2018年10月13日

松川町のガイドウェイ製作ヤード用地を断念(報道記録)

リニア ガイドウェイ製作・保管の作業場 松川町、候補地を断念(信濃毎日新聞 2018年10月13日)

 下伊那郡松川町がリニア中央新幹線の「ガイドウェイ」の製作・保管ヤード(作業場)の候補地としていた上片桐の農地が、農業振興地域から除外できない見通しとなっていた問題で、町は(2018年10月)12日夜に開いた地権者らが対象の会合で、候補地とすることを断念したと明らかにした。深津徹町長は席上、「深くおわびを申し上げる」と陳謝した。
 町は2016年、鉄道のレール部分に当たる構造物ガイドウェイのヤードに上片桐の農地が活用できるとして県に情報提供し、JR東海と協議を進めてきた。町産業観光課によると、当初は農振除外が可能な「第2種農地」と認識していたが、県などとの協議の中で、生産性の高い「第1種農地」に区分され、農振除外が困難だと判明したという。
(以下略)
 会合には地権者ら22人が出席。町は「法律のハードルを越えるのは難しく、これが最終判断」と説明。農振除外ができる可能性がある農村産業法や地域未来投資促進法の適用についても、現時点では難しいとの考えを示した。
 一方、町は、ガイドウェイヤード撤去後に進めるとしていた企業団地の構想については、引き続き進めたい考えを示した。出席者からは「農業をしていいのかどうか中ぶらりんの状態。早く結論を出してほしい」などと厳しい意見が相次いだ。
 JRはこれまでの町との協議で、ヤードを造成する場合、リニア工事で発生する残土を使うことを条件としていた。町によると、残土量は約20万立方メートルだった。JRは取材に「町が企業団地として計画している土地の造成に発生土(残土)を活用していただくよう、引き続き協議させていただく」とした。

2017年08月10日 「長野県松川町で盛土してガイドウェイ製造工場設置の計画、発生土を活用する」、この件の最初の記事です。

長野県担当部局からJR東海に伝わったというのですから、この時にその担当部署が当該用地について農振一種を確認していなかった事になります。長野県政の中でも情報交換・共有がされていないケースがあるのかと、ちょっとガッカリしましたが、以下のような想定も可能かと・・・・

先の信濃毎日新聞記事では・・・
 『町は、自前で企業団地の用地造成などをする場合、約3億8千万円が必要と試算していたため、用地造成費が減れば分譲価格を抑えられるとしている。用地には傾斜があり、盛り土のために多量の土が必要になると元々見込まれていた。』
 『(2017年8月)8日夜の説明会で町は、持ち込む残土量が20万立方メートル以上に上るとの条件は明示しなかった。20万立方メートルは、7ヘクタールに均一に盛ったとすると単純計算で高さ3メートル近くにもなることから、説明会後にこの条件を知った出席者の1人は「景観や住民生活にも影響を与えかねない。なぜ説明しなかったのか」と町の対応に疑問を呈した。町は取材に対し「段階的に話を進めるつもりだった」と説明した。』

2017年8月までは企業団地に切り替えられる農地だったのです。そこに臨時のリニア部品製造ヤードを造る計画が出てきた。
リニア発生土(残土)処理に悩む長野県政としては、「松川インター企業団地」用地に盛土が必要なら、ガイドウェイ製造ヤードに臨時提供するより、リニア発生土の置き場として建設発生土という名称の通り活用するのが有効と判断したかも知れない、だから農振1種を明確にしたか?と考えることもできます。
農振1種の農地が企業団地に切り替えられる計画があるのですから、それには「地域未来投資促進法」が適用可能という事になり、リニア発生土置き場とすることは、その事業の一環だという事になります。企業団地として売り出し広報をしていますが、現状は農地ですね。

松川インター企業団地
| 松川町の企業分譲用地へのアクセス(記事中リンクされている「関連書類」の「松川インター企業団地のチラシ」が下記PDFファイルです)
松川町企業立地ガイド(2011.06.07 PDFファイル 772 KB)

「松川町企業立地ガイド」から引用
松川インター企業団地
posted by ict工夫 at 14:56| 工事