2020年08月28日

どんづまりリニア、難局打開へささやかれる奥の手(報道記録)

◇ 2020.08.28 どんづまりリニア、難局打開へささやかれる奥の手(経済部 小川和広 2020/8/28 4:00 日本経済新聞 電子版) 【登録会員向けの記事ですから冒頭引用のみ】
静岡県内で着工のメドが立たず、袋小路に入った感のあるリニア中央新幹線。プロジェクトを前に進めたい関係者の間で「奥の手」がささやかれるようになっている。反対の盾となっている大井川の管理権限を県から国に戻し、国が工事の許可を出すという奇策だ。法的には可能というが、いかにも無理筋なアイデアが取り沙汰されること自体が局面の難しさを映す。

自ら死の道を選ぶのは何処のどなたでしょうか。新型コロナウイルス感染症蔓延の時代は当分終りません。

「具体的に何が不安なのか教えていただきたい」。7月10日、藤田耕三国土交通事務次官(当時)は静岡県庁に川勝平太知事を訪ねた。知事は大井川の水資源を守る原則論を崩さず、事業主体のJR東海が求める準備作業の再開さえ認めない姿勢を一切変えなかった。ルート変更の逆提案まで口にした。 JR東海の関係者は予定の30分を超えて1時間に及んだ知事と次官の会談を見届けた後、こうつぶやいた。「国交省も考えてくれているはずだ。それ以外に打開策は見当たらない」 どん詰まりが改めて浮き彫りになったこの頃から、奥の手に期待する声が聞かれるようになってきた。JR東海の金子慎社長と知事の会談も既に6月下旬に不調に終わっている。そもそも会社や国が再三にわたって川勝氏の説得を試みているのは、知事が河川法上の許可権限の持ち主だからだ。その権限を国に戻しさえすれば状況は打開できる。 大井川は1級河川なので本来は国が管理する。実際は県に委託している。その委託を認める河川法の第9条は権限の及ぶ範囲を変更する際の手続きも定めている。変更には「関係都道府県知事の意見をきかなければならない」。必ずしも同意が必要とまでは書かれていない――。 実現すれば起死回生となる1手に、当事者の国交省は否定的だ。国と県との間で訴訟になることも予想される。ふるさと納税を巡る総務省と大阪府泉佐野市の泥仕合は記憶に新しい。リニアのような巨大事業で強権を押し通せば大きな禍根にもなりかねない。 現実味の薄さと裏腹に奥の手の噂は消えない。来夏に迫る静岡県知事選で川勝氏が再選すれば、いよいよJRも国もなりふりかまってはいられなくなる可能性がある。
posted by ict工夫 at 16:12| 静岡県