2020年2月24日(月、祝日)、山梨県ではじめてのリニア建設反対のデモ行動が行われた。主催は、「リニアはいらな い!2.24 統一行動実行委員会」で、県内のリニアの運動団体のほか、環境保護団体、女性団体、政党などの関係者が中心になって計画がすすめられた。
当日は 10 時 30 分に甲府市総合市民会館に集合、沿線住民や関係者からの発言があったあと、11 時頃にJR東海の山梨工事事務所(甲府市南口町)に向けて、デモ行進した。参加者は 100 名を超え、狭い道路のため長い列を作って進んだ。 「リニアはいらない」「南アルプスにトンネルを掘るな」などのシュプレヒコールをくり返しながら、途中で県外からの参加者などから発言もあった。11 時 45 分頃事務所に全員が到着、JR東海が休日であることを理由に抗議文の受け取りを拒否したので、それを読み上げた上で、解散した。
当日は好天にも恵まれ、参加者も多かったので、初回のデモとしては成功と言ってよいだろう。(川村記)
以下に当日読み上げた抗議文を掲載します。
リニアが通れば便利になる、リニアが通ればお金が儲かる、ただそれだけが絶対善で、いったいリニアが通れば私たちは何を失うのか、それを少しも考えようとしません。
それにしても今日に至るまでのJR東海の事業の進め方に、私たちは呆れ返り憤ってい ます。全長286kmの環境アセスは、荘厳な南アルプスにトンネルを掘るという大自然 破壊に何の配慮もなく、わずか3年間で終ってしまいました。その結果アセスはアセス史上最悪のものと評価されるまことに酷いものになりました。そしてそうした杜撰なアセスの結果が、いまJR東海が直面している残土処分地の不足、大井川の水問題のこじれを惹き起こし、工事を進める上で大きな障害になっています。杜撰なアセスのツケがまわり始めたのです。
一方沿線住民に対する説明も、一見丁寧さを装いながら、実態は住民の声に耳を傾けようとしません。また住民に必要な情報を出さないために住民の怒りと反発は増すばかりです。しかもJR東海の住民に対する態度は、高圧的で傍若無人そのもので、ただ一つ低姿勢になるのは、土地の売買対象の住民に無理を言う時くらいではないでしょうか。
こうしたJR東海のやり方に、国は口をつぐんで黙認し、県はその手先となって用地収用のため奔走し、住民は孤立を深めるばかりです。たとえば騒音の問題一つとっても、騒音レベルの低減を願う住民の要望を無視し、JR東海の側に立つような山梨県の振舞は、決して住民の福祉を重視する自治体とは言えないでしょう。
またJR東海は、リニア新幹線を自社費用で造ると公言しながら、10年もたたぬうちに財政投融資によって3兆円の公金を手にし、また沿線自治体の公費投入を当然とし、半ば公共事業として工事をすすめています。杜撰なアセス、約束違反、住民騙し、等々の数々の不正を重ねながら、JR東海はリニア工事を続行しようとしています。
私たちは声を大にして訴えます。
JR東海は住民の声を聞け!
JR東海は南アルプスにトンネルを掘るな!
JR東海は財投3兆円を国に返せ!
そして何より
JR東海はリニアの工事を中止せよ!
私たちはリニア計画が中止されるまで、1都6県の沿線住民と手を携えて闘っていきます。
リニアはいらない! 2.24 統一行動委員会 参加者一同


リニア中央新幹線の工事をすすめるJR東海に抗議する「みんなで叫ぼう!リニアはいらない」と題する集会とデモ行進が(2020年2月)24日、甲府市で開かれました。
リニア計画の中止を求める沿線住民の会や環境保全のために活動する団体などでつくる実行委員会主催で約120人が参加しました。
同会代表の川村晃生慶応大学名誉教授があいさつし「リニア工事全体の状況がJR東海にとって都合が悪い方向になってきた。山梨でも沿線住民の反対運動が広がっている。みんなの抗議の声をJR東海にあげていこう」と訴えました。
沿線住民の会代表らがリレートーク。南アルプス市の代表は「リニアによる騒音被害、日照権の問題は生存権に反する」と批判し、「JR東海は住民の意見を聞け」と語りました。甲府市の代表は、甲府市議会でJR東海と山梨県に騒音対策を求める意見書が否決されたことを批判。「リニアを観光資源として防音フードをつけろと言えないのか。住民の声を届ける運動を連帯して続けていきたい」と話しました。
集会後、参加者はJR東海山梨工事事務所までデモ行進し、「JR東海はリニアの工事を中止せよ」とする抗議声明を確認。同事務所に送付しました。

開催日前日ですが、私には詳しいテキスト情報が確認できませんでしたのでPDFファイルの画像化で記載しておきます。
ちなみに、JR東海は 中央新幹線工事事務所及び環境保全事務所の所在地・連絡先(PDFファイル)を公開しています。
中央新幹線山梨工事事務所 山梨県甲府市南口町1-38 電話 055-236-7052
(PDFファイルはJR東海サイトの 中央新幹線計画に関する公表資料等 にあります)環境影響評価書その他の公開文書類に記載されていても、移転などの変更は想定されますから更新容易な上記ページから、必要に応じて確認するのが良いでしょう。