2019年03月04日

山梨県リニア中央新幹線関連事業のこれからは

私の記事 「山梨県新知事、長崎幸太郎氏のリニア中央新幹線関連の事業構想」(2019年01月30日) にコメントを戴いたのでレスを書きました。今後の記事の予稿みたいな内容になってしまいましたが、自分の覚えの為に記事にしておきます。

県政が進めたリニア駅周辺地域活性化計画には3つのポイントがあると思っています。
 1.甲府市、昭和町、中央市を一体化して観る都市計画
 2.リニア中央新幹線山梨県駅の停車頻度と予約制
 3.山梨県駅と県内各地を結ぶ交通の利便性

1.コンパクト・シティに関する問題ですし、人口減少と財政問題で、いずれ合併構想が出てくるかも知れません、山梨県甲府市は2019年4月1日に特例市から中核市になりますが人口は少ない。(編注1

2.山梨県駅利用客数と予約制の問題です。利用者数を1時間2本(片道)に変更した予測値が県庁から出ましたが根拠は疑問です。
JR中央線が特急予約制になったことで予約制リニアのテストになるように思えます。鉄道利用にもスマホを使いこなす技が必要な時代になりました。(編注2

3.駅が現在計画地なら現状ではバス交通の利便性確保しかありません。
 JR東海のリニア計画が分かった時、身延線がありながら何故離れた場所に駅なのかと思い、中間駅は地域の要求で置くだけの通過駅に過ぎないからだと私は理解したのです。
東京〜名古屋〜大阪を短時間で結ぶためのリニアであり、停車頻度もそれにより決まった、だから駅周辺開発など無駄だと。
国土交通大臣はそれを踏まえて認可し、沿線地域をなだめる為にスーパーメガリージョン構想を打ち出したが、本質は3都市一体化に過ぎない。(編注3)

長崎知事が身延線近接地に駅を置くという策を打ち出された事は、おそらく国土交通省・JR東海とその話が始まっているからかも知れません。(編注4)
しかし、それにより山梨県駅停車回数が増えるかどうかは未知の問題です。
駅が無くて南アルプスと大井川への影響だけの静岡県問題がありますのでJR東海が静岡県サービスとしても身延線運行と一体化した山梨県駅停車を考慮するかどうかは全くわかりません。

私は長崎知事構想の成行きに注意しながらリニア中央新幹線事業を見ていきたいと思っています。

上記3点では言及していませんが、山梨県内はじめ沿線各地の環境影響問題などは全く別な話です。
工事期間10年間我慢すれば済む事と、その間に発生するかも知れない事故と、リニア開通後も軌道近接地域で生活を続けられるだろうかと思えるような問題とがあるのです。
そして、リニアは見るだけ乗るだけで現状工事問題に無関心な方々も、自分や家族が乗った時に安全なのかと考えて、色々出ている情報を確認してみることは最も大切なことです。

(編注1)中核市への移行について(甲府市公式サイト特集ページ)
(編注2)JR東日本3月のダイヤ改正は見直さず、2月5日の社長記者会見(私のgooブログ記事)
(編注3)「国土のグランドデザイン2050」との関係(スーパーメガリージョンについて私のWebサイト記事です)
(編注4)知事JR東海社長と面会/先月末 リニア中間駅位置「確認中」(2019年3月7日 読売新聞山梨版)思いがけず読売新聞記事が出ましたので追記しておきます。2月26日にJR東海の金子社長が、就任された長崎知事への挨拶として県庁を訪れ面会されたとのことです。

上記末尾に付記したことから具体的には以下のような事があります

◇早川芦安連絡道路建設計画 (リニア中央新幹線工事発生土の処理で建設されている山梨県事業です。進捗状況の広報が明確とは思えません。)

◇リニアの見える化と騒音問題 (実験線から南アルプストンネルまでの県内区間は高架橋で市街地も通過します。)

◇工事発生土の処理 (早川町での置き場、仮置き場についてはJR東海が公表していますが、県内各地で計画されている発生土処理について情報の所在が不明です。)

◇リニア山梨県駅計画地の変更 (西にズレて身延線近傍になったとき、現在地計画で予定された発生土による埋め立て計画はどのように変わるか。それにより山梨県内発生土処理予定に変更は無いのか。)

◇事業情報の公開 (リニア中央新幹線事業の進捗状況については県政からの的確随時の広報が無い状況と思えます。県民への情報提供について長崎知事県政はどのように改善していくか。)

その他諸々の事を含めて、長崎知事の施策を拝読して考察を続けたいと思っています。山梨県政が沿線他都県の状況を確認して自県の事業計画との整合性にはどのように配慮しているかも重要なポイントです。
posted by ict工夫 at 23:00| 山梨県