◇ リニア準備工事開始 JR東海が反論「事前連絡した」(静岡新聞 2018/9/18 22:59 Yahoo!ニュース配信)
同社は「13日に静岡県の窓口の環境局と交通基盤部に『18日に宿舎工事に着手する』と報告した。事前に県側に準備工事を伝えている」とした。同社は14日に準備工事着手を正式発表した。
下の記事が配信された8時間後、Yahoo!ニュース配信記事が上の記事です。
同社は「13日に静岡県の窓口の環境局と交通基盤部に『18日に宿舎工事に着手する』と報告した。事前に県側に準備工事を伝えている」とした。
・・・全く曖昧な内容でジャーナリズムの記事とは思えない。
報告したのは文書なのか電話なのか、文書なら宛先は静岡県知事になっていたか、それは正本か複写か。
正本が届いたなら、知事が知らなかったのは正本を知事に届けなかった部署の責任であり、両部署とも複写を受けとったなら、正本は何処に届けたかという問題になる。
もし両部署に電話連絡しただけなら、県条例に基づいて処理されている事案の実行連絡を電話でしかしなかった企業の姿勢は糾弾されるのが当然である。
「緊急なのでご担当部署にご連絡します、知事にお伝えください」の一言があったかどうかもポイントなのだ。こんな事は公務員でも普通の会社員でも仕事していれば分かること。
静岡県環境局と交通基盤部は、どのような連絡だったのかをそれぞれ県民に説明すべきであり、それも報道されるべきである。
リニア中央新幹線事業でこれまでも民間企業の説明不足を指弾する意見は地域住民から出ていたが、今回の事案は民間企業が自治体行政に叩きつけた挑戦状に等しいものだ。
◇ リニア準備工事着手 JR東海、静岡市に作業員宿舎(静岡新聞 2018/9/18 14:06)
(中略)
静岡工区は大井川の流量減少問題を巡るJR東海と地元との対立が影響し、沿線7都県で唯一の未着工区間となっている。同社は毎秒2トンと推定した減少量のうち、トンネル工事で発生した湧水1・3トンを導水路管で大井川に回復させ、残りは必要に応じて戻す対策を提案しているが、県や利水者はトンネル湧水全量を常時大井川に戻すよう求めて膠着(こうちゃく)状態が続いている。法的には本体工事に県や利水者の同意は必要ないため、JR東海は同意なしでの着工にも含みを持たせている。
後述しましたが、日本経済新聞 南関東・静岡版 2018/9/14 は、「静岡県と静岡市に宿舎工事に関する環境影響評価の事後調査報告書と環境保全措置計画も提出した。」と書いていましたが、静岡新聞 2018/9/15 では 「県環境影響評価条例に基づき、準備工事に関する事後調査報告書を県と静岡市に提出。」としか書かれていないと思えます。
地元紙を読んだだけの県民の方々には的確な情報が伝わっていないことになります。内容としては事後調査報告よりも環境保全文書が意見提出には役に立つと思います。
◇ リニア新幹線 関連工事に着手(NHK静岡 2018年09月18日 19時00分)
リニア中央新幹線の整備に関連する工事が行われるのは、静岡県内では初めてです。
JR東海では、静岡市葵区の▼西俣▼千石、それに▼椹島の3か所にリニア中央新幹線の建設工事に携わる作業員が最大750人宿泊できる宿舎を整備する計画で、18日は、このうち椹島で工事が始まりました。
工事は非公開で、JR東海によりますと、18日昼過ぎから、作業員16人が工事用の看板を設置したり、トラック3台でプレハブを運び込んだりしたということです。
(中略)
リニア中央新幹線をめぐっては、本体のトンネル工事について、近くを流れる大井川の水量が減るおそれがあるとして、流域の自治体などから懸念する声が出ています。
これについてJR東海は「JRの環境保全措置を理解していただくようつとめていく」と話しています。
JR東海がリニア中央新幹線の準備工事を始めたことを受けて、建設に反対する市民団体は「十分な議論が行われていない」などとして、県に対して工事の中止や延期をJR東海に要請するよう申し入れました。
申し入れを行ったのは、リニア中央新幹線の建設に反対する静岡市の市民団体「南アルプスとリニアを考える市民ネットワーク静岡」です。
申し入れでは、JR東海が9月14日に発表した宿舎建設に関わる環境への影響評価について、県民や専門家から広く意見を聞くことや、宿舎の建設現場に通じる林道の通行を許可した静岡市の田辺市長に対してどのような審査を行ったのか聞き取りをすることなどを求めていて、これらの手続きが終わり内容が県民に明らかにされるまで、すべての工事の中止や延期をJR東海に要請するよう訴えています。
◇ JR東海がリニア準備工事に着手、市民団体が反発(朝日新聞 2018年9月19日03時00分)
(中略)
一方、リニア工事に反対する市民団体からは、トンネル工事に反対しながら準備工事は容認する県の姿勢に不満の声が上がった。「南アルプスとリニアを考える市民ネットワーク静岡」は同日、川勝知事宛てに準備工事の中止を求める申入書を提出。共同代表の松谷清・静岡市議は「準備工事の後には本体(トンネル)工事が待っている」と指摘した。

◇ 静岡でリニア準備工事始まる トンネル建設の事務所設営(産経新聞静岡版 2018.9.19 07:07)
(中略)
同社では、トンネル本体の工事に先駆けて、2年後までに椹島地区など3カ所に各250人収容の作業員用宿舎を建設する。工事は平日午前8時〜午後5時の間に行われる。
川勝平太知事はこの日、記者団の取材に「私たちが問題にしているのは、南アルプスにトンネルを掘ると大井川の水が減少すること。それはとても心配している。工事は誠意ある形にしてもらわないと周りの非難を浴びる」と述べた。
リニア新幹線は9年後の開業を目指しているが、県内工区では大井川の水量減少問題などで地元との調整が遅れ、本体工事に着手できない状況が続いている。
ちなみに今回の事案は8月初めに新聞報道が伝えていました・・・リニア準備工開始、作業員宿舎8月末から着手 JR東海(静岡新聞 2018/8/8 07:40)
(以下略)