2021年11月16日

南アルプス自然環境とリニア中央新幹線工事の関係

2021.11.16 リニア新幹線と標高3000mの自然の気になる関係 生物多様性維持という観点で懸念を払拭できるか by 河野 博子 : ジャーナリスト(東洋経済)
 この記事を知りました。2020年当初からコロナ禍の状況をフォローするのに注力して来て東洋経済も確認していなかったのですが、リニア関係のFacebook投稿で知りましたので、久しぶりに全文拝読しました。
記事の末尾に書かれています・・(強調は引用者)・
 登録から10年ごとに審査を受け、“合格”すれば登録が継続される。地元自治体が審査を受ける際の書類を作成し、文部科学省を通じてユネスコに提出する。南アルプスの場合、2023年には書類を完成させ、文科省に出す必要がある。その際、リニア中央新幹線の建設事業によりどの程度影響が生じるのか、事業者、政府、県をはじめ地元自治体はどのように対処するのか、明確に示さなくてはならない。
(中略)
 JR東海は、南アルプスユネスコエコパークが10年目の認定継続審査に通るようなデータを示せるのか。研究者や登山者、市民の懸念を払拭できるのか。世界で自然生態系、生物多様性の保全への懸念が高まる中、関心は高まりそうだ。
春夏秋冬の状況を調査する必要があるなら1年間かかるでしょうから、その前(2022年中)に南アルプス静岡工区の本工事を始められるのでしょうか。
そもそも現行の Cルート が決定される段階で確認されていなければならなかった問題ではないのかと、素人の私は感じます。
リニア中央新幹線事業は何故こうなったのか、おそらく日本の政治(政府・国会の組織態様)に深い関係があるだろうと感じた事が、私が縁もゆかりもないリニア中央新幹線事業に関心を抱いた理由でした。 何から何を感じたのか、当時確認した資料を保存したハードディスクを思い出し見つけ出せたら整理しておきたいと思っています。
続きがあります・・・
posted by ict工夫 at 15:00| 環境影響

2021年05月21日

山梨県内は沿線8割に防音防災フード、JR東海が知事に説明

2021.05.21 リニア中央新幹線 県内地上区間の約8割にフード設置と説明(NHK甲府放送局 05月21日 18時12分)
リニア中央新幹線の県内の地上を走る区間で線路をコンクリートで覆う、「防音・防災フード」の設置について、JR東海は21日、知事などに対して技術的に難しい区間などを除き、地上区間のおよそ8割に設置する計画を説明しました。

リニア中央新幹線が県内で地上を走行するおよそ27キロの区間については長崎知事などが騒音対策や富士山の火山灰対策のため原則、すべての区間で、線路をコンクリートで覆う「防音・防災フード」を設置するよう求めていたのに対し、JR東海は、発生する熱を逃がせなくなるなどとしていました。
これについて検討を進めてきたJR東海は、甲府市で開かれた県の期成同盟会の総会に集まった知事や計画ルート沿線の市長や町長に対し地理的条件などのため技術的に難しい場所と河川や農地など住居の少ない場所を除く、地上区間のおよそ8割にフードを設置するという計画を説明しました。
残りのおよそ2割は、10か所のあわせて4キロから5キロほどでこの区間では高さ2メートルから6メートルの「防音壁」を設置するということです。
この区間の沿線の住宅で、騒音が70デシベルを超える場合は防音型アルミサッシへの取り替えなどの対策を行うとしています。

また、富士山の火山灰対策として、噴火した場合も夜間などに除去作業をして運行できるとしています。
JR東海は早ければ来月以降、沿線住民への説明を行う予定です。
JR東海の宇野護副社長は「引き続き工事の安全や環境の保全、そして地域の連携を重視し、計画を着実に進めていきたい」と述べました。
長崎知事は、「できるかぎり最大限の誠意ある対応をしていただいたことは高く評価し感謝したい」と述べました。

【以下引用は略します】 リニア中央新幹線をめぐっては南アルプス市の住民がJR東海に対し工事の差し止めを求める裁判を行っていて、原告団の代表の志村一郎さんは「およそ8割にフードが設置されると聞くと多少は騒音も抑えられるように感じるが、不安は癒えない」と話しています。
また、志村さんは、「防音壁の区間に近い住宅には生活に影響があり、防音型のアルミサッシに取り替えても夏場も窓を閉め切って過ごさなければならないなど問題は残っている。どの程度騒音が抑えられるのか具体的な説明を聞きたい」と話していました。
この件は山梨県内だけでは無く、地上走行がある沿線地域の全てに関係します。
関係地域について書いたブログ記事は、ブログ記事のタグ・カテゴリー索引で整理していますので、ご参照ください。一例として 南アルプス市・2019年11月17日 リニア中央新幹線工事差し止め等請求訴訟 第2回弁論 11月19日
 過去の状況から考えれば、JR東海サイトで山梨県知事に説明した内容が掲載されることは無いでしょう。それは他都県でも同じかと思います。
 2021年6月以降、沿線住民への説明を行う予定との事ですが、その説明会もJR東海が指定する地域住民に限られ、各地説明会ではマスコミ取材も限定されると思えます。これまでの事業者のスタンスから導かれる想定です。
 沿線地域によっては、開催された閉鎖的説明会の内容を他都市の人々にも伝えておこうとする地域住民からの情報発信はされない場合も多いです。
これは地域自治体でも同様です。行政によってはリニア中央新幹線の「いいとこ取り」発信はしても問題対策発信はしていないケースがあります。
今回の山梨対策フード事案は、これからのリニア中央新幹線事業がどの様に進むかを国民が判断するよい事例になるでしょう。
続きがあります・・・
posted by ict工夫 at 19:00| 環境影響

2020年09月18日

1995年、実験線による水枯れが山梨県大月市で発生(報道記録)

◇ 2019.12.12 考えるリニア着工 大月からの報告(上)
◇ 2019.12.13 考えるリニア着工 大月からの報告(中)
◇ 2019.12.14 考えるリニア着工 大月からの報告(下)
【別件を調べている時に気付き、内容に驚きましたので記録しておきます】

 『リニア中央新幹線の南アルプストンネル(静岡市葵区)工事に、静岡県は同意していない。根底には「大井川の河川流量は減少せず、仮に水枯れが生じた場合は適切に対応する」とするJR東海に対し、強い不信感がある。その背景の一端を、山梨リニア実験線のトンネル工事で辛酸をなめた大月から報告する。』
・・・と始まる記事です。
 『1995年2月7日、山梨リニア実験線のトンネル工事で水枯れが発生した山梨県大月市猿橋町の朝日小沢地区。水不足を訴える住民の主張を疑いつつ、現場へ確認に訪れたJR東海・山梨リニア実験線工事事務所(同県都留市)の関係者は、枯れた沢を前にポカンと口を開けたまま驚きを口にした。』
 『水枯れ現場を視察したことでJRも態度を急変。実験線工事事務所の松浦政良係長はその場で「工事との因果関係を調査しつつ住民の意に沿う措置を取りたい」と表明した。給水車の派遣に加えて代替水源として新たな井戸を掘ることを約束。三日後には工事に着手し、その翌日には応急対応を完了した。』
 『しかし、数年もたたずに異変が生じた。JRが設置した井戸の揚水ポンプが不調を来し、再び断水が発生。・・・再びJRに対応を求めることも検討したが「周囲からお金が欲しくて騒いでいると思われたくないし、もうJRには関わりたくない」と、自分たちで対応することを決意。残りの補償金で上流部に新たな井戸を掘り、今日に続く水源を確保した。』
 『度重なる生活用水不足にさいなまれた朝日小沢地区ではその後、追乗川の水量が徐々に回復。地下水の流れは解明されていないが、独自に設置した井戸も順調に稼働し、今では平穏を取り戻している。』
 『大月以外にもJRが水枯れを認めなかった事例はないのか。JRによると、記録が残る2008年以降、実験線の延伸区間で補償した水枯れは34件。うち33件は新たな井戸の設置やポンプアップで対応し、残る山梨県上野原市の事例も協議中という。』

 大月市の事案について私は行政サイトで見たことはありません。実験線での水枯れ被害とその対処については、秋山村(合併後は上野原市)での水枯れ状況は ジャーナリストの記事 (2013.05.18、2014.09.08 など)からも知り、記録はしています。しかしこの件でも行政の情報記録は知りません。中日新聞記事でも山梨県庁や大月市庁がどのように動いたかまでは言及されていません。
 秋山村で生じた問題は、2014年11月21日 静岡県島田市広報で市長が大井川について語っている、参考・王見の滝 を書きました。JR東海の環境影響評価書には大月市での状況も記載されていましたが、この評価書に関して地域意見を見たことはありません。

 リニア中央新幹線事業について、水利、騒音、振動、日照など生活に直結する問題について、国土交通省が環境省の意見も参考にして意見を述べています、地域行政も意見書は出しています、しかし地域行政による具体的な施策について私は未確認です。
◇ 2020.09.11 リニア 知事ら防音防災フード要望(NHK甲府放送局)が伝えました。『長崎知事は11日、リニア中央新幹線の計画ルート沿線の市長などとともにJR東海の東京の本社を訪れ、原則、県内の地上を走るすべての区間で、線路をコンクリートで覆う、「防音・防災フード」を設置するよう要望しました。』
・・・この件はこれまでの山梨県政による 「リニアの見える化」 施策を変更するものであり、委細確認出来てから情報整理する予定です。参照・2019.07.26 リニア中央新幹線の騒音対策について(山梨県知事記者会見)

 2020年早々から日本国内でも始まった新型コロナウイルス感染症問題は、政府からの緊急事態宣言とその解除が繰り返され、地域行政はそれに応じて情報発信を続け、それぞれの地域施策を行っています。(参照・新型コロナウイルス感染症の情報 COVID-19
新型コロナウイルス感染症問題で出来てリニア中央新幹線国策事業では出来ないはずは無いのですから、その事を忘れない為に記事に残します。

タグ:山梨県
posted by ict工夫 at 18:07| 環境影響

2020年07月29日

風土を育み未来につなぐ、立ち止まって考える

特定非営利活動法人 地球守 代表理事・高田宏臣さんの Facebook 記事を知りました。(地球守=チキュウモリ)
風土を育み未来につなぐ、本来の「観光」へ と題した NEWS ページに Facebook に書かれている静岡県に献呈した 高田宏臣氏の新刊 『土中環境』 についても書かれています。
◇ アマゾンのサイトでは、『古来より存在する土木技術は、いかにして環境を守ってきたのか、そしてその技術は現代を生きる我々にどのように語りかけてくるのか。造園から環境を考える一冊。』 と説明が付いています・・・土中環境 忘れられた共生のまなざし、蘇る古の技

Facebook 記事は画像として引用(手元保存)しておきます。
Facebook_高田宏臣

◇ 2019年12月13日 現代土木の副作用 第二話 〜令和元年台風21号豪雨水害、土砂崩壊から
地球守サイトの「リニア」タグを開いて読めた記事です。私は土木工事のことなど全く分からないドシロウトですが、数百年も昔に建造された神社仏閣などが月日を重ねていることを思うと、高田さんのお話もなんとなく納得出来るのです。
私は MS-DOS 時代からのNECパソコンを今も使っています。 ネット接続はしませんが Windows 95 と MS-DOS の両方で動いていますから、昔作成したプログラムをそのまま動かしています。近年のパソコンは Windows 10 アップデートのたびに問題発生して苦しめられます。そんなことを思うと、技術の発展とは何だろうと考えてしまう事も多いです。立ち止まって考える、この言葉こそが大切だ、そして考える為の情報も居ながらにして手に入るのは、技術進歩によるものではある、その事もしっかり考えながら立ち止まる。
タグ:静岡県
posted by ict工夫 at 06:02| 環境影響

2019年11月16日

騒音対策、長野県環境審議委員会の検討結果(報道記録)

第4回長野県環境審議会リニア中央新幹線騒音専門委員会
開催日時:令和元_2019年11月14日(木曜日)会議結果の報道記事です。会議録は後日公開されますので、改めて記録する予定です。
私はこの専門委員会について記事を2度書いています、2019年06月10日 長野県にリニア中央新幹線騒音専門委員会が設置された、及び 2019年07月05日 第2回長野県リニア中央新幹線騒音専門委員会は大月市で開催、しかし騒音問題について疑問が多すぎるのでWebサイトで整理する予定は遅れています。2017年01月28日 新幹線騒音の地域類型が指定される範囲 400mについて、特にこの問題が私には未だに理解できずにおります。

リニア 軌道中心から400メートル以内に国の騒音基準適用 県環境審専門委が確認(2019年11月15日 信濃毎日新聞)

 2027年開業予定のリニア中央新幹線を巡り、騒音基準を適用する範囲などを検討する県環境審議会の専門委員会は(2019年11月)14日、4回目の会合を長野市で開いた。軌道中心から400メートル以内の沿線地域で、国が定めた基準値以下に規制することを確認。素案のパブリックコメント(意見公募)を実施後、(2020年)3月に県へ答申する。
 新幹線の騒音に対する国の基準は、都市計画法で定めた住居専用地域や住居地域で70デシベル以下、商業地域や工業地域で75デシベル以下と規定。素案では、同法による定めのない地域については、実際に住居として使用されている地域とその他に分けて、国の基準を同様に当てはめるとした。工業専用地域や河川区域などは適用外。トンネル沿線も原則適用外だが、地上部に住宅があることも想定されることから、出口地点から坑内200メートル区間は地上部分で同様の範囲で規制する。
 この日の会合では、県環境保全研究所(長野市)が軌道中心から400メートル地点の騒音が70〜71デシベルになるとの予測値を示したことを受けて、天候や地面の影響で騒音値が変動した場合についても検討。変動を加味して再予測すると、400メートル地点でほとんどの場合、70デシベルを下回ることが分かったとして、規制範囲を確認した。委員長の内田英夫・東京農業大客員教授(音響学)は取材に「騒音値は自然条件でばらつきが出るが、誤差をより正確に予測して範囲を決定できた」とした。
 県水大気環境課によると、リニア沿線の神奈川、山梨、岐阜県では既に騒音基準の指定範囲を定めており、いずれも軌道中心から400メートル以内。県内では飯田市、下伊那郡喬木村、豊丘村の地上区間4・4キロが対象となる。
続きがあります・・・
posted by ict工夫 at 09:00| 環境影響