2020.12.28 JR「超電導リニア」の技術は本当に完成したのか 気鋭の技術ライターの疑問と、JR東海の見解 by 大坂 直樹 : 東洋経済 記者
超電導磁石「クエンチ」の問題など、大坂記者は著者の川辺謙一さんにインタビューされた内容を書かれています。
記事の末尾では、川辺氏の指摘についてJR東海はどのように考えているか確認を取った結果も追記されて、最後に 『難しい問題だが、国民の不安を払拭するためには、情報開示も含めて川辺氏の提唱するような「国民の幅広い議論」が必要かもしれない。それは、膠着状態にある静岡工区の未着工問題においても同様だ。』 と締められています。私(ネティズン)としては、この情報開示こそが事業者にも行政にとっても最も難しいことだと常々考えているのです。

草思社(2020年12月03日)1,700円(税別)
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◇ リニア中央新幹線に「ちゃぶ台返し」はありうるか? (版元による紹介ページ)
◆JR東海は、もうリニアを諦めている?
2027年に品川-名古屋間の開業を目指して建設が進められている「リニア中央新幹線」は、超電導リニア方式の車両が走ることが前提となっています。しかし、その超電導リニアモーターカーの技術がまだ完成していないとしたら、どうでしょうか?
超電導磁石をめぐる課題から、知れば不安になるほど複雑な走行原理、さらには車内にトイレの設置がむずかしいという問題まで、超電導リニアには未解決の技術的課題が山積しており、商業的に運用できるレベルにはまだ技術が達していない――。これが本書の結論です。(以下略します)
◆数多くの技術的課題が、未解決。
本書は超電導リニアの技術的課題を数多く指摘していますが、問題を一言で言うならば「故障する可能性のある部品が多すぎる」ということです。たとえば、・・・(以下略します)
◇ 目次(各章の詳細は略します)
はじめに
第1章 超電導リニアの心配になるほど複雑なしくみ
第2章 なぜ超電導リニアの技術が開発されたのか
第3章 超電導リニアは技術的課題が多い
第4章 なぜ中央新幹線を造るのか
第5章 中央新幹線の建設・運用上の課題
第6章 乗客の視点で見るリニアの課題
第7章 事故の情報公開や対策への疑問
第8章 中央新幹線は在来方式でも開業できる
第9章 今が決断のとき
9―4 提案・有終の美を飾ろう
◯計画中止は失敗ではない ◯技術への過信が招いた悲劇 ◯ドイツのリニア失敗に学ぶ ◯アメリカでの開花を目指す ◯リニアの技術を他分野に応用する ◯禍根なくきれいに終わらせる ◯今こそ国民的議論を
おわりに