◇ 2020.12.01
リニア訴訟、原告532人却下 東京地裁「適格なし」(日本経済新聞 2020年12月1日 17:12更新)
JR東海が建設中のリニア中央新幹線について、沿線住民ら781人が国の工事認可取り消しを求めた訴訟の中間判決で、東京地裁(古田孝夫裁判長)は1日、原告の7割弱に当たる532人の訴えを却下した。法律上「適格がない」と判断した。残りの原告は適格を認め、審理が継続する。原告側は「極めて不当だ」として控訴する方針。
今回原告になれるのは、国の工事認可によって個々の権利や利益が実際に侵害されたか、その恐れがある場合に限られる。中間判決は原告適格の有無だけを判断した。
却下された原告は、乗客の立場からリニアの安全性欠如を訴えたり、南アルプスの自然環境悪化を主張したりしていた。古田裁判長は「抽象的な公益にとどまり、保護すべき個人的利益とは言えない」と述べた。
一方、工事予定地の周辺住民については「大気汚染、騒音、地盤沈下で生活環境が害され、健康被害が生じる恐れがある」として適格を認めた。
判決後、原告側は東京都内で記者会見した。原告団長で自身も却下された慶応大名誉教授の川村晃生さんは「安全性や自然環境の問題は今後、具体的に立証する予定だった。途中で終わらせた裁判所に抗議したい」と語った。訴訟には住民のほか、建設中止を求める市民グループらが参加している。
リニア建設を巡っては、静岡地裁や甲府地裁でも沿線住民らが工事差し止めを求める訴訟を起こしている。〔共同〕
この記事は末尾に共同通信の配信と記されていますが、共同通信 を確認しても原文が見つからなかったので日経記事を引用しておきます。リニア中央新幹線の裁判に関して日経新聞が共同通信の配信を掲載したとは、本社記者はこの中間判決を傍聴しなかったのでしょうか、私は意外でした。
今回の原告適格の中間判決は、2019年10月11日第16回口頭弁論の時に古田孝夫裁判長が『来年3月に原告適格の中間判決を出す』と表明したが、コロナ禍により第18回訴訟審理(2020年3月30日予定)は延期されました。(記事・第18回訴訟審理(2020年3月30日予定)は延期されました)
2020年12月1日にこの中間判決があるとの情報を私は見落としていたのです(これもコロナ禍の問題確認に集中していた為です)。以下、その告訴団広報から引用しておきます。
ストップ・リニア!訴訟原告適格中間判決 『リニア工事・供用時の影響が不明確では原告適格を判断するのはムリである。不当判決なら高裁に上訴!』(PDFファイル)
昨年12月の第17回口頭弁論で、古田孝夫裁判長が再度『来年3月に原告適格の中間判決を出す』と表明しました。原告側の求釈明に応じず、鉄道施設の設計や工事車両の走行ルートが不明であり、また「リニアは国家的事業」と国もJR東海も宣伝しているわけですから、原告数を限定すること自体に無理があります。コロナ感染拡大で裁判が中止になりようやく期日が12月1日に決まったものです。4月には裁判長が市原義孝氏に交代しましたが、前裁判長の判決を読み上げるものとみられます。工事が大幅に遅れ2027年のリニア開業が不可能になり、またコロナ禍で鉄道業界を取り巻く状況が厳しくなっている状況で巨費を投じるリニア建設を行うのは無謀です。私たちはリニア工事を中止させるためにも、不当判決が出された場合、原告団は控訴する方針です。
以下は私が確認した報道記事で、いずれも2020年12月1日発信です。今回の件を整理していく余裕がありませんのでリンクのみ・・・
◇ 原告7割の適格認めず リニア認可取り消し中間判決―東京地裁(時事通信)
◇ リニア中央新幹線訴訟 訴えた住民の約3割に原告適格 東京地裁(NHK)
◇ リニア訴訟、原告532人「適格なし」訴え却下 東京地裁、残りの原告で審理(毎日新聞)【有料読者向け】
◇ リニア訴訟、原告7割の「適格」認めず 地裁の中間判決(朝日新聞)【有料読者向け】
蛇足ですが MS Windows で記事をご覧の方に(以下ご存じの方はご容赦ください)。
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posted by ict工夫 at 23:12|
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