2021年05月21日

山梨県内は沿線8割に防音防災フード、JR東海が知事に説明

2021.05.21 リニア中央新幹線 県内地上区間の約8割にフード設置と説明(NHK甲府放送局 05月21日 18時12分)
リニア中央新幹線の県内の地上を走る区間で線路をコンクリートで覆う、「防音・防災フード」の設置について、JR東海は21日、知事などに対して技術的に難しい区間などを除き、地上区間のおよそ8割に設置する計画を説明しました。

リニア中央新幹線が県内で地上を走行するおよそ27キロの区間については長崎知事などが騒音対策や富士山の火山灰対策のため原則、すべての区間で、線路をコンクリートで覆う「防音・防災フード」を設置するよう求めていたのに対し、JR東海は、発生する熱を逃がせなくなるなどとしていました。
これについて検討を進めてきたJR東海は、甲府市で開かれた県の期成同盟会の総会に集まった知事や計画ルート沿線の市長や町長に対し地理的条件などのため技術的に難しい場所と河川や農地など住居の少ない場所を除く、地上区間のおよそ8割にフードを設置するという計画を説明しました。
残りのおよそ2割は、10か所のあわせて4キロから5キロほどでこの区間では高さ2メートルから6メートルの「防音壁」を設置するということです。
この区間の沿線の住宅で、騒音が70デシベルを超える場合は防音型アルミサッシへの取り替えなどの対策を行うとしています。

また、富士山の火山灰対策として、噴火した場合も夜間などに除去作業をして運行できるとしています。
JR東海は早ければ来月以降、沿線住民への説明を行う予定です。
JR東海の宇野護副社長は「引き続き工事の安全や環境の保全、そして地域の連携を重視し、計画を着実に進めていきたい」と述べました。
長崎知事は、「できるかぎり最大限の誠意ある対応をしていただいたことは高く評価し感謝したい」と述べました。

【以下引用は略します】 リニア中央新幹線をめぐっては南アルプス市の住民がJR東海に対し工事の差し止めを求める裁判を行っていて、原告団の代表の志村一郎さんは「およそ8割にフードが設置されると聞くと多少は騒音も抑えられるように感じるが、不安は癒えない」と話しています。
また、志村さんは、「防音壁の区間に近い住宅には生活に影響があり、防音型のアルミサッシに取り替えても夏場も窓を閉め切って過ごさなければならないなど問題は残っている。どの程度騒音が抑えられるのか具体的な説明を聞きたい」と話していました。
この件は山梨県内だけでは無く、地上走行がある沿線地域の全てに関係します。
関係地域について書いたブログ記事は、ブログ記事のタグ・カテゴリー索引で整理していますので、ご参照ください。一例として 南アルプス市・2019年11月17日 リニア中央新幹線工事差し止め等請求訴訟 第2回弁論 11月19日
 過去の状況から考えれば、JR東海サイトで山梨県知事に説明した内容が掲載されることは無いでしょう。それは他都県でも同じかと思います。
 2021年6月以降、沿線住民への説明を行う予定との事ですが、その説明会もJR東海が指定する地域住民に限られ、各地説明会ではマスコミ取材も限定されると思えます。これまでの事業者のスタンスから導かれる想定です。
 沿線地域によっては、開催された閉鎖的説明会の内容を他都市の人々にも伝えておこうとする地域住民からの情報発信はされない場合も多いです。
これは地域自治体でも同様です。行政によってはリニア中央新幹線の「いいとこ取り」発信はしても問題対策発信はしていないケースがあります。
今回の山梨対策フード事案は、これからのリニア中央新幹線事業がどの様に進むかを国民が判断するよい事例になるでしょう。
2021.05.21 リニア県内地上区間8割 防音・防災フード(YBS・NNNドットコム 2021.05.21 20:38)
リニア中央新幹線沿線の騒音対策を巡り、JR東海は21日、新たな対策を示した。県などの要望に応え、県内の地上区間27.1kmの約8割に防音・防災フードを設置するとしている。
リニア中央新幹線沿線の騒音対策を巡っては長崎知事らが去年9月、県内の地上区間すべてに防音・防災フードを設置するよう求めていた。
JR東海は21日、長崎知事や沿線自治体の市長、町長に対し検討結果を説明した。長崎知事は「高く評価できる」と述べた。JR東海は今後、各地域で住民への説明を進める考えだ。
一方で、車窓から風景が見えないことについて笛吹市の御坂町観光協会の河野東洋男会長は騒音対策としては理解できるとしたうえで「観光面に考慮し透明なフードにするといった工夫をしてほしい」と話している。
2021.05.21 山梨のリニア、地上の8割にフード JR東海が知事らに回答(産経新聞 2021.5.21 17:27)
 建設中のリニア中央新幹線の地上区間に防音防災フードを設置するよう山梨県や沿線市町が求めていた問題で、JR東海の宇野護副社長は21日、甲府市内で長崎幸太郎知事や市町長と会い、地上区間の8割にフードを設置すると回答した。
 知事らは昨(2020)年9月、騒音対策や富士山噴火による降灰などの防災面から防音防災フードの原則設置を求める要望書をJR東海の金子慎社長に手渡した。宇野副社長は今年3月に知事と極秘に会い、設置に前向きな反応を示していた。
 リニア中央新幹線は品川−名古屋間の9割近くがトンネルだが、山梨県内は開通済みの実験線も含めた83・4キロのうち3分の1の27・1キロが地上区間で、沿線7都県で最も長い。
 JR東海によると、地盤が弱くフードが設置できない場所や周囲に民家がない場所の計10カ所は防音壁で対応する。県立リニア見学センター(都留市)はフード設置対象外となった。
 長崎知事は記者団に「これが最大限の対応だと思う。誠意ある対応をいただいた」と評価した。
 一方、静岡県内で着工できず、品川−名古屋の令和9年開業が困難になっていることについて、宇野副社長はこの日のリニア中央新幹線建設促進山梨県期成同盟会総会でのあいさつで「静岡県や関係者のご理解をいただいて、早期に着工して一日でも早い完成を目指す」と改めて述べた。
なるほど、山梨県期成同盟会総会に合わせたのですね。山梨県期成同盟会は県庁組織が担当しています・・・山梨県リニア未来創造局リニア未来創造・推進課 。総会開催が山梨県民に通知されていたかどうかは不明です。
2021.05.21 リニア地上部に防音フード 山梨県内区間で(日本経済新聞 2021年5月21日 19:10)
リニア中央新幹線の開業を目指すJR東海は21日、山梨県内の地上区間(約27キロ)の約8割に「防音・防災フード」を設置する方針を明らかにした。同社の宇野護副社長が同日、甲府市内で山梨県の長崎幸太郎知事や沿線自治体の首長らに説明した。
 長崎氏は昨年9月、騒音や富士山噴火時の降灰の影響を懸念してフード設置を要望しており、報道陣に「誠意ある対応を評価し、感謝する」と述べた。
 山梨県内の約83キロのうち大半はトンネル区間だが、3分の1の約27キロで地上を走る。そのうち8割に、全体を覆う高さ約8メートルのフードを設置。残り計2割に当たる県内10カ所の区間は、換気の必要性などからフードではなく、高さ2〜6メートルほどの防音壁を設置する。
 噴火時の降灰が想定されるが、同社は「防音壁区間は2割に限られ、除去作業により、噴火後も運行継続は可能だ」としている。〔共同〕
2021.05.22 リニア地上部に「防音フード」設置 山梨区間の8割 JR東海(毎日新聞)【以下は部分引用】
 リニア中央新幹線(品川―名古屋間)の早期開業を目指すJR東海の宇野護副社長は21日、山梨県の長崎幸太郎知事らと甲府市内で面会し、県内の地上区間の約8割に「防音・防災フード」を設置する方針を伝えた。地下やトンネル区間が多いリニアだが、比較的、地上区間が多い山梨県内でも、走行する姿を見たりカメラに収めたりできる場所は限られそうだ。JR東海の担当者は「上部が空いている防音壁部分では角度によっては見えるかもしれないが、いずれにしろ地上から見ることは難しい」と話す。
 (山梨)県内ではリニアが走行する約83キロの区間のうち、トンネルを除く約27キロが地上区間となる。JR東海は長崎知事らに、地上区間では高さ約8メートルのコンクリート製のフードを設置する方針を説明。車体と空気の摩擦熱を逃すための換気箇所の整備や地盤条件などで、フードを設置できない区間については、上部が空いた高さ約3・5メートルの防音壁で代替するとした。
 防音壁区間は、河川付近など周辺に民家が少なく騒音の影響が少ない場所とし、中央自動車道境川パーキングエリア(PA)付近 ▽笛吹川付近 ▽釜無川付近――など10カ所を示した。
降雪や富士山噴火時の降灰については、散水消雪設備や保守作業で対応できるとした。沿線で、騒音被害が環境基準を超える住居に対しては、防音型アルミサッシへの取り換えなどの対策を示した。
 フードは、沿線住民の生活環境上の不安や防災面の課題に対応するため、県などがJR東海に設置を要望していた。長崎知事はJR東海の方針について「最大限の対応をしていただいた」と評価した。【田中綾乃】
posted by ict工夫 at 19:00| 環境影響