2021年05月11日

リニア中央新幹線の総工事費増額をJR東海が発表

確認が遅れましたが、2021年4月27日にJR東海社長が記者会見で発表です。
JR東海公式サイトのニュースリリース・2021.04.27 【社長会見】中央新幹線品川・名古屋間の総工事費に関するお知らせ・・・公開記事はPDFファイルです(152 KB)(テキストのみ、画像はありません)
 中央新幹線品川・名古屋間の建設については、平成26_2014年10月に品川・名古屋間の工事実施計画が認可されて以降、品川駅、名古屋駅、南アルプストンネルなど、早期に着手する必要があるものから順次、設備投資の意思決定を行った上で契約を締結し、工事を進めています。
 その中で、品川駅・名古屋駅の両ターミナル等の個別の工事案件によっては、当初の想定額を超えるものが発生したことにより、工事費の増加を見込むこととなりました。
 その一方で、昨年来の新型コロナウイルス感染症の影響で、経営環境が急激に悪化したことから、今般、工事に必要な資金計画と健全経営の確保を確認するため、品川・名古屋間全体の工事費の見通しについて、合理的と考えられる要素を盛り込んで精査を進めたところ、
 総工事費が「中央新幹線品川・名古屋間工事実施計画(その2)の認可申請について」(平成29_2017年9月25日)でお知らせした金額を上回る見通しとなりましたので、お知らせ致します。
 【PDFファイル原文のまま、編者が改行を変え西暦を付しています。以下は部分引用です。】

1.総工事費(品川・名古屋間)の見通し
  7.04 兆円
  ※工事実施計画(その2)時の見込み額(5.52 兆円)に比べ約1.5 兆円増。
  ※車両費含む。山梨リニア実験線既設分を除く。
2.工事費増の理由
  ・難工事への対応、地震対策の充実、発生土の活用先確保 等
  ・主な増加理由は、別紙「工事費の主な増加理由」をご参照ください。
 【本文の引用はここまでにします】

「工事費の主な増加理由」(PDFファイルの末尾に記載されています)

(1)難工事への対応(+0.5 兆円)
  ・品川駅、名古屋駅の両ターミナルについて、工期が長期にわたる複雑な工事であり、契約の手続きを進める中で、リスクを見通せる範囲で工事を分割して発注しました。また、工事を進める等の過程で、地質の不確実性や狭隘な場所での施工上の制約の厳しさ等が分かってきました。

(2)地震対策の充実(+0.6 兆円)
  ・明かり区間の構造物について、山梨リニア実験線における走行試験のデータを用いた解析及び小牧研究施設における試験装置での加振試験等で確証を得た対策に基づき、地震への更なる備えとして構造物全体を強化する必要が生じました。

(3)発生土の活用先確保(+0.3 兆円)
  ・都市部の発生土については、活用先の確保が困難でしたが、埋立事業における護岸工事等(横浜港新本牧ふ頭等)の費用を負担することで解決を図りました。また、山岳トンネルからの発 生土については、活用先の候補地の状況を踏まえると、運搬費や受入費が増加する見込みです。

【総工事費に関する参照資料】
 (1)国土交通省・平成26年10月17日 中央新幹線(品川・名古屋間)の工事実施計画(その1)の認可について
      工事予算 4兆  158億2,000万円(今回認可対象工事分)
  (参考)総工事費 5兆5,235億5,000万円
     (車両費を含む。山梨リニア実験線既設分は除く。)
 (2)JR東海・2017.09.25 中央新幹線品川・名古屋間の工事実施計画(その2)の認可申請について(PDFファイル) この末尾に掲載されているのが
 「中央新幹線品川・名古屋間(延長285km605m)工事費予算書」
      合  計 4,853,560,000千円  
 現時点での総工事費:5,523,550,000千円
     (車両費を含む。山梨リニア実験線既設分は除く。)
4月27日頃の私は政府のゴールデンウィークでのコロナ禍対策はどうなるのかと情報確認をしていたので、このJR東海社長記者会見は全く知りませんでした。
別記事に書きましたが、山梨工区の非常口トンネル工事をマスコミ公開したという情報を知ってJR東海サイトでその件の発表があるかどうか確認していて、この社長会見に気付いたのです。
現時点で事業費の増加を報告したのは何故なのだろうかと疑問も感じましたが、とにかく記録しておくだけにしました。
posted by ict工夫 at 20:48| リニア中央新幹線