2018年09月14日

静岡県でJR東海工事の付帯施設着工が許可された

タイトルは着工許可と書きましたが、トンネル工事では無く宿舎建設などの工事です。トンネル着工については大井川減水問題の解消について未解決なので静岡県政は着工を未だ認めていません。
・中央新幹線南アルプス新設(静岡工区)工事
・静岡県導水路トンネル新設工事
すなわち中央新幹線南アルプス新設(トンネル工事)とそれにより発生が予測され環境影響評価書に記載された大井川減水問題を解決するための導水路トンネル新設工事には着工できない状況です。

尚、導水路トンネル新設案は認可された後で大井川減水対策として提案されたもので環境影響評価書に記述はありません。静岡県とJR東海で構成された審議会で検討を重ねてきたものですが静岡県が承認しJR東海も認めた最終解決策は確定していません。

JR東海による導水路トンネル計画はそのトンネル出口から下流の対策であり、上流自然環境への対策になっていないことや、公式発表資料を私は未見ですが、上流で取水している中部電力、東京電力の水力発電事業との関係なども考慮されているからと思えます。

本線トンネル及び導水路工事の準備として作業員宿舎などの工事をするために、静岡市に林道の通行許可を求め許可されたのが今回の事案です。これに関係して下記2点がJR東海サイトで公開されました。

JR東海が 静岡県内中央新幹線建設工事に伴う宿舎等工事における環境保全について〔・中央新幹線南アルプス新設(静岡工区)工事・静岡県導水路トンネル新設工事〕 これを「工事の安全・環境の保全・地域との連携 静岡県」で広報しました。そのページからリンクされている記事本文はPDFファイルで 96ページ(2018.09.12 作成) 15,554 KBです。

事後調査・モニタリング ページの 「事後調査報告書」に 事後調査報告書(平成30年9月)宿舎工事着手前 が広報されています。 この報告書はPDFファイルへの直接リンクです。30ページ(2018年8月21日作成、9月5日更新) 5,922 KBです。

この事後調査報告書はページに記載されているようにJR東海が 静岡県環境影響評価条例 第45条第2項 に基づき提出したものです。
第45条 法対象事業者は、前条第1項の意見を勘案し、法対象事業事後調査計画書の記載事項に検討を加え、その結果に基づき調査を行わなければならない。
 2 法対象事業者は、前項の調査を行ったときは、その結果を記載した報告書(以下「法対象事業事後調査報告書」という。)を作成し、知事及び法対象事業関係市町村長に送付しなければならない。
 3 知事は、法対象事業事後調査報告書の送付を受けたときは、これを公表するものとする。

【例規集 ⇒ 第9編 生活・文化 ⇒ 第5章 環境 を開き「次の20件」で次頁を開けば当該例規があります。「ログイン」は単にクリックするだけです。】

私の想定に過ぎませんが、工事に着手もしていない段階で「事後調査報告書」が静岡県条例に基づいて提出された事に大井川問題が解決困難なこと、ひいては全幹法によって中央新幹線事業を認可した国土交通大臣の誤りを考えています。

【参考】
大井川導水路トンネル工事契約
 請負業者は、静岡県内導水路トンネル新設工事共同企業体(大成建設株式会社・佐藤工業株式会社・大豊建設株式会社)契約締結日は 2017年10月17日、工期は 契約締結の翌日から2024年4月30日
南アルプストンネル新設(静岡工区)工事契約
 請負業者は、中央新幹線南アルプストンネル新設(静岡工区)工事共同企業体(大成建設株式会社・佐藤工業株式会社)契約締結日は 2017年11月15日、工期は 契約締結の翌日から2026年11月30日まで

◇ 静岡市サイトで 南アルプスユネスコエコパーク | 静岡市南アルプスユネスコエコパークにおける林道の管理に関する条例
『南アルプスがユネスコエコパークに登録されたことにより、南アルプスの林道は、地域の重要な交通基盤として、林道本来の目的である林業の振興と森林の多面的機能の保全に加え、自然環境の保全、地域社会の発展に資することが求められるようになりました。』 として条例の主旨などを解説しているページ、PDFファイルに編集した条例にもリンクされています。

静岡市例規集、このサイトから五十音「み」を開くと条例を確認できます。データベースから呼び出し・表示するサイトなので当該条例ページは存在せず直接リンクすることはできません。

リニア静岡工区準備工事 18日着工へ(静岡朝日テレビ 2018/9/14 20:08 Yahoo!ニュース配信)
品川〜名古屋間で唯一着工できずにいるリニア新幹線の静岡工区で、JR東海は来週18日に作業員の宿舎建設などの工事に踏み切ることを明らかにした。南アルプスにトンネルを建設するリニア新幹線の静岡工区を巡っては、大井川の水量減少対策でJR東海と川勝知事・利水者の対立が続いている。JR東海は本工事のための準備工事を行うのに必要な林道の通行許可の申請をきのう静岡市に行い、きょうこれが許可された。JR東海は来週18日から作業員の宿舎建設を開始するという。宿舎は南アルプスの西俣、千石、椹島の3カ所で、2020年の完成を予定している。
9月18日にリニア準備工事開始 JR東海 作業員宿舎建設(SBS 静岡放送 2018/9/14 19:07 Yahoo!ニュース配信)
 県内でもついに始まります。JR東海は9月14日、リニア中央新幹線の工事に伴って、9月18日から作業員宿舎の工事に着手することを明らかにしました。
 JR東海は14日、リニア中央新幹線の工事に伴う周辺環境への影響を調査した報告書を県と静岡市に提出し、椹島の作業員宿舎の工事に18日から着手すると報告しました。椹島の宿舎工事は2020年の中頃までかかるとみられ、宿舎はこのほか西俣と千石にも建てる予定です。
 宿舎工事はリニアの本体工事に向けた「準備工事」の位置づけで、JR東海は本体工事に向けて「引き続き大井川の利水者の理解を得たい」と説明しています。県はこれを受けてJR東海の調査報告書を県のホームページで公開し、10月14日まで県民の意見を募集します。
JR東海、リニア作業員宿舎の建設着手(2018/9/14 22:00 日本経済新聞 南関東・静岡版)
 JR東海は14日、リニア中央新幹線の南アルプストンネル静岡工区について、作業員の宿舎の建設工事を18日から始めると発表した。同社は14日、静岡県と静岡市に宿舎工事に関する環境影響評価の事後調査報告書と環境保全措置計画も提出した。トンネル着工に向けた準備工事に本格的に着手する。
(中略)
 静岡市から14日、宿舎建設現場に向かう林道東俣線の使用許可を受けた。宿舎3カ所のうち、まず椹島地区で18日から順次、事務所看板の設置などを行い、工事を進める。西俣、千石の2地区の宿舎は19年春、椹島は20年夏の完成を見込む。  報告書では宿舎工事での保全措置効果に不確実性がある植物2種について生育状況を調査したところ、変化はなかったとして、引き続き経過観察するとしている。環境保全措置としては、施設計画地を重要な動植物の生息地から回避するなどの方針や、騒音・大気汚染対策を明記。県は報告書の提出を受け、10月14日まで県民から意見を募る。
 静岡県中央新幹線対策本部長を務める難波喬司副知事は14日、コメントを発表し、「宿舎工事は大きな土地の改変を伴わず、環境への影響は極めて軽微」と指摘。その上で、大井川水系の水量減問題を巡り、トンネル湧水の全量回復について「誠意ある対応をお願いする」とした。
○静岡市南アルプスユネスコエコパークにおける林道の管理に関する条例 平成26年12月12日 条例第138号 (目的) 第1条 この条例は、南アルプスが国際連合教育科学文化機関が実施する生物圏保存地域に登録されたことを踏まえ、当該登録に係る南アルプス生物圏保存地域(以下「南アルプスユネスコエコパーク」という。)の森林の有する多面的機能が持続的に発揮されることの重要性に鑑み、南アルプスユネスコエコパークに存する林道について、静岡市法定外公共物管理条例(平成15年静岡市条例第252号)に定めるもののほか、その管理又は通行に関し必要な事項を定めることにより、林道の機能の保全及びその通行の安全を図るとともに、環境と調和した健全な林道の利用を確保し、もって林業の振興、林道周辺の森林の有する多面的機能及び自然環境の保全並びに地域社会の発展に資することを目的とする。 (定義) 第2条 この条例において「林道」とは、森林の適正な整備及び保全を図る目的で設置された道路(道路法(昭和27年法律第180号)第3条に規定する道路を除く。)並びにこれに附属する工作物、物件及び施設で、南アルプスユネスコエコパークに存するもののうち、市長が管理するものをいう。 (林道の通行許可) 第3条 林道を通行しようとする者は、あらかじめ市長の許可を受けなければならない。ただし、次の各号のいずれかに該当するときは、この限りでない。 (1) 林産物の搬出若しくは造林、間伐、伐採等の森林施業又は農作業のために通行するとき。 (2) 当該林道の沿線に居住する住民及びその関係者が、当該住民の日常生活のために通行するとき。 (3) 登山、ハイキング、散策、公共施設の利用等のレクリエーションのために通行するとき。 (4) 徒歩又は軽車両により通行するとき。 (5) 前各号に掲げるもののほか、市長が特に必要があると認めるとき。 2 市長が指定する路線については、前項第1号から第3号までの規定は、適用しない。 3 市長は、第1項の許可の際、林道の管理上必要な条件を付することができる。 (通行の不許可) 第4条 市長は、前条第1項の規定による許可の申請に係る林道の通行が次の各号のいずれかに該当するときは、これを許可しないことができる。 (1) 林産物の搬出若しくは造林、間伐、伐採等の森林施業又は農作業のための通行に支障を及ぼすおそれがあるとき。 (2) 林道を損傷し、若しくは汚損し、又は林道の通行に危険を及ぼすおそれがあるとき。 (3) 林道の設置目的に反し、不適切であると認められるとき。 (4) 林道周辺の自然環境の保全に支障を及ぼすおそれがあるとき。 (林道の通行者の責務) 第5条 林道を通行する者は、この条例に定める事項及び標識等の指示事項を遵守し、森林の適正な整備及び保全を図る目的で通行する者を優先し、林道の機能及び林道周辺の自然環境の保全並びに交通の安全に留意して通行しなければならない。 (危険防止の指示) 第6条 市長は、林道の沿線にある土石(砂を含む。以下同じ。)、竹木、工作物等が林道を損傷し、若しくは汚損し、又は林道の通行に支障を及ぼすおそれがあるときは、その所有者又は管理者に対し、必要な措置を講ずるよう指示することができる。 (禁止行為) 第7条 何人も、林道に関し、次に掲げる行為をしてはならない。 (1) 林道を損傷し、又は汚損すること。 (2) 林道に土石、竹木及びごみ、ふん尿、鳥獣の死体その他の汚物若しくは廃物を投棄し、又は堆積すること。 (3) 林道周辺の自然環境の保全に支障を及ぼすおそれのある行為をすること。 (4) 前3号に掲げるもののほか、林道の設置目的、機能等に支障を及ぼすおそれのある行為をすること。 (通行規制の実施及び解除) 第8条 市長は、次の各号のいずれかに該当し、林道の適切な維持管理又は通行の安全を確保するため必要があると認めるときは、路線及び区間を定めてその通行の禁止又は制限(以下「通行規制」という。)をすることができる。 (1) 林道が破損し、若しくは決壊し、又はそのおそれがあるとき。 (2) 林道に関する工事が行われているとき。 (3) 大雨、濃霧、積雪、路面の凍結等の異常気象が発生し、又はそのおそれがあるとき。 (4) 崩土、落石、倒木等を伴う自然災害が発生し、又はそのおそれがあるとき。 (5) 前各号に掲げるもののほか、市長が通行規制の必要があると認めるとき。 2 市長は、前項の規定により林道の通行規制をしようとするときは、あらかじめその旨を標識による表示、広報その他の方法により市民に周知するものとする。ただし、緊急に通行規制をする必要があるときは、当該周知の措置は、通行規制の実施後に行うことができる。 3 市長は、第1項の規定により通行規制をした林道について通行規制の必要がなくなったときは、速やかに当該通行規制を解除するものとする。この場合において、市長は、併せてその旨を広報その他の方法により市民に周知するものとする。 (許可の取消し等) 第9条 第3条第1項の規定により許可を受けた者が、次の各号のいずれかに該当するときは、市長は、その許可を取り消し、又は林道の通行を禁止し、若しくは原状回復等必要な措置を命ずることができる。 (1) 虚偽又は不正な手段により許可を受けたとき。 (2) 第3条第3項の規定により許可に付された条件に違反するとき。 (3) 林道の通行が第4条各号のいずれかに該当するとき。 (4) 第7条各号に掲げる行為をしたとき。 (5) 前各号に掲げるもののほか、市長が必要があると認めるとき。 (違反に対する措置) 第10条 市長は、この条例に違反した者に対し、林道の通行を禁止することができる。 (損害賠償) 第11条 林道を損傷し、又は滅失した者は、その損害を賠償しなければならない。 (委任) 第12条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。 附 則 この条例は、公布の日から施行する。
posted by ictkofu at 23:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 静岡県
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