2018年12月08日

大井川減水対策で静岡県知事答弁「受忍できるまでJR東海と対話する」

JRリニア水対策 知事「住民ら受忍できるまで」(中日新聞静岡版 2018年12月7日)

静岡県議会12月定例会は(2018年12月)6日、代表質問があった。
リニア中央新幹線の南アルプストンネル(静岡市葵区)工事に伴う大井川の水対策で、川勝平太知事は「工事が及ぼす大井川の流量や水質、生態系への影響を洗い出し、保全措置で利水者や流域住民が受忍できるまで、JR東海と対話する」と述べた。
野田治久氏(自民改革会議、伊豆市)の質問に答えた。
 大井川の水対策を巡っては、「工事で発生した湧水全量を大井川に流す」とJRが約束したが、県側は、毎秒2トン流量が減ると試算した根拠への説明を求めている。水の戻し方や地下水への影響、自然環境への影響回避など多くの議論が山積している。

静岡県議会
静岡県議会本会議会議録から開催時期順が開けます(ページタイトルからリンクされていない場合は左の記事マークのクリックが設定がされています)

野田治久議員ホームページ
12月定例会での野田治久議員の質問項目(一括質問方式)(静岡県議会公式ページ)

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2018年09月21日

大井川の水資源減少問題の概要

静岡県環境局が2018年8月29日に 「リニア中央新幹線整備に係る大井川の水資源減少問題」 として公開したページにアップロードされているPDFファイルを画像化して記録したものです。
リニア情報サイトで 「大井川の水資源減少問題の概要」 として記録しました。

大井川減水問題  大井川減水問題
大井川減水問題  大井川減水問題
大井川減水問題  大井川減水問題
大井川減水問題
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2018年09月19日

静岡工区の準備着工を伝える報道のあれこれ

リニア準備工事開始 JR東海が反論「事前連絡した」(静岡新聞 2018/9/18 22:59 Yahoo!ニュース配信)

 JR東海は18日、リニア中央新幹線南アルプストンネル工事静岡工区の準備工事について、川勝平太知事が同日、JR側から工事着手の事前連絡がなかったと発言したことに、事実とは異なると指摘した。
 同社は「13日に静岡県の窓口の環境局と交通基盤部に『18日に宿舎工事に着手する』と報告した。事前に県側に準備工事を伝えている」とした。同社は14日に準備工事着手を正式発表した。

下の記事が配信された8時間後、Yahoo!ニュース配信記事が上の記事です。
 同社は「13日に静岡県の窓口の環境局と交通基盤部に『18日に宿舎工事に着手する』と報告した。事前に県側に準備工事を伝えている」とした。 ・・・全く曖昧な内容でジャーナリズムの記事とは思えない。
報告したのは文書なのか電話なのか、文書なら宛先は静岡県知事になっていたか、それは正本か複写か。
正本が届いたなら、知事が知らなかったのは正本を知事に届けなかった部署の責任であり、両部署とも複写を受けとったなら、正本は何処に届けたかという問題になる。
もし両部署に電話連絡しただけなら、県条例に基づいて処理されている事案の実行連絡を電話でしかしなかった企業の姿勢は糾弾されるのが当然である。
「緊急なのでご担当部署にご連絡します、知事にお伝えください」の一言があったかどうかもポイントなのだ。こんな事は公務員でも普通の会社員でも仕事していれば分かること。
静岡県環境局と交通基盤部は、どのような連絡だったのかをそれぞれ県民に説明すべきであり、それも報道されるべきである。
リニア中央新幹線事業でこれまでも民間企業の説明不足を指弾する意見は地域住民から出ていたが、今回の事案は民間企業が自治体行政に叩きつけた挑戦状に等しいものだ。

リニア準備工事着手 JR東海、静岡市に作業員宿舎(静岡新聞 2018/9/18 14:06)

 JR東海は18日、リニア中央新幹線南アルプストンネル工事静岡工区(静岡市葵区)の準備工事に着手した。同工区の建設予定地近くに設ける作業員の宿舎建設を同日午後、開始。トンネル工事に伴う大井川の流量減少問題を巡り、県や流域市町、利水団体との対立が続く中で、本体工事の準備を一歩前に進めた格好だ。
(中略)
 宿舎は同区の椹島(さわらじま)、西俣、千石の3カ所に建設する。18日は椹島宿舎を建設する椹島ロッジ敷地内に、工事事務所として使うプレハブ小屋や看板の資材をトラックで搬入。作業員数人が設置作業を行う。3カ所はそれぞれ2019年春から20年半ばまでの完成を目指し、椹島はリニア工事終了後、地権者が観光施設として活用することを検討している。
 静岡工区は大井川の流量減少問題を巡るJR東海と地元との対立が影響し、沿線7都県で唯一の未着工区間となっている。同社は毎秒2トンと推定した減少量のうち、トンネル工事で発生した湧水1・3トンを導水路管で大井川に回復させ、残りは必要に応じて戻す対策を提案しているが、県や利水者はトンネル湧水全量を常時大井川に戻すよう求めて膠着(こうちゃく)状態が続いている。法的には本体工事に県や利水者の同意は必要ないため、JR東海は同意なしでの着工にも含みを持たせている。
 川勝平太知事は同日、報道陣に、JR東海側から事前に準備工事に関する話はなかったとし「その辺は良くない。地元の理解を大事にしてもらうことが必要だ。誠意のある形でないと世間の非難を浴びるのではと心配している」と述べた。
9月14日の記事に書いた事ですが、静岡県政サイトではJR東海の 「工事の安全・環境の保全・地域との連携 静岡県」 の「場所ごとの環境保全の計画」欄で同時に掲載された文書、静岡県内中央新幹線建設工事に伴う宿舎等工事における環境保全について〔・中央新幹線南アルプス新設(静岡工区)工事・静岡県導水路トンネル新設工事〕(PDFファイル) が公開されている事を県民に告知していないように思えます。
後述しましたが、日本経済新聞 南関東・静岡版 2018/9/14 は、「静岡県と静岡市に宿舎工事に関する環境影響評価の事後調査報告書と環境保全措置計画も提出した。」と書いていましたが、静岡新聞 2018/9/15 では 「県環境影響評価条例に基づき、準備工事に関する事後調査報告書を県と静岡市に提出。」としか書かれていないと思えます。
地元紙を読んだだけの県民の方々には的確な情報が伝わっていないことになります。内容としては事後調査報告よりも環境保全文書が意見提出には役に立つと思います。
続きがあります・・・
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2018年09月18日

静岡工区・知事に宿舎建設工事の中止要請を求める申し入れ、市民団体から

川勝平太静岡県知事様                2018年9月18日

JR東海に対し環境影響評価条例に基づき
 リニア新幹線・宿舎建設工事の中止要請を求める申し入れ書
  
         南アルプスとリニアを考える市民ネットワーク静岡
共同代表 有元利通 八木 功 服部 隆 増田和明 松谷 清               連絡先 静岡市葵区鷹匠3−3−1地球ハウス 054−209−5676 Fax054−209−5675
 JR東海は(2018年)9月14日に県政記者クラブで会見を開き9月18日からリニア中央新幹線南アルプストンネル工事に向けて準備工事としての作業宿舎の建設に取り掛かることを公表しました。
多くのマスコミからは水資源をめぐる関係自治体、及び窓口としての静岡県との協定を結ぶことなく「見切り発車」とも言える工事着工に批判的報道がなされています。

このような宿舎建設工事の着工が許されるのは、静岡県自体が有識者会議設置(水資源、自然環境)により厳しい姿勢も見せながら一方で「準備工事(宿舎建設や林道整備など)が大井川の水資源や自然環境に与える影響は小さい。宿舎建設の環境への影響は小さい。水資源への誠意ある対応を求めたい」(難波副知事コメント)との認識を示していること、及び静岡市も同様の認識を持っていることが背景にあります。

 果たしてそのような認識でいいのでしょうか。

 JR東海は着工記者会見と同時に静岡県環境影響評価条例に基づき宿舎建設工事着手前の事後調査報告書を県に提出しました。静岡県は1ヶ月に渡り県民意見を募集するとのことです。
この準備工事を巡る最大の問題は「地元住民への丁寧な説明と詳細な情報提供により着工の是非を判断すべき」としたリニア新幹線工事を認定した国土交通大臣の環境影響評価への大臣意見が尊重されているか否か、です。

つまり、宿舎建設工事に対する公開の場での事後調査報告書の議論はおこなわれたのでしょうか。一度もなされないままに工事が着工されていることに最大の問題があります。

宿舎建設工事の後には林道整備そして本体工事が待っています。最初の工事となる宿舎建設において環境影響評価条例に基づく厳密な姿勢を示すことが重要であるという観点から以下の申し入れを行います。9月25日までに文書による回答を求めます。

 1、JR東海は9月14日付「(宿舎建設工事着手前)事後調査報告書」を工事着工の記者会見で明らかにし、静岡市の南アルプスエコパーク林道条例により「宿舎資材輸送」の通行許可が出されたとして18日から着工するとのことです。一方で静岡県が1ヶ月間にわたり県民意見を求めるとのことです。「県民等の意見および県知事意見に配意・勘案せず着工すること」の制度的妥当性をどのように考えているのか、明らかにすること。

 2、県民等の意見をもとに県知事意見を述べる際には環境影響評価審査会、及び自然環境有識者会議に意見聴取を行うこと。

 3、静岡市の南アルプスエコパーク林道条例に基づく林道の通行許可の際に静岡市長からJR東海の環境影響評価書はもとに「適正な審査」を行ったとコメントが出されています。実情を確認するのは静岡県の制度的責務です。

  ①「適正な審査」とは環境影響評価書との関係においてどのような審査をおこなったことをさしているのか市長の意見聴取を行うこと。

  ②特に宿舎建設工事エリアには動物・植物など数十種に亘る希少種があり椹島地区では6ヵ所において希少種が存在しており、アオキランなど絶滅危惧種は昨年、移植したとのことです。アオキランは9月が開花時期で移植が成功したかどうかはこの9月に確認する必要があります。専門家による現地調査が行われたのか、移植が成功したのか、どうか、静岡市長に意見聴取を行うこと。

  ③JR東海は環境影響評価書では林道東俣線にてロードキル(車による両生類や動物の轢死)発生のおそれがあると認めましたがその対策が適切に実行されていると判断した根拠について、静岡市長から意見聴取をおこなうこと。

  ④環境影響評価手続きでは林道東俣線沿いでの鳥類相調査がなされていないが希少な鳥類(猛禽類を除く)が営巣する可能性についての静岡市長の見解を聴取すること。

 6、静岡市が南アルプスエコパーク林道に基づいて「宿舎建設資材輸送のための林道の通行許可申請」が行われ静岡市の通行許可を出すときには、静岡県中央新幹線工事調整連絡会での情報共有が行われることになっていますがどの段階で静岡市からの連絡はおこなわれたのか、明らかにすること。

 7、これらのことが県民に明らかにされるまで、宿舎建設工事、それに関わる全て工事の中止もしくは延期をJR東海に要請すること。

この件は 2018年09月14日記事 「静岡県でJR東海工事の付帯施設着工が許可された」 の関連です。
静岡県環境影響評価条例 第45条第2項 は国策公共事業に対してどの程度の有効性があるのかという問題でもあると私は理解しています。
従って、事は静岡県だけの問題では無く、同様な自治体例規の下で行政が行なわれる全ての自治体と国民の地方主権にも関わる事案だとすら考えています。
リニア中央新幹線事業において大井川減水問題に発した今回の事案について、私は情報・資料整理が不十分なので、いずれWebサイトで整理しておく予定です。

posted by ictkofu at 19:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 静岡県

2018年09月14日

静岡県でJR東海工事の付帯施設着工が許可された

タイトルは着工許可と書きましたが、トンネル工事では無く宿舎建設などの工事です。トンネル着工については大井川減水問題の解消について未解決なので静岡県政は着工を未だ認めていません。
・中央新幹線南アルプス新設(静岡工区)工事
・静岡県導水路トンネル新設工事
すなわち中央新幹線南アルプス新設(トンネル工事)とそれにより発生が予測され環境影響評価書に記載された大井川減水問題を解決するための導水路トンネル新設工事には着工できない状況です。

尚、導水路トンネル新設案は認可された後で大井川減水対策として提案されたもので環境影響評価書に記述はありません。静岡県とJR東海で構成された審議会で検討を重ねてきたものですが静岡県が承認しJR東海も認めた最終解決策は確定していません。

JR東海による導水路トンネル計画はそのトンネル出口から下流の対策であり、上流自然環境への対策になっていないことや、公式発表資料を私は未見ですが、上流で取水している中部電力、東京電力の水力発電事業との関係なども考慮されているからと思えます。

本線トンネル及び導水路工事の準備として作業員宿舎などの工事をするために、静岡市に林道の通行許可を求め許可されたのが今回の事案です。これに関係して下記2点がJR東海サイトで公開されました。

JR東海が 静岡県内中央新幹線建設工事に伴う宿舎等工事における環境保全について〔・中央新幹線南アルプス新設(静岡工区)工事・静岡県導水路トンネル新設工事〕 これを「工事の安全・環境の保全・地域との連携 静岡県」で広報しました。そのページからリンクされている記事本文はPDFファイルで 96ページ(2018.09.12 作成) 15,554 KBです。

事後調査・モニタリング ページの 「事後調査報告書」に 事後調査報告書(平成30年9月)宿舎工事着手前 が広報されています。 この報告書はPDFファイルへの直接リンクです。30ページ(2018年8月21日作成、9月5日更新) 5,922 KBです。

この事後調査報告書はページに記載されているようにJR東海が 静岡県環境影響評価条例 第45条第2項 に基づき提出したものです。
第45条 法対象事業者は、前条第1項の意見を勘案し、法対象事業事後調査計画書の記載事項に検討を加え、その結果に基づき調査を行わなければならない。
 2 法対象事業者は、前項の調査を行ったときは、その結果を記載した報告書(以下「法対象事業事後調査報告書」という。)を作成し、知事及び法対象事業関係市町村長に送付しなければならない。
 3 知事は、法対象事業事後調査報告書の送付を受けたときは、これを公表するものとする。

【例規集 ⇒ 第9編 生活・文化 ⇒ 第5章 環境 を開き「次の20件」で次頁を開けば当該例規があります。「ログイン」は単にクリックするだけです。】

私の想定に過ぎませんが、工事に着手もしていない段階で「事後調査報告書」が静岡県条例に基づいて提出された事に大井川問題が解決困難なこと、ひいては全幹法によって中央新幹線事業を認可した国土交通大臣の誤りを考えています。

【参考】
大井川導水路トンネル工事契約
 請負業者は、静岡県内導水路トンネル新設工事共同企業体(大成建設株式会社・佐藤工業株式会社・大豊建設株式会社)契約締結日は 2017年10月17日、工期は 契約締結の翌日から2024年4月30日
南アルプストンネル新設(静岡工区)工事契約
 請負業者は、中央新幹線南アルプストンネル新設(静岡工区)工事共同企業体(大成建設株式会社・佐藤工業株式会社)契約締結日は 2017年11月15日、工期は 契約締結の翌日から2026年11月30日まで

続きがあります・・・
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2018年06月22日

静岡市がJR東海のリニア工事計画に合意、県知事はそれを批判(報道記録)

とりあえず報道記事にリンクしておきます。問題は複雑なので別途整理するつもりです。
静岡新聞やNHKを走り読みした限りですが、22日の静岡新聞が伝えたJR東海と交わした合意書の全文公開を待ちたいと思います。静岡市長記者会見のページ から合意書にリンクされる方法で公開されると良いです。
この件の論点は、静岡市長が県知事・県庁方針との違いがあるにもかかわらず、今回の合意に至った考え方の流れが明確であるかどうか、静岡市としてリニア事業への対応スタンスに変遷があるなら、その経緯が明確かどうかだと思います。
今回の合意で、大井川減水問題は別で単に発生土輸送に関係する道路に住民要望によるトンネルを建設するだけの合意という事なら、合意の様相は全く違ってくるでしょう。
静岡市や大井川地域の皆さんにとっても早急なソース確認が第一のはずです。静岡市が週明けには公開すべき合意書です。

暫定ですが 静岡県知事のコメント 2018年6月22日、リニア中央新幹線サイトの記事にしました。

リニアで静岡市長発言に知事抗議(NHK静岡のニュース 2018年06月22日 19時49分)

20日、静岡市とJR東海がリニア中央新幹線の建設工事に使うトンネルの設置費用をJR側が全額負担することで合意した際に、静岡市の田辺市長が建設に伴う大井川の水量の減少について、「誠実に対応して欲しいとJR東海の社長に申し上げ約束してもらった」などと発言したことに対し、川勝知事が抗議し発言を撤回するよう求めました。
リニア中央新幹線の建設工事をめぐっては、大井川を流れる水の量が減るおそれがあるとして地元の自治体などがJR東海に対して、減少した水量すべてを回復するよう求めています。
こうしたなか、20日静岡市とJR東海は、建設工事に使うトンネルの設置費用約140億円をJR側がすべて負担するなどとする基本合意を締結しました。
その際、田辺市長は「大井川の中下流域への配慮をして誠実に対応することをJR東海の社長に約束してもらった」と発言していました。
この発言に対して川勝知事は22日コメントを発表し、「水問題の本質を全く理解していないも同然だ」などとして、これらの発言の「撤回を求める」とともに強く抗議するとしています。
その上で川勝知事は「JR東海の誠意ある対応を求める交渉に粘り強く取り組んでまいります」とコメントしています。
川勝知事から大井川の水問題について発言の撤回を求められたことについて、静岡市の田辺信宏市長は「県からのコメントについては内容を確認の上、適切に対応させて頂きます。中央新幹線の建設工事に関する課題は合意書の締結によりすべて整理されたものではありません。環境問題、特に大井川流量減少対策については、県および大井川流域の関係市町、利水者の皆様と連携しながら引き続きJR東海と協議して参ります」と文書でコメントしました。

流量減対策へ影響懸念 県など、静岡市のリニア工事合意受け(静岡新聞 2018/6/22 07:38)

 リニア中央新幹線南アルプス工事に関する静岡市とJR東海の基本合意を受け、県や大井川流域の市町に、流量減対策を巡るJR東海との交渉への影響を懸念する見方が広がっている。県は合意の内容を慎重に見極め、近く見解を明らかにする方針で、流域市町は行方を注視している。
 「オール静岡の態勢でJR東海絡みの問題の交渉をしていく」。川勝平太知事は19日の定例記者会見で、市町と一体になって大井川の流量減対策をはじめとする交渉に臨む意向を示した。静岡市とJR東海の基本合意の発表は翌20日。県にとっては決意表明の直後に冷や水を浴びせられるような展開となった。
 合意は静岡市内の工事車両通行ルートのトンネル建設に関する内容が中心で、静岡市やJR東海が県に事前に報告する義務はない。大井川の流量減対策についても、利水団体に配慮した一文があるとして、静岡市の担当者は「今後もしっかり対応してほしいとJR東海に働き掛けていく」と強調する。
 ただ、県側には「静岡市だけと向き合えばいいというJR東海の分断工作」(幹部)との見方も出るなど不信感がのぞく。
 大井川流域の首長も合意による影響を懸念し、県の対応を注視する。島田市の染谷絹代市長は「県、関係自治体、利水者が連携を密にして取り組むことが必要」と強調。焼津市の中野弘道市長は突然の発表に戸惑いを見せ「合意内容は聞いていない。流域のことは県にもお願いしている」と話す。川根本町の鈴木敏夫町長は「静岡市だけでなく、大井川流域の多くの市町が関係する話。抜け駆けで静岡市だけ地域振興につなげるのはおかしい」と批判した。

JR負担で県道トンネル整備 静岡市の要望受け入れ リニア工事めぐり基本合意書(産経新聞静岡版 2018.6.21 07:01)

 静岡市北部の南アルプス地下を貫通するリニア中央新幹線工事をめぐり、同市とJR東海は20日、市が望む県道へのトンネル整備を同社の費用負担で行うことを盛り込んだ基本合意書を締結した。田辺信宏市長と同社の金子慎社長が共同会見して発表した。約140億円と試算された工事費用は同社が全額負担する。両者間の最大の懸案事項だったトンネル設置箇所について、同社が市の要望を全面的に受け入れる形で決着したことは、大井川の流量問題で対立する県と同社との交渉の行方にも影響を及ぼしそうだ。
 南アルプス工区の工事が始まれば、車両のすれ違いが難しいほど狭い県道を多数の工事車両が通過すると想定される。このため市は、工事現場近くの井川地区の住民の利便性を確保するため、市中心部と井川地区を結ぶ県道に工事車両も一般車も利用できるトンネルを整備するよう要望していた。一方で同社は、川根本町と井川地区を結ぶ市道にトンネルをつくれば住民の利便性は損なわれないと主張。トンネル設置箇所をめぐって意見が食い違っていた。
基本合意では、同社が譲歩し、市や地元住民が求めていた県道側に同社の全額負担でトンネルが設置されることになった。
 会見で金子社長は「南アルプストンネルは最難関工区であり、市の理解に感謝している。意義深い合意となった」とほっとした表情をみせた。一方の田辺市長は「難しい選択だったが、リニア新幹線を国民に供用してもらいたいという思いもあり、ギリギリのタイミングで決断した」と悩み抜いた末の判断だったと強調した。
 基本合意にはそのほか、同社が環境保全に誠実に対応することや、地域振興に協力することなども盛り込まれた。
 ただ、静岡市と同社の合意書には、県や周辺市町が強く望む大井川の流量減少対策は明記されていない。この点について市の担当者は「大井川の流量減少対策は『環境保全に誠実に対応する』の項目に含まれると考える」と述べた。
 川勝平太知事は今回の合意に関して取材に応じ、「JR東海には県も相当厳しいことを言っている。歩み寄るというジェスチャーなのかもしれない」と、県と同社との交渉も進展することを期待していた。

リニア中央新幹線 建設工事、相互連携で合意 静岡市とJR東海 /静岡(毎日新聞静岡版 2018年6月21日)

 静岡市とJR東海は20日、静岡市北部の南アルプスにトンネルを掘削するリニア中央新幹線建設工事について、相互に連携して取り組むことに合意した。田辺信宏市長と金子慎・JR東海社長が市役所で記者会見して明らかにした。県はトンネル工事で大井川水系の流量が減少するとして反対の姿勢を示しており、市と県の対応が割れる形になった。
 合意書によると、JR東海は市中心部と工事現場を結ぶ県道に、工事車両だけでなく一般車両も通れるトンネル(全長約3・7キロ)を新設する。建設費用は約140億円で全額JR東海が負担する。市はトンネルの入り口と出口付近の道路を整備する。JR東海は南アルプストンネルの掘削で生じる残土置き場の造成にも協力する。
 田辺市長は「自然環境の保全と地域振興の命題から悩んだが、答えを出さなければならなかった」と話し、金子社長は「南アルプストンネルは最難関工区で早期の着工が必要。極めて重要で意義深い合意ができた」とした。
 市とJR東海の合意を受け川勝平太知事は20日、報道陣の取材に応じ「合意内容は聞いていないが、南アルプスにトンネルを掘ると水資源に影響があるのは自明。静岡市の問題と水の問題は別だ」と述べた。【大谷和佳子、松岡大地】

リニア工事、県道トンネル整備へ JR全額負担で静岡市と合意(静岡新聞 2018/6/20 17:00)

 静岡市とJR東海は20日、リニア中央新幹線南アルプス工事の工事車両通行ルートについて、同社が市の求めに応じて同市葵区の県道三ツ峰落合線にトンネルを整備し、工事費用も全額負担することで基本合意したと発表した。同日午前、田辺信宏市長と同社の金子慎社長が市役所静岡庁舎で記者会見した。
 同社の試算では、県道トンネル(延長約4キロ)の建設にかかる費用は約140億円。同社は昨年12月、整備費用などの理由から、市と地元の井川地区が要望した県道でなく、川根本町につながる市道閑蔵線へのトンネル整備を提案した。しかし、この提案に田辺信宏市長が「おこがましい」と発言するなど市側が激しく反発。同社は方針を転換し、地域貢献で県道トンネルの整備に協力する意思を示し、費用負担についても交渉を続けてきた。
 同社は交渉の過程で「応分の負担」を主張し全額負担に難色を示していたが、最終的に市の要望を受け入れた。本県は沿線都県で唯一の未着工区間。金子社長は方針転換の理由を「工事を円滑に進め、市との協力関係を築く上で適切な判断」と述べ、早期着工への決意をにじませた。トンネル整備に伴う周辺道路の拡幅や斜面対策は市の負担で工事を行うという。
 市がトンネルの設置を要望していた区間は、急カーブが多く、車同士がぎりぎりですれ違う狭い道路。市はトンネルがあれば事故や交通規制を回避でき、工事関係者や地元住民の安全につながると主張していた。また、南アルプスエコパークの観光振興への効果も期待している。
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2017年11月30日

静岡県知事記者会見、大井川減水問題での質疑応答 2017年11月30日

2017年11月30日(木) 静岡県知事記者会見
【情報整理の為に、この記事のブログ掲載日は記者会見日に設定しています。会見記録の公開日ではありません。】

幹事社質問:リニア中央新幹線計画
(幹事社)
 では、発表項目についての質問などはございますでしょうか。特にないということですので、幹事社の方からの質問をさせていただきます。
 今日の質問は1問だけとなっておりまして、リニアの中央新幹線の計画についてです。JR東海は今月24日の会見で、大井川を流れる水の減少分を全て川に戻すという従来の考え方を強調し、年内に流量減少対策を、流域の自治体に説明する方針を示しました。静岡県は、17日JR東海の柘植社長の発言に対し、難波副知事が行かれまして抗議をしているというふうに思いますけれども、その後、JR側からの回答や説明はありましたでしょうか。
 また、ないとしたら、こうしたJR側の説明を聞いての受け止めをお聞かせください。
(知事)
 はい。難波副知事がJR東海を訪問いたしまして申し入れを行ったのは、柘植社長が「全量が何かはっきりしない中で、全量を戻すという約束はなじまない」という主張をされたことによって、申し入れたものでありまして、柘植社長の発言は、大井川流域減少問題への認識の低さを表していると。同社の信用を失墜させる問題発言であるということによって、申し入れが行われたわけです。
 利水者および県がJR東海に求めているのは、トンネル湧水の全量を恒久的かつ確実に大井川に戻すことであります。本年4月3日付け知事意見書に明記した通り、本県境界内で発生するトンネル湧水は、貴重な水資源の賦存量の一部でございますので、トンネル湧水の全量を大井川に戻すことは、当然の利であります。県としましては、これまで長い時間と労力をかけて、JR東海と下流の利水者との協定締結に向けた調整を行ってきました。しかし、社長自らが全量の定義が分からないという認識であれば、協定は白紙撤回もやむをえないという、そういう姿勢でJR東海の柘植社長への認識を問うたということであります。その結果、11月の24日の記者会見で、利水者や県が主張している全量が、トンネル湧水の全量であるということを、初めてご理解されたということが分かりました。その認識については確認できたと考えております。
 しかし、中下流域での河川流量の減った分を計測し、その分を全て戻すことで影響が出ないように取り組むと、これまでの主張を繰り返されておりますが、従って、まだ全量について明確な判断は持ってらっしゃらないのではないかと思います。河川流量というのは、もちろん天候、あるいは自然条件などで日々変わるものですから、われわれが協定を締結するに当たりまして求めたのは、トンネル工事で流量が減少する、その全量を戻すべきであると、トンネル内の湧水全量を流域に戻すこと。当たり前のことを言っているわけで。それをですね、協定も結ばないで半年以上放置してきたという不誠実を厳しく批判しているわけでございます。
 利水者への説明を概ね終えたと述べられていますが、到底納得が得られているとは思いません。例えば、つい先頃、中部電力社長、勝野社長がこの水質への影響また流量への影響などについて、疑念を表明されました。これも一つで、従って利水者への説明が終えたなどというふうに述べられているのは、全く認識の不足というものを示していると思います。
 さらに言えば、そもそも平成26年の6月に南アルプスが、エコパークに認定されたわけであります。従ってそうしたところに傷を付けると、そこを環境破壊するということ自体がしっかり捉えられていないのではないか、そのことの問題性が、自覚が不足しているのではないかと思っております。もちろん、一番大切なのは大井川の水は単なる川の水ではないということでありまして、去る11月の10日だったでしょうか、国営の大井川用水農業水利事業というものが、20年近い、丸19年の年月をかけて完成いたしました。これは、もう江戸時代以来というか、大井川が水を活用するようになってからの歴史以来ですね、戦前戦後と続きまして、一番最新式の工事、600億円近く掛かっているんですね。この工事が完成した。それは、いかに大井川の水が重要であるかということでですね、そこに関係している静岡県下の四つ、五つの土地改良区の皆さま方、これは一生懸けて願ってこられたことが、ようやくできたもので、こうした形で何十万という人たちが生業を営まれております。そういう水なんですね。
 ですから、そもそも利水者への理解というものが、いかに大切かということについてですね、ただ10キロ走るからそこでのトンネルを掘らしてくれと。掘るのはいいにしても、流量が減少するから、それは毎秒2トンあるだろうと。それはそれなりに対処するとおっしゃったのが、川の流量が減った分を戻すことだと思ってるとかですね、その流量もなかなか全量と言ったって分からないとかですね、おっしゃっているわけですから。基本的に、認識が不足しているというふうに思います。ですから、この自然破壊に対しましての認識の不足、利水者に対する理解の不足、そして説明不足というものもございまして、回答が一応出されたということではありますが、ようやく湧水全量が全量の意味だということが分かったということでありますけれども、その程度であったかという考えを持ちました。以上です。
(幹事社)
 確認ですけれども、JR側からは県に直接回答があったということですか。
(知事)
 いいえ、記者会見で24日になさったということ。恐らくこちらの申し入れ、難波副知事からの申し入れに対する回答として、記者会見で表明されたものだというふうに受け止めております。
(幹事社)
 この件に関連した質問、各社さんいかがでしょうか。
(記者)
 関連して、そうすると11月24日のJR側の記者会見でですね、柘植社長が大井川の水の減った分を全て戻すと、つまり2トン減ったら2トン戻すという意味合いのコメントをしていると思いますけれども、それは知事の求めている全量ということとは、やはり違うものということなんでしょうか。
(知事)
 協定の真ん中に、トンネル工事で出る湧水は全量戻すというように、ずっと前からうたっているわけですね。だから大井川で流量が減ったと、それを戻すと。流量は毎日違います。季節ごとに違います。そして、気候によって違いますね。天候、雨が降ったときとか、渇水のときだとか、違いますので。そうしたことではないんですね。
 自分たちがする工事の倫理的な責任というものをですね、明確にすると。それはトンネル工事で流量が減るということは当たり前です。これは沢も枯れるでしょう。しかも下流域だけについて流量を戻すとおっしゃっていますけれども、上流域だって沢枯れますよ。ですから、こういう工事そのものについてですね、これほどの認識不足で工事をしているのかというふうに思っています。
 今のご質問につきましては、彼の全量というのが、今までこれほどの大きな工事についてですね、トップが認識を持っていなかったということを明かしたというふうに受け止めております。
(記者)
 以前に知事が会見の場で、そもそも流量全体を戻すことを約束すること自体も、なかなか無謀なことというふうにもおっしゃっているんですけれども、その範囲は具体的に言いますとどういうことなのか、額面通り捉えちゃうと無謀な約束をJR側に迫っているということなんでしょうか。
 そこはどうでしょう。
(知事)
 いや、無謀な工事であるということなんですね。工事自体が無謀であるということであります。
(記者)
 そうすると、トンネルの湧水全量を下流域からではなく、上流からちゃんと戻すべきだと、具体的に言うとそういうことなんでしょうか。
(知事)
 具体的に言うと、トンネルの工事で出る湧水、これは川に流れないわけですから戻すと、それに尽きますね。それをこちらから言われて初めて分かったということじゃないですか。そもそも、そういう認識でですね、工事をやっていたということで、しかも約束もしなかったと、半年以上ですよ。4月末まで待ったわけです。なおかつ延ばしてきたということで、私は10月の会見でですね、もうこういう工事をすること自体が無謀だと。約束しているではないかと、ちゃんと戻すと。そういう中身のない約束をすること自体もおかしなことだというふうに思いましたし、今回、まだ流量が、つまり川の流量を減った分を戻すというふうな認識をまだお持ちのようでですね、それは違うでしょうと、自分たちが工事をして自然を痛める。流量が減る、生態系を痛める。そのことについて、そういう工事をするということの無謀さを、そして、そのことについての認識の甘さがあるという中で工事をすることの無謀さを、従って、難波副知事が申し入れたときにはですね、文字通りこれは白紙撤回に値すると、そういうつもりで申し上げたわけです。
 とりあえず、ようやくトップが、このトンネル工事で出てくる湧水は全量戻しますよというふうに言ったと。「何年かけたのかと、今まで」というふうにすら思いますね。
 まったく、何という会社かと、何という自然に対する冒瀆(ぼうとく)かと、南アルプスを何と心得るかと。南アルプスは大井川の水源です。水源にいかに多くの人々が、子々孫々ですね、これからまだ依存していかなくてはいけない。しかも今回、11月の初めに20年ほど掛けてようやく大井川の水をですね、市域でも大井川に接している所以外にも、農業用水として、それで7450ヘクタールぐらいものすごい農地がですね、これによって潤されているのですよ。そこが干上がったらどうするんですかということを考えたことがありますかと。
 恐らく農水省もですね、この認識を知って驚いたと思いますし、中部電力もですね、改めて「こんな認識か」ということで、うちの水量はどうなるんだと、水質はどうなるんだと、泥が入ってきたらどうなるんだと、発電にいろいろと支障をきたすだろうというようなことでですね、勝野社長が自らああいう発言をされたということは、JR東海の、静岡工区における認識の甘さに対する警鐘であるというふうに存じますし、私はこれは、認識を持たれたことは遅まきながらいいとしてもですね、その程度であったかという考えを改めて持った次第であります。
(記者)
 すみません、もう1問お伺いしたいんですけれども、そうしますと、そういった状況の中で、今推定で毎秒2トン流量が減るんじゃないかという検証の下で、なるべくその2トンに近い状況に戻すということで、導水路の工事の発注をしたという、まあ一方でそういう動きをJR側も見せていますけれども、それについてはどのようにお考えでしょうか。
(知事)
 よくもまあそこまでやったなという感じですね。地元の理解、利水者の理解、流量に対しての見識の不足、そうした中で工事は発注すると。工事なんてできっこないというふうに私は思っておりますがね。
 この発注をしたのは勇み足だったと思っています。
(記者)
 分かりました。
(記者)
 同じくリニアについてなんですけれども、先ほど白紙撤回もありうる中で、今回一定程度の全量への文言が返ってきたということで、今後は協定案についてはどのように進めていく予定なのか。
(知事)
 今回、ようやくトンネル工事で出てくる湧水を戻すと、それが湧水全部を戻すという当たり前のことについての認識を持たれたということは評価します。そんなことはいろはだと思いますね。自分たちが傷をつけたものはちゃんと元通り直しますよというのは当たり前のことです。
 しかし、よく考えてみればですね、何のためにそれをするのかと、静岡県にとって何のメリットがありますか。水が減ることは間違いないと、できるだけその減った部分は返そうと思っていますと、できるだけというのは、これは客観的ではありません。要するに、何のメリットもないわけですね。この工事自体が。そもそもリニアが静岡県を通るということも、天から降ってきた話です。
 ここを通すことについて、その前にですね、静岡県に話があったわけではありません。私自身はリニア新幹線の関係する委員会がございます。長野県に住んでおりましたので、長野県の学術委員会代表の、たった1人なんですけれども、出て行ったわけですが、各県から1人委員出ているんですよ。静岡県から誰も出てこなかったし、静岡県を通るなどということはですね、平成23年の3月だったでしょうか、あのときに突然、その案が決まりましてですね、それで初めて知ったということなんですね。当然そこを通るということになれば、前もって相談もあるべきであります。なかったんですよ。
 私は、言ってみれば長野県側の当事者の1人として、それを知っています。ただですね、私自身の認識不足もありまして、これは前の記者会見でも申しましたけれども、リニアが通れば、既存の新幹線の活用方法が変わりますね。いわば二つルートができるわけですから。その結果、既存の新幹線において、ひかりとこだまの本数が増えると、さらにまた報告書にはですね、実質空港の下に駅を造るということもうたわれているんですね。ですから、これは静岡県にメリットがあると思ったわけですが、そのときに私自身の認識不足は、水の問題についてですね、全く認識していなかったということです。
 改めまして、気が付けば済むことなのですが、気が付いて、早川町に大井川の上流で水がかなりの分発電のために流れ、人工的に流量が変えられているんですね。それを元に戻せないかどうか、現場を見に行きました。それは難しいということも分かりました。早川町の町長さんともお話をいたしました。そうした中でですね、一方こういう利水に関わる関係者がいかに多いかということも知ってですね、それからまたエコパークにも認定されたということが分かってですね、実は最大の問題は、既存の新幹線の活用で静岡県にもメリットがあるということにも増して、そんなことはもう第二、第三のことでですね、一番肝心の水というものが、水源地が場合によっては一部枯れると、そして影響がかなりのところに出てくるということでですね、これはもう捨て置けないということであります。その認識は恐らく、柘植社長あたりはですね、あまり厳しく捉えられていなかったんじゃないでしょうか。私ですらそうでしたから。
 ましてもっといろいろ考えてらっしゃる、静岡県だけじゃなくで、他の地域のことも考えてらっしゃる方にとっては、10キロだけ掘るだけだったぐらいのつもりだったんじゃないかと思いますね。だけど、われわれにとってはこれは死活問題なんです。メリットなしということです。デメリットだけだと、静岡県370万、天下の大井川、傷つけてですね、何が公共事業かというふうに思っています。
(記者)
 リニアの関係で11月24日のJRの会見においては、社長がおっしゃったのは、県が求めているのはトンネル内の湧水の全量であるということを分かっているということをJR東海がおっしゃったのであって、トンネル内の湧水全部を戻すということはJR東海はまだ約束していない状況だと思うのですけれども、今JR東海が言っているのは、減った分の全量を戻すという従来の主張のままだと思うのですけれども、この状況で、県として利水者側とJR東海の間に立って協定の交渉を前進させるってことは、今の段階で可能だと考えてらっしゃるのか、無理だと考えてらっしゃるのか、いかがでしょうか。
(知事)
 記者さんが今言われたとおりですよ、現状は。全量というのはトンネル工事でできる湧水全部だということは分かってると。だけど一方で減った分だけ戻しますよと言ってる。だからこれ乖離しているんですね。そんなところでですね、協定を結ぶために県が調停をするということはあり得ないです。
 あなたもそう思ってらっしゃるでしょ。ご質問が実際そういうご質問ですよね。いかにひどいかということですね。相手の姿勢が。白紙撤回に近いところにまで、まだ私たちは立場を持って、本当にこの工事これでいいのかというふうに思っております。
 大井川はですね、実は非リプレイサブルなんですよ、取り替えが利かないんですね。ところがですね、リニアはルートでもう公案が出されてですね、いろいろとものすごい議論がありました。だから実は代替があるんですね。代替案というのが。
 だけどこちらはないんですよ。水が失われると、これによって失われる産業、あるいは場合によっては生活、あるいは町、村、農場などがあるんですね。あるいは小水力発電もあります。こうしたものが全部台無しになるということでございまして、そういうことになればですね、代替案があるルートと、全く代替が効かない大井川という自然の賜物と、どちらが大事ですかと。このかけがえのないものは、きっちり守らなければならないという、そういう考えでおります。
(記者)
 今のお話ですと、現状ですと、静岡を通らないでいただいて結構だと、そういうような思いでいらっしゃるということかと。
(知事)
 そこまで言うとね、せっかく長い議論されてお決めになったことですから、ですからもう一度頭冷やして考えていただきたいと。工事をする前にやることもあるでしょう。関東平野を掘る、あるいは名古屋から伊奈の方にまで掘っていくという、いくらでもやることはあるわけです。
 難工事から始めると、しかも、それを人の迷惑も考えないでやるというような状況ですから、できることから先にやったらどうでしょう。私は別にリニア新幹線に反対しているわけではありません。そもそもその促進論者の1人でありましたし。しかし、この問題とそれとは違うと、リニアに反対しているわけではありません。大井川の流量が減るということについての認識に甘さに対して、厳しく指弾しているということであります。
(記者)
 すみません、続けて質問なんですけれども、JR東海側としては、もう知事が10月10日の会見でおっしゃったときに、基本協定の締結は最終の詰めの段階だったというような認識だったようなんです、JR東海の方としては。でも依然として県のいう全量と、JRの言う全量は異なったまま現状に至っているわけですけれども、知事としては、基本協定ですらも認識が違ったままですと結び難いという思いでいらっしゃるのですか。
(知事)
 それはそうです。共通の認識を持たないで協定などできません。
(記者)
 考え方によっては、基本協定の後に本協定という段取りだと思うんですけれども、本協定で県のいう全量を認めればよいというような考えもあるかとは思うんですけれども、知事は基本協定から同じ認識の全量というのを約束しなければ、難しいという考え。
(知事)
 そうですね。そもそも工事をするということ自体が、静岡県に対してデメリットをもたらすものだけで、本協定といえ、基本協定といえですね、結果的に協定を結べばメリットが増しますか。メリットが出てきますか。一つもありません。
 そんなこと、協定をする前から、基本方針としてJR東海が言うべきほどのものですよ。こちらが申請をして、流量が減った分は戻してくださいと申請をする性質のものではありません。要請をするような性質のものではありません。戻してやると言われるような形でですね、そういう上から目線でJR東海がですね、こちらに戻してやるから安心して工事させろと、そんなような筋のものではないということで、一番の倫理の基本です。
 しかも、さらに言えば人間の権利の問題もありますが、川の権利、自然の権利、環境権というものもいえばですね、環境が持っている権利というのは、今国際社会でも認識されつつありますけども、こうしたものに対しての冒瀆(ぼうとく)であるということも含めていいますと、そもそも協定、本協定という名の背景にあるJR東海の姿勢と、哲学というものはなっていないと思っております。この南アルプスのトンネルに関してはですね。
(記者)
 もう1問だけいいでしょうか。10月10日の会見で、知事はJR東海に誠意を示すことが大事であるというご発言をされたんですけれども、そこから1カ月ぐらい、1カ月以上経過していますけれども、あの誠意というのはどういう意味なのかというのが、聞いた人によっていろいろな捉え方があって、一番私が聞く中で多いのが、新幹線の空港新駅の話を言っているのではないかと、誠意のことの意味は。というような見方をする人がかなり多いんですけれども、私はそんな単純なものではないんじゃないかなというふうには思っているのですけれども、知事の中で、あそこでおっしゃった誠意というのはどういうイメージのものなのかというのを、もう少し分かりやすく教えていただけないでしょうか。
(知事)
 JR東海が、いわば準公共機関ですよね。そうしたところが、今回の工事について、既に4月の末までに要請していたわけです、締結をね。その後、ずっとなしのつぶてだったでしょ。まあ1カ月、2カ月、3カ月、4カ月、5カ月と待っていたわけですね。そうした中で、社長の発言があったわけです。私のこの誠意がないという、これが協定に関わるJR東海に対する私の判断ですよ。
 そうして出てきたのが、全量についてはよく分からんと、しかしなるほど、今彼らが、つまり私たちの言っていることが分かったと、トンネル工事の湧水全てだということがわかったと。その分かって、じゃあどうするんですかと、減った分は返しますと、言っているわけでしょ。トンネル湧水全て戻すといわない。ですからもう、この辺りで駄目だなと、この会社のトップが。そうなるともう、協定が結べるような状況ではないなというふうに思っていますね。
 誠意については、先ほども申した通り、協定に関わることについて、誠に乱暴なこれまでの態度であったと思っております。理解不足ということで。
(記者)
 ありがとうございます。
(記者)
 では、ずばっと聞いちゃいますけれども、今、記者さんがおっしゃってたようなJRの新幹線の新駅について、JR東海側が検討する余地があると言い出したとしても、大井川の問題についてはこれは筋は別のものであると、知事はお考えだということでしょうか。
(知事)
 これはね、リニア新幹線が2027年、仮に予定通り完工されたとすると、その2027年の段階で、既存の新幹線とリニア新幹線のサービスが両方、同時並行的に行われるわけですね。従って既存新幹線の活用の仕方ということについても、交通政策審議会中央新幹線の小委員会で報告書に書かれてるんですよ。そのときには、既存の新幹線で新駅、実質、空港の真下の駅のことなんですね。この共通理解があるわけです。それを小委員会の委員長であらした家田先生、また葛西さん含めてですね、名前をうたわれていないけれどあるんですよ。だから、いずれこれはできるんですよ。
私はそれはどうせ造るのであれば、前倒しで造るということがあっていいと。その理由は、一つは2027年にリニア新幹線のサービスを開始するとおっしゃったその後に東京オリンピック・パラリンピックの誘致が決まったということがありますね。そのために外国のお客様の処理能力が今の首都圏の空港では足りないということがありました。
それから御嶽山の噴火がありましてですね、それで富士山の噴火というのもあり得ると。噴火をいたしますと、例え小噴火でも空港の使用は非常に難しくなります。つまり羽田とか、場合によっては成田とか、横田とか非常に難しくなるわけですね。従って、うちの空港の重要性が出てくると。
それから、さらに言えば、大規模な広域防災拠点というのも、後に決まったわけです。リニア新幹線を2027年に完成すると言われた後に決まったものですから。
だから、こういう重大事案に照らすならば、どうせ造るならば先に造ったほうがいいと。いざというときのためにね。そういうことを言ってきたわけですが、それを何も今度のことにひっかけて言っているわけではありません。できたときにはできることになるわけですから。
いわば、「のぞみ」機能の大半がリニアの方に移るわけですね。つまり大都市間を結ぶ超特急はリニアにとって代わられるということです。従って急行と鈍行になる、「ひかり」と「こだま」になるんですね。平均13本走ってるうちの9本が「のぞみ」ですから、「ひかり」と「こだま」の世界にこれからなると。その場合、「ひかり」と「こだま」の本数が増えると。
そしてさらに、横に長いこの静岡県の場合には空港の真下に新幹線が通ってるというメリットを生かそうということで、そこに駅を造るのが望ましいというのが、小委員会の共通理解でもあるわけですね。それはそれでいいんですよ。誘致しようっていうよりも、あとは時期だけの問題であったわけです。そんなことに引っ掛けて、水の問題とこれとどちらを取るかというのは、次元の違う話です。
(記者)
 すみません、たびたび、そうすると大井川のこの問題なんですけれども、これ環境アセスの問題といわゆる協定の対利水者の問題でちょっと分けて考える必要があると思うんですけど、JR側が2トン流量が減れば2トン全量を戻します。必要ならポンプアップもしてというふうに回答していますけれども、会見で言ってますけれども。そうするとそもそもトンネルの湧水というものが、そもそも全部大井川に行くものであるのかどうかというのが分からない中で、そもそも論になると思うんですが、なぜこのトンネル内の湧水を全て戻す必要があるというふうにお考えなんでしょうか。そこをちょっと教えていただきたいんですが。
(知事)
 それは水が減った分は全部戻す。なぜ減るか、工事によって減ると。工事によって出る水の量は、そのまま大井川に流れないわけですから、それを戻すということであります。
 その量がどれくらいかというのが推測で、まあだいたい1.3トンぐらいはですね、導水路で戻せると。しかしちょっと高いところがありますから、そこの分は、0.7トンぐらいはポンプアップして戻すと。こういうものは机上の計算なわけですね。しかし、ポイントはですね、工事をすることによって流量が減るというのは素人でも分かります。沢が枯れるわけですね、水脈に傷を付けるわけですから。ですから、流れが変わることは明らかなわけですね。そういうことをする結果に対して責任を負いますよと。じゃあどういう責任かと言えば、出たところのいわば傷口は全部補塡(ほてん)しますということですから。それがトンネルの工事における湧水の全量を戻すということなわけですね。量がどれだけかということじゃなくて、全量を戻すという意味はそういうことです。
(記者)
 ありがとうございます。
 大井川のトンネルの工事の地元に当たる地域住民に対して、JR東海さんが今後説明の動きが一部にあるかと思いますけれども、こうした動きに出てることについて、内容はまだこれからのことかも知れませんが、その後出てくることかと思いますが、そうした動き自体についてはどのようにお考えでしょう。
(知事)
 リニア新幹線はどこを、大月と甲府の間を通したわけですね、その後どういうふうに造るか、どういうふうに名古屋まで結ぶかについては、ものすごい長い時間の議論があったわけです。そのぐらいかかるんじゃありませんか?
(記者)
 ありがとうございます。となりますと説明は例えば着工に至るまでの限定的なものというよりは、かなり丁寧に回数を重ねなければならないものと?
(知事)
 そもそも論からやらんといかんと思いますね。そもそもここに通すということの正しさも含めて地元の説明もしなくちゃいかんというふうに思います。
 そもそも長野を通す、岐阜を通す、愛知を通す。三重から奈良を出て大阪に至ると。それぞれ通るところについてのご説明をされてきたわけです。長いこと。うちにはありませんでしたから。これからですね。覚悟していただきたいと思っております。
(記者)
 分かりました。ありがとうございます。
(幹事社)
 よろしいでしょうか?では、それ以外の質問がある方はお願いします。
続きがあります・・・
posted by ictkofu at 23:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 静岡県