平成28_2016年度 南アルプス環境調査の概要(静岡市 2017年7月31日公開)から引用・・・(文中強調は編者)
水資源調査(担当:環境創造課)
南アルプスの水循環モデルを構築し、トンネル掘削による表流水、地下水への影響を予測しました。
(1)調査項目:現況モデル、工事後モデル
(2)調査地点:南アルプス主要部(中央新幹線建設事業 早川〜小渋川間トンネル約25km含む)
(3)調査結果:平成26_2014年度に実施した水資源調査の結果に、斜杭、先進導杭、導水路トンネル等の新たな情報を加え再解析を行いました。その結果、トンネル掘削による湧水量は、毎秒約1.6tと予想され、導水路トンネルを建設したとしても、毎秒 1t 以上の湧水が 山梨県側に流失する可能性がある ことが判明しました。

(静岡市区間の本坑・先進坑と非常口の湧水量の内、導水路への自然流入量は約30%。湧水量は予想される範囲で最大値に近い値。)
※図20 は、第2回大井川水資源検討委員会資料P25-26 を参考に、静岡市独自でトンネル内の湧水量及び流水方向を予測して作成したものである。
【編注・JR東海設置の委員会です・第2回大井川水資源検討委員会資料(PDFファイル 3,752 KB)】
以上、山梨県政は既に承知されていて、先日のリニア早川非常口、先進坑公開イベントで報じられた毎分1.5トンの湧水処理と共に、対応施策は計画済みと思います。6月梅雨時の早川では 50㎥/秒以上のデータもあるようですから、早川に流れ込むなら問題無し。但し水質検査だけは別問題かもしれません。
私はたまたま静岡市サイトを確認している時に気付きました・・・『静岡市では、南アルプスユネスコエコパーク地域内で計画されている中央新幹線建設事業の工事実施にあたり、現在の自然環境の状況等を調査しました。』・・ここでも先日記事にした長野県喬木村と同様、Before と After の行政スタンスが見受けられます。
山梨県ではリニアとエコパークの関係は特に問題にもなっていないようですが、トンネル湧水が毎秒1トンこちらに流れ込む予測にビックリしたので、情報共有として記事にしておきます。
トンネル湧水処理については、県庁担当部署も県内関連企業も熟達されていると思いますので、今更何だという話かも知れません。東京電力の田代ダム・発電所が影響を受けるらしいので山梨県にも関係するかも知れませんが・・・
大井川減水問題の解決が未定の段階でJR東海はアルプス山系静岡工区の非常口で準備工事を始めている、鉄筋コンクリートの橋も出来ているとの情報も読みました・・・但しこの場所は企業(特種東海製紙)の所有地でJR東海とも協力しているようなので問題無いのかも知れません、河川の橋については河川法に基づく認可を得たものかとは思えますが、その確認は私には困難です。
とにかく、リニア中央新幹線事業というのは私のような素人には全貌を把握するのが実に困難です。今回も偶然の経過で学習することができました、ネットに感謝です。