2020年07月09日

リニア中央新幹線の早期開通を求める山梨県議会意見書

◇ 山梨県議会・リニア中央新幹線の早期開通を求める意見書(2020年6月定例会記録)

 JR東海が2027年(令和9年)の開業を目指すリニア中央新幹線について、静岡工区の着工の目途が立たないことから開業延期と計画の見直しが余儀なくされている。リニア中央新幹線は、東京、名古屋、大阪の三大都市圏を短時間で結ぶだけでなく、中間駅となる地方都市の活性化につながる国家的プロジェクトである。

 山梨県にとって、リニア中央新幹線の開業は、移動時間を大幅に短縮し、沿線地域間の交流の拡大を図るなど、社会、経済、文化、産業などあらゆる面で飛躍的な発展をもたらすものと期待されている。また、災害リスクの観点からも、リニア中央新幹線は東海道新幹線の代替輸送手段の役割を担い、危険分散を図ることが期待されており、山梨県を東京都民の避難地域として位置付け防災のバックアップ機能としての役割を果たすことも期待できる。さらに、山梨県では、平成26年に大雪災害に見舞われ、首都圏との交通網が遮断されたが、リニア中央新幹線があれば、山梨県と首都圏の物流の役割も期待される。

 こうした中、山梨県は本年3月にリニア中間駅を活かした経済活性化策の指針となる「リニアやまなしビジョン」を策定して、7年後の開業に向けて取り組みを進めているところであり、開業延期は山梨県を初めとする地方都市に大きな影響を及ぼすものである。

 JR東海と静岡県との間では、工事による大井川の流量減少など環境面での懸念が大きな課題となっているが、国家的な交通施策の観点から、国が前面に立ってこの課題解決に取り組むべきと考える。
 よって、次の事項について、特段の措置を講じられるよう強く要望する。

リニア中央新幹線の2027年(令和9年)開業が実現されるよう、JR東海と静岡県が抱える諸課題の解決に国が前面に立って取り組むこと。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和2年7月3日 山梨県議会議長
提 出 先
衆議院議長  参議院議長
内閣総理大臣 総務大臣
財務大臣   文部科学大臣
厚生労働大臣 経済産業大臣
提 出 者  山梨県議会議員       
  皆川  巖  浅川 力三  望月  勝 
  河西 敏郎  白壁 賢一  久保田 松幸
  大柴 邦彦  土橋  亨  古屋 雅夫 
◇ 2020.07.09 リニア 国が両者に打開策提案 07月09日 14時47分 NHK甲府放送局
JR東海と静岡県の協議が難航しているリニア中央新幹線の工事をめぐり国土交通省が事態の打開に向けた提案を行いました。
JR側には必要な手続きが終わるまでトンネル工事に着手しないこと、また静岡県に対しては工事に向けた準備作業を認めるよう求めています。
リニア中央新幹線をめぐっては、JR東海が静岡県内のトンネル工事に向けて工事で発生する水を処理する施設の整備など準備作業を認めるよう求めていますが、水資源への影響を懸念する静岡県が作業開始を認めず、協議が難航しています。
こうした中、国土交通省は、両者に対して、水資源などへの影響が軽微だと認められる範囲内で、国の有識者会議の議論と並行して速やかに作業を進めるよう提案する文書を送りました。
提案ではJR東海に対し、有識者会議の議論など必要な検討や手続きが終わるまでは、トンネルの掘削工事には着手しないこと。
静岡県には、準備作業の速やかな実施を容認し、今月の早い時期をめどに必要な手続きを進めることを求めています。
また、有識者会議の議論の結果、準備作業で整備した施設などを変更する必要が生じた場合、JR側が変更を行うことを前提とするとしています。
国土交通省は、この提案を近くJR東海の金子社長と静岡県の川勝知事に直接説明する方針で、2027年の開業の遅れが避けられない見通しとなる中、事態の打開につながるのか、注目されます。
◇ 2020.07.09 リニア中央新幹線 国交省 静岡県とJR東海に打開に向けた提案へ 2020年7月9日 15時19分 NHK本局
【この記事はNHK甲府放送局報道記事と同じ文章です。】
【以下は山梨県議会での意見書審議結果を報じた記事の記録です】
◇ 2020.07.03 県議会 リニア開業意見書を可決 07月03日 17時46分 NHK甲府放送局
リニア中央新幹線の開業時期が遅れる可能性が高まる中、山梨県議会は3日、計画通りの開業の実現に向け課題の解決に国が前面に立って取り組むよう求める意見書を共産党を除く賛成多数で可決しました。
3日最終日を迎えた県議会にはリニア中央新幹線の早期の開業の実現に向けた国への意見書が提案され共産党を除く賛成多数で可決しました。
意見書ではリニア中央新幹線について「山梨県にとって社会、経済、文化、産業などあらゆる面で飛躍的な発展をもたらすものと期待されている。開業の延期は山梨県を初めとする地方都市に大きな影響を及ぼす」と指摘しました。
そのうえで、国に対して「2027年の開業が実現されるようJR東海と静岡県が抱える課題の解決に国が前面に立って取り組むべきだ」として積極的な関与を求めています。
意見書は総理大臣や国土交通大臣などに提出される予定です。
◇ 2020.07.03 山梨県議会が可決 リニア課題解決「国が前面に」意見書 2020.07.03 19:45 UTY
開業の遅れが懸念されているリニア中央新幹線について山梨県議会は予定通り2027年に開業するよう課題の解決に国が前面に立って取り組むよう求める意見書を可決しました。
リニア中央新幹線はJR東海が東京ー名古屋間の開業を2027年に予定しています。
しかし、南アルプスを貫くトンネル工事で静岡県の大井川の水量が減少し流域の約60万人の生活に影響が出る恐れがあるとして静岡県は着工を許可していません。
このため開業時期が遅れる可能性が高まっています。
この事態に対し県議会は7月3日、国などにリニアの早期開通を求める意見書を賛成多数で可決しました。 意見書では開業延期は山梨県をはじめとする地方都市に大きな影響を及ぼすとして2027年の開業が実現されるようJR東海と静岡県が抱える課題の解決に国が前面に立って取り組むことを求めています。
この他、7月3日は新型コロナの緊急対策を含む一般会計で過去最大となる631億4500万円あまりの補正予算案を全会一致で可決しました。
posted by ict工夫 at 20:00| 山梨県