7月下旬ごろに巣立つという。12日の協議会では、5月下旬から7月下旬の繁殖時期に「何の配慮もされず工事が行われた」との声がメンバーから出ていた。
JR東海は7月2日の現地調査でブッポウソウのつがいが飛んでいるのを確認したが、巣は確認していないとしている。
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四徳渡トンネルの工事は、下伊那郡大鹿村から同郡松川町へと続く県道松川インター大鹿線の改良工事の一環。大鹿村からリニアのトンネル工事の残土運搬での利用が見込まれている。
JR側は、県の公共事業の環境配慮書に基づき、専門家から助言を受けて、ブッポウソウに配慮した工事計画を立てたと説明。繁殖期間中は大きな音を立てる工事を避け、クレーン作業も5月10日以降しておらず、安全上必要な照明は夜中にともしているという。同社は、7月2日の現地調査でブッポウソウのつがいが飛んでいるのを確認したが、巣は確認していないとしている。
協議会でJR側に工事中断を要請した宮下健彦村長は「今後どうするか、ブッポウソウの里の会の話も聞きながら(対応を)進めてほしい」と話している。
◇ 中川村リニア中央新幹線対策協議会
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◇ 長野県飯田建設事務所 県道松川インター大鹿線の改良工事について、リニア中央新幹線南アルプス長野工区(大鹿村)の発生土(残土)を搬出するための道路整備については、このページが全体像を明確に説明しています。
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◇ 中川でブッポウソウ営巣やめる 近くでリニア関連工事(信濃毎日新聞 2018年7月13日)
同会によると、ブッポウソウは、県道松川インター大鹿線の四徳(しとく)大橋付近で1990年以降、毎年営巣している。今年も2組のつがいが営巣を始めたが、6月20日ごろにいなくなっているのを確認。これまでに巣を放棄したことはないという。
JR東海は四徳大橋近くで、四徳渡(しとくわたり)トンネルなどの新設工事をしている。同会メンバーは、12日の協議会で「繁殖の大事な時期に何の配慮もされず、クレーンが動いていた」と指摘。付近では夜間も照明がずっとついていたとの発言もあった。JR側は「極力配慮したつもりだった」と釈明した。
宮下村長は「工事を止め、早急に関係者で協議を持ってほしい」と要請。協議会後の取材には、県にも積極的な対応を求めた。
JR東海は2014年に公表した環境影響評価書で、ブッポウソウについて「必要に応じて環境保全を検討する」などとしていた。