JR東海が建設中のリニア中央新幹線について、沿線住民ら781人が国の工事認可取り消しを求めた訴訟の中間判決で、東京地裁(古田孝夫裁判長)は1日、原告の7割弱に当たる532人の訴えを却下した。法律上「適格がない」と判断した。残りの原告は適格を認め、審理が継続する。原告側は「極めて不当だ」として控訴する方針。
今回原告になれるのは、国の工事認可によって個々の権利や利益が実際に侵害されたか、その恐れがある場合に限られる。中間判決は原告適格の有無だけを判断した。
却下された原告は、乗客の立場からリニアの安全性欠如を訴えたり、南アルプスの自然環境悪化を主張したりしていた。古田裁判長は「抽象的な公益にとどまり、保護すべき個人的利益とは言えない」と述べた。
一方、工事予定地の周辺住民については「大気汚染、騒音、地盤沈下で生活環境が害され、健康被害が生じる恐れがある」として適格を認めた。
リニア建設を巡っては、静岡地裁や甲府地裁でも沿線住民らが工事差し止めを求める訴訟を起こしている。〔共同〕
この記事は末尾に共同通信の配信と記されていますが、共同通信 を確認しても原文が見つからなかったので日経記事を引用しておきます。リニア中央新幹線の裁判に関して日経新聞が共同通信の配信を掲載したとは、本社記者はこの中間判決を傍聴しなかったのでしょうか、私は意外でした。
今回の原告適格の中間判決は、2019年10月11日第16回口頭弁論の時に古田孝夫裁判長が『来年3月に原告適格の中間判決を出す』と表明したが、コロナ禍により第18回訴訟審理(2020年3月30日予定)は延期されました。(記事・第18回訴訟審理(2020年3月30日予定)は延期されました)
2020年12月1日にこの中間判決があるとの情報を私は見落としていたのです(これもコロナ禍の問題確認に集中していた為です)。以下、その告訴団広報から引用しておきます。
昨年12月の第17回口頭弁論で、古田孝夫裁判長が再度『来年3月に原告適格の中間判決を出す』と表明しました。原告側の求釈明に応じず、鉄道施設の設計や工事車両の走行ルートが不明であり、また「リニアは国家的事業」と国もJR東海も宣伝しているわけですから、原告数を限定すること自体に無理があります。コロナ感染拡大で裁判が中止になりようやく期日が12月1日に決まったものです。4月には裁判長が市原義孝氏に交代しましたが、前裁判長の判決を読み上げるものとみられます。工事が大幅に遅れ2027年のリニア開業が不可能になり、またコロナ禍で鉄道業界を取り巻く状況が厳しくなっている状況で巨費を投じるリニア建設を行うのは無謀です。私たちはリニア工事を中止させるためにも、不当判決が出された場合、原告団は控訴する方針です。
以下は私が確認した報道記事で、いずれも2020年12月1日発信です。今回の件を整理していく余裕がありませんのでリンクのみ・・・
◇ 原告7割の適格認めず リニア認可取り消し中間判決―東京地裁(時事通信)
◇ リニア中央新幹線訴訟 訴えた住民の約3割に原告適格 東京地裁(NHK)
◇ リニア訴訟、原告532人「適格なし」訴え却下 東京地裁、残りの原告で審理(毎日新聞)【有料読者向け】
◇ リニア訴訟、原告7割の「適格」認めず 地裁の中間判決(朝日新聞)【有料読者向け】
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◇ 古田孝夫(日本経済新聞)、過去の判決記録のようです。
◇ 裁判官 ☆ データベース 古田孝夫
訴訟審理の継続中に裁判官の異動は司法制度として通常なのでしょうが、古田孝夫裁判官のご経歴から過去の審理・判決について確認しておくことは必要だと感じました。私テキにはもう随分以前から日本国の三権分立システムが崩れて来ているような気がしてならないのです。古田氏の立ち位置は何処にあるのか、それを確認し判決の真の意義を考えたい。